この世界の『創世記』:序
神は初めに世界という枠組みを
次に空間を
次に其れを満たす光を創造しました。
そして世界に安定を齎す為に運命を創造し、均衡を保ちました。
最後に物質を創造し、其れを始まりと終わりが存在する物としました。
……
……
……
「なるほど」
私はセラからこの世界の神話の冒頭を聞いた。
「これ以降はまたおいおい聞かせてくれ」
「……わかったわ」
私とセラは街に戻ることにした。
……
「あ! ソウちゃん帰ってきた!」
「おお、ソウさん!」
街に戻ればトワと街の人々が迎えてくれた。私もトワも英雄扱いだ。
「そんなことよりこの街、もう少し荒れてませんでしたか?」
「ああ、それは私が少し直しておいた」
「直したって……」
事の顛末を聞いてきたギルドの者はあり得ないという表情で私を見つめてきた。
「まぁ……貴方のことですし、細かい事は気にしない様にしておきます」
なかなか話しが早いものだと思いつつ私はトワに話しかける。
「トワ、この街から出て暫くまた遠くに行こうと思うのだが心残りはないか?」
「旅? 行く!」
「え? この街出て行かれるのですか?」
どうやら心残りは無いらしい、私からしてもこの事は助かる。ギルドの者は少し焦った声で聞き直してきたが。
「私とトワ、そしてこのセラでこの街を出ようと思う」
「そうですか……ってセラさんも連れて行くのですか!?」
先程とは変わってギルドの者はとても焦り動揺していた。
「悪いか?」
「いや止める権利はないんですが……ここまで最高戦力に近い方々が同時に出ていかれるというのはこちらとしては辛いものなんですよ」
確かに、私やトワに及ばないとしてもセラはこの世界では途轍もなく優秀な人材だ。だが別にダメという訳ではないしこのまま話を進める事にしよう。
「トワ、という事だがいいか?」
「別に私は旅ができたらそれで十分だよ〜」
トワはとても機嫌良さそうに言った。
「セラ、という事だから早く支度を済ませるぞ」
「え、もう行くわけ?」
「何事も早い方がいいだろう、あの男も次に何をするか知れた事ではない」
私達はそう言って旅の支度を始めた。
……
「準備はできたな?」
「まぁできましたけど……」
「ばっちりだよ!」
完全に二人の気分の差が激しいことは置いといて準備はできたらしい。
「では行くとしよう」
街の外に向かう時には多くの人々から声を掛けられた。無理もない、私達はこの街では有名人だからな。
「ありがとう!」
「また、戻ってきてください!」
「旅先でも頑張ってください!」
その様な声援が向けられる中、セラだけは少し居心地が悪そうにしていた。私はそんなセラに小声で話し掛けた。
「大丈夫か?」
「別に気にしなくていいわ……後悔で苦しむのは当然だから」
セラの精神面もこれから気に掛けて行かなければならないだろう。そう思いながら私達は街を後にした。




