第41話 未知のエリアへ5
翌日・・・
「うおおおおおおおおーーーーーー!!!かわいいいのだーーーーーーー!!!!」
「うるせーーー!!!」
シマエナガのぬいぐるみのシマちゃんを抱え大騒ぎをしているサーヤを横にお弁当作りをしている壮真。
本日は北エリアへ探索に出かける予定で、そのためにお弁当を作っている。
「いいではないか!嬉しさがあふれて止まらんのだ。うおおおおおおおおおおお!!!!」
今度はシマちゃんを抱きしめベットで転がり始めるサーヤ。
「もう、ほっとくか・・・」
壮真はあきらめ、弁当作りに集中した。
そして1時間後・・・
「よし、準備できた!サーヤは準備できたか?」
「待ってくれ、今シマちゃんを祭壇に掲げるのだ!」
サーヤはいつの間にか段ボールで作った祭壇にシマちゃんを置き拝んでいる。
「どんな宗教だよ!なんかシマちゃんが禍々しいものに見えてきたぞ・・・」
「待たせたな、これで今日の私は無敵だ!!!」
礼拝をすましたサーヤは目を輝かせ自信満々で言った。
「そうみたいだな、本当に買ってよかったよ。」
壮真はあきれ顔でそう言い荷物を背負う。
「今日は解放された北エリアを探索するぞ!今回は探索のみで戦闘などはなるべく回避したい。」
「わかったのだ!」
「じゃあ出発だ!!!」
壮真とサーヤは洞窟を抜け北エリアの境目へと足を進めた。
北へ進むと、東や西とはまったく違う景色が広がっていた。
「なんだここ・・・?」
壮真は思わず立ち止まった。
竹林が風に揺れ、サラサラと心地よい音を立てている。
地面には苔が広がり、ところどころに赤いキノコや、龍のひげのような植物が生えている。
「竹・・・?いや、でも形が微妙に違うな。節の間隔が長いし、色も青緑っぽい・・・」
「この辺りの生き物、見たことがないぞ。私の国にもいない。」
サーヤが警戒しながら周囲を見渡す。
その時、竹林の奥から「シューッ・・・」と蛇のような音がした。
「来るぞ!」
サーヤが剣を構えた瞬間、竹の影から飛び出してきたのは――
「・・・龍?」
体長は2メートルほど。
細長い体に、顔にひげのようなもの。しかし翼はなく、空を飛ぶわけでもない。
東洋の伝承に出てくる“小さな龍”のような姿だった。
「いや、龍っていうより・・・なんだこれ、コモドドラゴンの東洋版みたいな・・・?」
「わからんが、敵意はなさそうだな。」
龍のような生物は二人を一瞥すると、竹林の奥へと消えていった。
「・・・なんか、東洋ファンタジーの世界に来たみたいだな。」
「東洋ファンタジーとはなんだ?」
「まあ、俺の世界の文化圏の話だよ。実際にはそんな生物はいないが昔から想像で書狩れていた生物に似ている・・・」
しばらく進むと、サーヤがピタリと足を止めた。
「・・・気配がする。」
「気配?」
「うむ。さっきから誰かに見られている。しかも、かなり近い。」
壮真は辺りを見回すが、竹林は深く、視界は悪い。
「どこだ?動物か?」
「いや・・・これは、知性のある者の気配だ。」
サーヤが剣を構え、臨戦態勢に入る。
その瞬間――
竹の上から、影がひらりと舞い降りた。
「シッ!」
「うおっ!?」
壮真は思わず尻もちをついた。
そこに立っていたのは――
手には手甲を構え、身長は140cmぐらい、手足はしなやかで、瞳は金色に輝いている・・・桃色のシ
ョートボブの少女。
しかし最も特徴とするべきところはピコピコと動く猫耳だ。
「・・・獣人族?」
壮真が驚きの声を漏らす。
少女は二人をじっと見つめている。
「ん・・・お前たち何者?」
「言葉がわかるのか?」
「わかる・・・で何者?」
少女は
「私はサーヤ・ロコック。ロコック王国の騎士だ。こっちはチキュウの壮真だ。お前は何者だ?」
「わたしは“ミィ”・・・お前たちか?私をここに連れてきたのは?」
手甲を構え攻撃態勢に移るミィ・・・
「待て待て!俺たちもここに連れてこられたんだ。」
壮真は今までの経緯を説明した。
「わかってくれたか?」
「ん・・・わかった。それにしても・・・」
説明を終えた壮真にミィが近づく・・・その距離は数センチ・・・
それを見たサーヤが剣を突き出し・・・
「おい!お前!壮真殿に何をするのだ!私の目の黒いうちは破廉恥なことは禁止だぞお!!!!」
そんなサーヤを気にも留めずミィは壮真の顔の目の前で花をヒクヒクさせる。
「クンクン・・・お前なんかいいにおいする・・・」
「いい匂い?ああ、もしかして弁当か?」
「その中に食べ物があるか?」
「ああ、リュックの中にはお弁当があるぞ。」
ミィは尻尾を揺らしながら、壮真の周りをくるくる回る。
「少しだけでも、食べ物を分けてもらえると助かる・・・一昨日から何も食べてない・・・」
「マジか!いいぞこれを食べていいぞ。」
壮真はリュックから弁当を取り出しミィに渡す。
ミィはそれを受け取り弁当を食べ始めた。
「もぐもぐもぐもぐ・・・・」
黙々と食べるミィを見て壮真は、
「うまいか?」と言った。
「おいしい・・・初めて食べる・・・」
寡黙で口数が少ないが表情は美味しそうに食べてる。
それを見ていたサーヤは
「壮真殿!私もお腹空いたぞ!お弁当をくれ!」
「お前はさっき食べたばかりだろう?今食べるとお昼は無いぞ?」
「そっ!そんな・・・・ちくしょう!人が食べているのを見ているだけなんて、なんという拷問!!!」
サーヤはその場でへこみこぶしを地面に打ち付けている。
「わかったよ。食えよ!」
そう言ってサーヤへ弁当を渡す。
「やったーなのだ!いただきまーすなのだ!」
ミィとは対照的にやかましいほどに騒ぐサーヤを見てこれから先がさらに悩みの種が増えたのかと思う壮真だった。




