第44話 新たなる同居人3
ミィは風呂場の前で立ち止まった。
「・・・ここ、水の音がする」
「風呂場だよ。お湯が出る。」
「お湯・・・」
ミィは蛇口をひねる。
シャアアアアアアアアッ!!
ミィの目がまた丸くなる。
「・・・すごい。ずっと出てる・・・」
「そうだ。水もお湯も使い放題だ。」
ミィは手をお湯に当て、ぽつりと言った。
「・・・あったかい・・・気持ちいい・・・」
「だろ?」
「・・・入りたい・・・」
「ちょっ!ちょっと!!」
いきなりミィが服を脱ぎ始め焦る壮真。
「まてまてまて!!!!壮真殿は見るなー!!!!破廉恥だー!!!」
またまたサーヤが壮真の目を隠そうとして壮真の目を突く、
「ぎゃーーー!!目がー!!!なんで目つぶし!!隠すのはいい!!!目つぶしっはやめろ!!!」
「いいかミィ、殿方の前でむやみに脱いではいかんのだ。」
「・・・わかった・・・」
「使い方は私が教えるのだ。まずはこれがシャワーで、ここのレバーを倒すとお湯が出る。」
「おおお・・・」
サーヤがレバーを倒すとシャワーからお湯が出る、それを見たミィは無表情だが声を出して驚いてた。
「次にこれが髪を洗う石鹸と体を洗う石鹸だ間違えないようにな。」
「すごい・・・石鹸が2つあるの?」
「うむ異世界はすごいのだ。だけど在庫にも限りがあるので少しずつ使うのだぞ。」
「ん・・・」
「体を拭くタオルはここに置いておくからこれを使うのだぞ。」
「ありがと・・・」
そう言ってサーヤは浴室のドアを閉めた。
そうしてそこにはミィがシャワーを浴びる音と壮真の叫び声だけが響いていた。
「めがあーーーーーーーー!!!!」
ミィがお風呂から出て次に見つけたのは、洗面所に置かれた白い機械だった。
「・・・これ、なに?」
「それはドライヤーだよ。髪を乾かす道具だ。」
目をさすりながら壮真が答えるとサーヤがすかさず割り込む。
「そうだミィ!これはな、風を操る魔道具だ!!!」
「魔道具じゃないって言ってるだろ。」
ミィはドライヤーを手に取り、じっと観察する。
「・・・これ、どうやって使う?」
「スイッチを入れるだけだよ。」
壮真がスイッチを押すと・・・
ブオオオオオオオオオオッ!!
ミィの髪が一瞬で逆立った。
「・・・っ!」
無表情のまま固まるミィ。
だが目だけが完全に驚いている。
「すごいだろ?」
「・・・すごい風が出た・・・」
「そうだ。どれ私が乾かしてやろう。」
ミィはドライヤーの風を手で受けながら、ぽつりと言った。
「・・・暖かい。早く乾くから便利・・・」
「だろ?」
「・・・でも、音がうるさい・・・」
「それは我慢するのだ。」
次にミィが興味を示したのは・・・・トイレだった。
「・・・この部屋、何?」
「トイレだよ」
「トイレ・・・・」
ミィは便座を指差す。
「・・・これに、座る?」
「そうだ。座って用を足すんだ」
「なるほど・・・」
ミィは便座をじっと見つめていると・・・・
「しかたがない、また私が使い方を教えてやろう。いいかミィ、通常トイレは用を足したものはトイレの中にいる魔物のブルモンが消化してきれいな土になるだろう?」
「そうなのか!?!?!?お前の世界すげーな!」
「私の世界では汲み取りの仕事の人が集めて・・・肥料所で肥料にする・・・」
「ミィのところは水洗が始まる前の日本みたいだな。」
「まあいい、ミィよ、これはな!用足したものを水で流すのだ!」
「水で流す・・・」
ミィは便座にそっと触れ、ぽつりと言った。
「・・・硬い・・・冷たい」
「冬は暖かくなるぞ。」
サーヤがさらにドヤ顔で続ける。
「ミィよ、さらに驚くな!このレバーを引くと・・・」
ジャアアアアアアアアアアアッ!!
ミィの目がまた丸くなる。
「・・・水が出た」
「そうだ。流すための水だ。」
「・・・すごい。」
「そうだな」
「・・・じゃあ、野外で穴掘らなくていい?」
「そうだ。安全にここで出来る。」
ミィは感動したように小さく頷いた。
「・・・すごい・・・」
サーヤが胸を張る。
「そうであろう!ミィ!地球の文明はすごいであろう!」
「だからなんでサーヤが偉そうなんだ?」
壮真は頭を抱えた。




