魔物の襲撃
今日も一日依頼を頑張ろうとトワが意気込んでいたが、どうやらそうもいかなくなったらしい。ギルドにつけば、ドラゴン騒動の際と同じようなざわついた様子だった。
「また何かあったのか?」
「ソウさん、良い所に来てくれましたね」
どうやら私待ちだったようだ。私はすぐ本題に入ることにした。
「何があった?」
「魔物の大量発生……とは少し違くて本来この街付近に来ないはずの魔物まで大量に押し寄せている状態ですね」
どうやら本来この地域にいないはずの魔物がまとめてこの街に押し寄せてきているらしい。
「……不自然すぎではないか?」
「ええ、だからこそ何が起こるかわからないと言いますか」
最高の展開は魔物同士の縄張り争いで数が減るのが良いが、そういうわけにもいかないのだろう。
「わかった、私がある程度片付けよう」
私はとりあえず実際の様子を見に行くことにした。トワはまた楽しげな様子でついていくと言った。
……
「報告があった通りの場所についたわけだが……数が多いな」
草原の一帯は様々な魔物で埋め尽くされていた。中には草原でない、砂漠地域に生息するはずの魔物も多くいた。
「これ全部倒しちゃっていい?」
「……いいが、ほどほどほどにな」
許可を出すとトワはすぐに戦闘態勢に入った。
「《流星群》!」
あたり一帯の魔物が消し飛んでいく。ほどほどにと言ったが聞いていないらしい。私はその間に何か痕跡が残っていないかを確認することした。
トワの《流星群》によって開けられたクレーターにトワの魔力とも魔物の魔力とも違う、なにか『秩序』に似た力を感じた。
「これは……」
そういえばこの前伝言で『光』に教会に気をつけろと言われたがそれと関係しているのだろうか?
「ソウちゃん! 大体終わったよ!」
「……ああ、今行く」
いつの間にかトワは全ての魔物を倒し切ってしまっていた。もう少し細かく調べようと思ったが先に報告をしに帰ることにした。
……
「おや……このソウとかいう冒険者、なかなかやりますね……」
「……彼女は、とんでもなく強いですからね」
多くの魔物たちを街にけしかける気でいたが、先に全て倒し切られてしまった。
「……まぁいいでしょう、それよりも私が気になっているのはこのトワとかいうエルフの事です」
「確かに強いですがまだ子供です、特に問題はないでしょう」
「セラさん、あのエルフの子供と戦ったことがあるのでしょう? 何か知っていることはありませんか?」
「……さぁ、恐ろしく強いという事以外は特に……」
「……そうですか、危険なら殺す必要もありますし、もし利用できるのであれば……」
男は一息ついてこう言った。
「強力な兵器として扱うことができるかもしれませんね……」




