事後処理とセラへの依頼
街につけば、様々な事を問われた。
今ドラゴンがどうなっているのか、現在の被害状況などなど。
「とりあえず怪我人がいるんだ、先にそっちを優先させてくれないか」
私は背中にセラを担ぎながらそう言った。
……
「……ひとまずはこれでしばらくすれば目を覚ますと思います」
セラは街の治療院に任せることにした。
「にしても傷口がきれいだ……治療の技術や魔法がおありで?」
「……応急処置程度の魔法は使っておいた」
さすがは多くの怪我人を診てきたものだ、傷口からどのようなことがあったか推測している。
「この程度なら彼女が気絶するはずもないんですが、元はよっぽど重症だったようですね」
実際セラは腹部が貫通するほどの重症だった。それで私達が来た後も暫くは意識が残っていたのだからよほど強靭な精神力の持ち主だったのだろう。
私達は治療院を後にした。
……
ギルドの方に戻って、質問攻めになることは避けられなかった。私は様々なことに答えた。もうドラゴンは倒したから心配はいらないなどと。
「……面倒だな」
トワは人混みに長くいたことでぐったりとしていた。
「うげぇ……ドラゴン倒す方が楽なんじゃないのー?」
「私達に関してはそれは正しいかもしれないな」
実際、事後処理の方が時間短縮ができず、難しいことである。大事であればあるほど事後処理もさらに時間がかかり厄介なものになるのは当然だが、あまり常識が無いと言える私達にはとてもではないが向いていると言えない。
「……事後処理任せてもいいか?」
「え、あ、はい……わかりました……」
私は近くにいたギルドの受付の者に事後処理を頼むことに成功した。
……いやそうな顔はしていたが。
……
……近くで誰かが私を呼んでいる声がする。
あれ? 私どうしてたんだっけ。
……そうだ、ドラゴンと戦って、それで……
私はゆっくりと目を開ける。何度か見たことのある天井が見える。起き上がろうとすると腹部に激痛が走る。思わず息を詰まらせるような声を出した。
ふと、横を見れば背の高い人物が立っているのが見えた。
「よかった、意識が戻ったようですね」
よかった、と声を掛けるには安堵の感情に欠けた声の男は続けて言った。
「目覚めてすぐで申し訳ないと思いますが貴方に頼みたいことがありまして……」
「……ドラゴン相手にこのようになる少女でいいならどうぞ」
私はすっかり自己肯定感を失ってしまっていた。後から思えば明らかにおかしい誘いに乗ってしまっていた。
「貴方にはある程度の実力があるので何も問題はありません」
男は似合わない笑顔を貼り付けてそのまま続ける。
「それに、貴方を選んだのは別の理由があるのですよ」
「別の理由……」
私が必要とされているならなんでもしようと思った。
「そう……それと本題、依頼内容ですね」
男は不気味な笑顔のまま依頼内容を語る。
「私と共にこの街を破壊しましょう」




