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第49話 食料確保5


 三人が騒ぎながら作業を続けた結果・・・みごとな畑が出来上がった。


「よし・・・これで野菜が育てば、食料は安定するな。」


「・・・壮真、すごい・・・」


「ふん、まあ悪くない出来だな。」


 サーヤは腕を組みながらも、どこか誇らしげだった。


 ミィは壮真の横にぴたりと寄り添い、袖をつまんだまま小さく呟く。


「・・・畑、できた。壮真と一緒に作れて・・・うれしい・・・」


「そ、そうか・・・」


「・・・これからも・・・ずっと一緒にいたい・・・」


「お、おう・・・?」


 サーヤはその言葉を聞き、また耳を真っ赤にした。


「ミィ!おぬし・・・!その・・・ずるいぞ!!」


「・・・なにが?」


「なんでもない!!」


 壮真は笑いながら、二人の頭を軽く撫でた。


「まあ、これからも三人で頑張ろうぜ。」


 ミィは無表情のまま、しかし耳がピコピコと嬉しそうに動いていた。


 サーヤは顔を真っ赤にしながら、そっぽを向いて呟いた。


「よし、畑もできたことだし、さっそく野菜を植えるぞ!」


「なのを植えるのだ?」


「この前見つけた、ジャガイモみたいなやつと、大豆みたいなやつだ。」


「おおゴロとパチではないか。」


「ゴロ?パチ?このジャガイモみたいなのがゴロで、豆はパチっていうのか?」


「うむ!そうだ!どちらも煮て食べてる、一般的に流通している野菜だ。しかもどんな場所でも育つという農家にとってはありがたい食べ物だ。」


「おお、ほぼ地球と一緒だな。よしじゃあ植えるぞ。」


「・・・ん・・・頑張る・・」


「ジャガイモはまず芽が均等になるように切り分けて、切り口を灰で消毒する。こうやって植えると芽が出るんだ。」


「ほう・・・不思議だな。切ったものがまた増えるとは」


「・・・すごい。じゃあ、いっぱい切れば・・・いっぱい食べられる?」


「いや、そんな単純じゃないからな?」


 ミィはしょんぼりした。


「気を落とすなミィ!植えれば増えるぞ!!」


「・・・ん・・・わかった・・・」


 気を持ち直したミィは元気を出しゴロを植え始めた。


 次にパチ豆を植える。


「これはサヤから豆を取り出して、土に植えるだけだ。」


「簡単だな。」


 サーヤは器用に豆を取り出しミィは無表情のまま高速で植えていく。


「・・・植えた。全部植えた」


「早すぎる!!」


 壮真は笑いながら二人を見た。


「よし、これでしばらくしたら芽が出るはずだ。」


「・・・芽が出たら食べられる?」


「いや、まだだよ」


 ミィはまたしょんぼりした。


「まあ、気を落とすな。実はこのゴロを使ってじゃがバターを作ろうかと思ってるんだ。」


「・・・じゃがばたー?おいしい?・・・」


「おう!うまいぞ!」


「・・・食べる・・・」


 ミィが即答した。


 壮真は鍋に水を入れ、蒸し器をセットする。そこにゴロイモを丸ごと放り込む。


 火をつけ、しばらく待つ。


 サーヤは鍋を覗き込みながら言った。


「しかし、バターとはなんだ?」


「牛乳から作るんだよ。こっちにも似たようなのがあるだろ?」


「ムームーの乳から作れるかもしれんな・・・」


「・・・ムームーの乳・・・飲みたい・・・」


「ミィ!今は料理の話だ!!」


 しばらくすると、鍋からホクホクとした香りが漂ってきた。


「よし、蒸し上がったな。」


 壮真はゴロイモを取り出し、包丁で十字に切れ目を入れる。


 湯気がふわっと立ち上り、中から白い身が顔を出した。


「うわ・・・いい匂いだな。」


「・・・おいしそう・・・」


 サーヤも思わず息を呑む。


 壮真はバターを乗せ、塩を少し振った。


「はい、できあがり。じゃがバターだ。」


 壮真は皿を三つ並べ、じゃがバターをそれぞれに置いた。


「熱いから気をつけて食べろよ。」


 サーヤは慎重にスプーンですくい、口に運んだ。


「・・・っ!?な、なんだこれは!?」


「うまいだろ?」


「うまいどころではない!!口の中でほろほろと崩れ・・・バターの香りが広がり・・・これは・・・これは・・・!」


 サーヤは震えた。


 ミィはというと――


「・・・・・・・・・(もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ)」


 すでに半分食べ終わっていた。


「おい!!早い!!」


「・・・おいしい。ゴロイモ・・・最高・・・バター・・・天才・・・壮真・・・神・・・」


「褒めすぎだ!!」


 サーヤはむっとした顔でミィを見る。


「ミィ!おぬし、破廉恥はダメだぞ!!」


「・・・チッ・・・」


「舌打ちするな!!」


 壮真は苦笑しながら二人を見た。


「まあまあ、仲良く食べようぜ。」


 ミィは壮真の袖をつまみ、無表情のまま小さく呟いた。


「・・・壮真と食べると・・・もっとおいしい」


「お、おう・・・?」


 サーヤはその言葉を聞き、


 また耳を真っ赤にした。


「ミィ!おぬし・・・!その・・・ずるいぞ!!」


「・・・なにが?」


「なんでもない!!」


 壮真は笑いながら、二人の皿に追加のじゃがバターを置いた。


「ほら、まだあるぞ。」


 夕日が差し込む洞窟の前で、三人はホクホクのじゃがバターを頬張りながら、穏やかな時間を過ごした。




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