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第39話 未知のエリアへ3

 


「・・・なあサーヤ。初級魔法はなんとなくできたけどさ・・・中級魔法って、これ全部覚えるのか?」


 サーヤは胸を張る。


「中級魔法の特徴は2つ!一つ、詠唱が長い!二つ、魔力消費が多い!そして、ダブル詠唱――二つの魔法を同時に発動する技術は、中級魔法の真骨頂なのだ!」


「いやいや、そんな器用なことできるかよ・・・」


 サーヤは素振りをしながら説明をする。


「まずは“爆発魔法エクスプロージョン”からだ。これは中級魔法の中でも最も派手で、最も危険で、最もロマンがある!」


「ロマン・・・まあ嫌いじゃないけど」


 -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-


 ◆爆発魔法エクスプロージョン


 我が魂の深淵に眠りし古の焔よ。時の狭間に封じられし破壊の理よ。いま、世界の理を捻じ曲げ、 万象を焦がす紅蓮の咆哮として顕現せよ。沈黙せし大地よ震えろ。天を覆う虚空よたじろげ。星々の運命を繋ぐ鎖よ断ち切れ。我が意志は刃、我が魔力は雷、我が叫びは滅びの鐘。集え、集え、集え。破滅の火核コアよ、我が掌に宿れ。いまこそ封印を解き放ち、世界を穿つ紅蓮の王として降臨せよ! 我が名に応えよ、破壊の覇王!我が敵を焼き尽くせ、終焉の光!《エクスプロージョン》!!!


 -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-


「長い!!!しかも中2病MAX!恥ずかしい!!!!」


「詠唱とは魂の叫びだ!恥ずかしがってはダメなのだ!むしろ誇るのだ!」


「いや無理だって・・・」


「では練習だ!さあ立て!」


「お前が立てないのに俺だけ立つのかよ・・・」


 とは言いつつも、壮真は洞窟の外へ出て、少し開けた場所へ移動した。


「よし・・・やるか・・・」


 壮真は深呼吸し、右手を前に突き出す。


「我が内に眠りし・・・破壊の・・・理よ・・・ボソボソ・・・」


「声が小さいのだ!腹から声を出すのだ!」


「うるせえな!恥ずかしいんだよ!」


「恥ずかしさを捨てるのだ!魔法と真剣に向き合うのだ!」


「くそーー!真剣にと言われても・・・」


 しかし、壮真は覚悟を決めた。


「・・・よし、やるぞ」


 壮真は胸を張り、右手を天に掲げ魔力を集中する・・・


「我が魂の深淵に眠りし古の焔よ。 時の狭間に封じられし破壊の理よ。・・・・・・ いまこそ封印を解き放ち、 世界を穿つ紅蓮の王として降臨せよ!我が名に応えよ、破壊の覇王!我が敵を焼き尽くせ、終焉の光!《エクスプロージョン》!!!」


 その瞬間。


 空気が震えた。


 地面が唸った。


 壮真の手の先に、赤黒い光が凝縮し・・・


 ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!


 爆風が森を揺らし、鳥が一斉に飛び立ち、地面に直径5メートルのクレーターができた。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」


 壮真は尻もちをつき、サーヤは目を輝かせて叫んだ。


「すごいぞ壮真殿!!初めてでここまでとは!!」


「いや・・・これ・・・やばすぎだろ・・・」


「ふふん、これが中級魔法だ!」


 壮真は震える手を見つめた。


「・・・これ、使い方間違えたら死ぬな」


「うむ、だからこそロマンなのだ!」


「次は幻影魔法イリュージョンか。これはどんな魔法なんだ?」


 サーヤが説明する。


「これは敵を惑わせる為に、偽の自分を作ったりできる便利魔法だ。」


「なるほど、おとりに使えそうだな。」


 壮真は詠唱のページへと目を落とす。


 -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-


 ◆幻影魔法イリュージョン

 揺らめけ、揺らめけ。虚ろなる影、偽りの像よ。真実と虚構の境界を曖昧にし、世界の認識を欺く霧となれ。我が心の奥底に潜む“もう一つの可能性”よ、姿を変え、形を変え、無数の幻影として舞い踊れ。光を捻じ曲げ、影を操り、存在の輪郭を曖昧にせよ。我が意志を映す鏡よ、いま虚空に像を刻み、敵の目を惑わせ、心を乱せ。欺け、惑わせ、嘲笑え。真実を覆い隠す霧となれ。《イリュージョン》!


 -・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-


「・・・これも長い!!!」


 壮真は何とか覚え詠唱を開始する。


「揺らめけ、揺らめけ。虚ろなる影、偽りの像よ。真実と虚構の境界を曖昧にし、世界の認識を欺く霧となれ。・・・・敵の目を惑わせ、心を乱せ。欺け、惑わせ、嘲笑え。真実を覆い隠す霧となれ。《イリュージョン》!」


 詠唱を終えた瞬間壮真の目の前に壮真の姿をした幻影が現れる・・・しかし・・・


「なんでこんなにデカいんだ?」


 イリュージョンの魔法で出現した壮真は3メートルほどあった。


「壮真殿の貯めた魔力が多かったんであろうな。」


「魔力の量で大きさが変わるのか?加減が難しそうだな・・・これはどうやったら消えるんだ?」


「込められた魔力量で決まるから・・・この大きさなら2時間ぐらいか?」


「2時間もこのデカい自分を見るのか?なんか嫌だな。ちょっと疲れたから休憩にしよう。」


 壮真は椅子に座りコーヒーをすすった。




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