ハイエルフと『星神教』
「助けてください……」
小声でセラがそう言いながら合流した時、後ろにエルフが立っていた。こちらもハイエルフなのだろう。
「お初にお目にかかります、大雑把な事はそこのセキから聞いていると思われるので、こちらからは軽く自己紹介だけさせていただきます、ヨイと言います」
ヨイとセキか、この世界の名前としてはあまり聞かない響きだな。
「ヨイとセキ? 聞かない名前だねー」
トワがそのように言ったことに対してすぐさまセキが答える。
「そうですよー、私達はハイエルフなので今の人とは少し名前の感じ違いますからねー」
「確かにトワって名前も聞かないわね」
「とりあえずだいぶ昔の話なので気にしない方が良いっすよー」
名前についての疑問については解消したところで、立ち話もあまり都合が良くないと考えたので私達は宿に戻る事にした。
……
「で、詳しい話はまだだったが具体的に何を手伝いに来た」
「あー、明確に何かってわけじゃないんですけども……」
「教会を敵にする事をお考えでしょう、私達ハイエルフは教会を打ち倒すことを目的としています」
これまた疑問が増えた。何故教会と対立するのだろうか?
「なぜ対立する?」
「簡単な話です、神である貴方にはわかるでしょう」
「私にはわかる?」
「一神教では『秩序』が複数混じった強力な神になることが一般的なのはご存知なはずです」
確かに複数の『秩序』が入り混じる事は良く知っている。
「それがどう対立と関わる?」
「言葉が足りませんでしたね、ハイエルフの特性も貴方ならわかっているはずです」
「ちょっと、ハイエルフとエルフって根本的に違ったりするの?」
特に問題もない上、トワに関しては不明な点が多かった為気にしていなかったが、種族全体で見た時にハイエルフには重要な特徴があった。
「高位精霊であること……か?」
「その通りっす、俺達ハイエルフは『秩序』の管理者である神の下位互換みたいなもんです」
「なるほど、一つの神に『秩序』を独占されるのは良いことではないと」
彼等からしたら自分達の力の源を奪われ続けているようなものだ。
「今までにも一神教って何個かあったんですがね、『星神教』は俺たちの力を削りすぎるんですよ」
「……対立の理由はそれか」
「向こう側から攻撃を執拗に仕掛けられているという事実もあります」
尚更ハイエルフと『星神教』は対立する事になったわけだ。
「事情はわかった、とりあえずこれからの行動についてハイエルフ側の意見も聞きたい」
私達は、『星神教』について探りを入れるべく、話し合いを始めた。




