武器の数と個の力
「想像よりは遅かったですね」
ギルドに着くと、あの男が少し軽い口調で私を出迎えた。
「一応……もう一度目的を聞く」
「そうですねぇ……もうほとんど済んだことですが念のため話さないことにしておきます」
「そうか」
その言葉を聞いた瞬間に私は周囲に槍を創り出し、射出する。
「またそのよくわからない魔法ですか……Sランクに認定されているのも納得ですね……」
男は何もなかったかのように槍を破壊し尽くす。
「やはりお前の《神聖魔法》は『破壊』由来のものだな? どこでその力を手に入れたかは知らないが、ただの人類如きがよく使えたものだ」
私がそう言うと男は嬉しそうに声を上げた。
「おお! やはり知っていましたか! ならば貴方のその力……欲しいですねぇ!」
この男が何を目的としているかはわからないままだが、『神』を敵対視しているのは理解した。
「《破壊》、そうですね、私の《神聖魔法》です……貴方はどこまで耐えられますかね?」
そう言うと男は《破壊》を直接私に向けて使用してきた。が、私には一切その力は通用しない。
「おやおや? おかしいですね、上位神にも通用するほどの魔法なのですがね……」
私はその言葉を終える前に次の武器を創造し、男に投げつける。
「無駄ですよ、なんでも破壊できますからね……貴方は『武器』の神でしょうかね?」
「好きに考えるといい」
相手が『武器』と考えているのであればそれを利用するのみ、私はそのまま武器を創造し続けた。
……
どれくらい時間たったかな? ソウちゃんちゃんと戦えてるかな? そこは別に心配しなくてもいいかもしれないけどー
「てかトワちゃん動かないけど大丈夫なのか?」
「ソウさんが大丈夫って言うならきっと大丈夫なんだろうが……」
あー、そろそろ動かなきゃダメかな?
力を入れてみる、上手く動かない。
もっと力を入れてみる、上手く動かない。
もっともっと力を入れてみる、ちょっと動いた。
そのまま思いっきり力を入れてみる、完全に押し返せた気がした。
「……ごめんねー、結構動けなくなっちゃって」
私はそう言って立ち上がる。
「トワちゃん……まじか……」
冒険者たちは今までにトワから感じたことのない存在感を受けていた。
「ソウちゃんが行ってた通りに、いったん街から出よっか……その後はソウちゃんと私が全部終わらせるからね」
暫くの間沈黙が続いた。
「っ……皆街から出るぞ!」
……
「ガッ……ゲッグゥ……」
おかしい、そこまで深い傷じゃなかったのにもう持たない……このいきなり受けた苦しみは……
「あの子……《呪縛》を解いた……?」
それは私の完璧な負けを意味していた。




