ドラゴン退治へ
私達はギルドに到着するや否や、その騒ぎを耳にした。
一人の受付の者が私に助けを求める。
「緊急事態が発生しました……ご協力をお願いできますか?」
「まず、何があったかを端的に言ってくれないか?」
「そうですね、失礼しました」
少し冷静さを取り戻したようで説明を続ける
「ドラゴンの出現です……」
「……こんなドラゴンは早々出るものではないと話した矢先に出るものなのだろうか……」
私は少し運命とは結局よくわからないものだなと思った。
「ドラゴン? 出るの?」
トワが目を輝かせながら言う。
「喜ぶのもどうかとは思うが、まぁここまで大事になってるならば確実だろうな」
受付の者が少し焦ったようにまた話はじめる。
「それが……どうやら複数体確認されているらしいです」
「……妙だな」
何度もトワに説明している通り、ドラゴンという魔物は基本人里に近寄らない。近寄ったとしてもそれは何かしらの異常があるといってもいい個体だ。それが複数いるとなると、ドラゴン自体が要因となっているわけではない可能性がある。
「とりあえず、街に近づいてくるようであれば、対処はする」
……
私、セラはドラゴンを退けた経歴がある。それは経歴だけであり、実際は少し違うという事を誰も知らない。
「ドラゴンが出たらしいぞー!」
外で騒がしく、そのように叫ぶ人たちが何人もいる。
ドラゴンを退けた、という経歴は私がこのような状況下で頼られる可能性が高いことも意味する。
小さいエルフに負けたことはとてつもなく悔しいが、ドラゴンがいるのならば、自分のプライドのためにも向かわなければならない。
「おい、ドラゴンはどこにいる?」
少しきつめの口調でそばで叫んでいた男に聞く。
……
「対策会議……か」
「なんで会議なんてするの? そのまま倒しに向かおうよ」
一刻も早くドラゴンと戦いたいという気持ちが抑えられないトワはそのように言う。
「この世界に歴史上、ドラゴンは高い割合で大きな被害を出す可能性が高い、勝つ負けるよりも被害を出さないという事に私達は集中しなければならない」
本来、私一人が出向くだけで片付く話だが、このように人類と共にいることでそれはできない。この場に入る者達だけで解決できるのが理想だが……どうやらそう上手くいかないらしい。
「まず、ドラゴンは最低でも三体現在確認されています」
「三体もいるのか!?」
多くの者がドラゴンの数に驚く中、私は違和感を感じ続けていた。
強力であるが個性が強いとされているドラゴンがこのような集団行動をとるのだろうか?
私は『創造』であり、全知全能というわけではない。だが、物事の出来事の『始点』を知ることができる。『世界』の『創造』であるため細かいことを知ることはできないが。
「とりあえず……私達だけでも先に行こうか?」
私はトワを見た。案の定、目を輝かせていた。
「行く!」




