誘導
「物資が届いていない?」
翌日ギルドについて最初に伝えられたのはこの街に物資が届いていないという事だった。
「どうやら魔物によって道が破壊されてしまっているようでして」
どうやらここでも魔物が関わっているらしい、魔物を統率している何かを無くさなければこれからも別の形での被害も出てくるだろう。おそらくあの二人のどちらかが原因なのだろうが……
「とりあえず、私達が見てくる」
そういって、私はトワと共に街から少し遠く離れた街道まで移動した。
「荒れてるね~」
トワが言う通り道は馬車などでは通ることのできないほどに荒れてしまっていた。
「何か痕跡は……なしか」
あれだけの事があったのだ。彼等は痕跡を残すことをしないだろう。
「ねー、ここなんか変じゃない?」
「どこが変なんだ?」
「魔物の攻撃ならこんな感じにならないんじゃない?」
トワの言う通り魔物が残した痕跡にしては地面に空いた穴の深さが深い。どちらかと言えば魔法による穴だと考えられる。
「だが魔法ならこの量の破壊活動を行って魔力の残影が一切見えないのはなぜだ?」
矛盾が多かった。
「うーん、魔力なんて使わなかったんじゃない?」
「……そうか《破壊》か」
『破壊』による干渉なら可能だ。あの男が小細工ばかりに使っていたことで失念していた。
「だがどうして今更こんな事を……」
私は考えるうちにある可能性に至った。
「この間に街を襲撃するつもりか……」
……
「思ったよりもちゃんと彼等は現場に向かってくれましたね」
「正直、私はこんな上手くいくと思ってなかたんですけど……」
この街の異常な戦力だった二人を街から引き離す事に私達は成功した。
「そうとしても、気づくのは時間の問題だと思うので始めたほうがいいと思います」
「それもそうですね……では私達も少々暴れるとしますか」
……
「街の外から、魔物の群れがやって来るぞ!」
町中に警鐘が鳴り響く。
「一体最近の治安はどうなってるんですか?」
「わかりませんけど、ソウさんは人為的なものの可能性も考えていたようですが」
「ええい! 今はそう言っていられません! ソウさん達が帰ってくるまで耐えきらないと!」
異常に多い魔物の群れは今にも街に入り込もうとしていた。
「ちょ、無理無理無理!」
「先に避難を優先させてください! たぶんほんの数分くらいしか持ちません!」
──ドン
そう音が鳴ったと思えば魔物の群れは街の中に流れ込んでいく。
「っ……迎撃ー!」
その掛け声と共に街の冒険者と魔物の群れが衝突した。




