検問と神徳
「おお〜、ここが聖都なんだね〜」
トワがそう言って眺める先には前にいた街とは比べ物にならない程大きな都市、聖都だ。
「早速入るか」
「待ちなさい」
すぐさまセラに呼び止められてしまった。
「どうした?」
「聖都に入るには良い信徒であることを示さなければならないの」
「……具体的には?」
私はセラからどれほど『唯一神』の力を受けているかを見ることができる神器がある事を教えられた。
「つまり、セラなら入れるが私とトワには難しいということか?」
「あんたは一応、神としてのしての力があるみたいだけど、それがどう転ぶかが分からないのよ」
実際にその神器を見ないことには何も始まらないので、検問所に並ぶことにした。
「私が先に行くから後ろで見てなさい」
そう言われ、私とトワはセラの後ろに並んだ。
「次! ……通ってよし!」
検問所の警備員がそういうとセラは聖都の中へ入っていった。
「次!」
見たところだと恐らく大丈夫そうだ。
「通ってよし! 次!」
私は難無く検問所を通過した。
「ちょっと止まれ!」
そう言って後ろを振り返って見るとトワが警備員に引き止められていた。
「なんで?」
「なんでってお前、神徳が足りなすぎるじゃないか?」
「神徳?」
神徳という聞きなれない単語にトワは首を傾げる。
「おい、こいつめっちゃガキだぞ? 子供で神徳が足りんやつはたまにいるんだし通してもいいんじゃね?」
「そうだな……そういうこともあるか……」
他の警備員に言われた事により納得したようだ。
「まあ……通っていいぞ……ん? なんだ?」
「……うな?」
「どうした?」
「……ちっさいって言うな!」
トワがそう言って暴れ出すのを私が止める。早く小さいと言われないほどに大きくなってほしいものだと私は思った。
……
「で、なんとか検問所は抜けられたわけだけどどうするわけ?」
セラは明らかに不機嫌そうだった。
「何か急いだ方がいいか? 調子でも悪いのか?」
「あんたねぇ……ちょっと前まで敵だった奴をこんな仲間扱いするわけ?」
「別にいいのではないか?」
どうやら自分が元々敵だった事を気にしているらしいが、問題ないだろう。トワも自衛できる上に何か仕掛けようと思えばあちらが痛手を負うに過ぎない。
「まぁ……それでいいならいいんだけど」
少し俯きながら口にしたがやはり体調が優れないのだろうか?
「そうだな、聖都に入れたんだ、まずは聖都のギルドに向かうべきだろう」
「ソウちゃん、聖都の周りって魔物が出るの?」
「そのようなことは私は知らないな」
「……聖都の周りは変異した魔物が多いことで有名よ、『唯一神』の影響だとかなんとか言われてるけど」
恐らく、あの男が使っていた《神聖魔法》のような、何かを弄る魔法が他にもあるのだろう。
「まずは、ギルドでその魔物の調査依頼がないか調べるべきだな、いくぞ」
私達はそうして聖都のギルドへと向かった。




