世界の外 『破壊』の呟き
『創造』が旅に出てから数年。私はかなり暇だった。
「うーん、マジで暇。といってもどこかの世界に降りるのもアレなんだよねー」
私は『破壊』だから世界に降りるリスクは『創造』よりも段違いに高い。最悪の場合世界を滅ぼしてしまうから。
「誰か帰ってこねーのかよ!『運命』でもクソ野郎の『時空』でもいいから~」
「呼ばれました、『運命』です」
「どわっ!!」
いつの間にか後ろからのぞき込まれていて私は驚いた。
「帰ってきたのが『時空』じゃなくてよかったわ!」
「あなたほんとに『時空』嫌いですよね……」
「だってアイツマジで堅苦しいもん!『創造』の堅苦しさの方が断然マシだわ!」
「それについてはわたくしも同感ですが……」
『時空』は私達最高神の中で一番『秩序』にこだわりを持っていて堅苦しい。だから半数の最高神から嫌われている。
「そういえば、『運命』は世界で何してきたの?」
「『光』に連れられてよくわからないライブに行かされました……」
「アイツどうしたのよ……最近の『創造』よりキャラブレまくってるじゃないの……」
「あ、でもそこの世界はそこそこ居心地は良かったですねー。人類が『秩序』をそのまま使って暮らしていた。不本意だけど『時空』が好きそうな世界ですね……」
「いわゆる科学文明が発達してる世界って、『秩序』自体もそうだし、それ管理してる『神』も真面目で律儀すぎるよね……」
「まぁまぁ、今度わたくしと一緒にその世界に寄ってみませんか?」
「今度と言わず今行ってもいいのよ?」
「わかりました、行きますかー」
『運命』が背伸びをしながら歩き出す。私もそれについていく。
「そういえば『創造』のこと見てたんでしょう?」
「ああ、何ともうらやましい生活してるよアイツは」
「うらやましい……ですか」
元々私も『創造』のように世界を旅したことがあった。
「あの時……私は失敗しちゃったからな……アイツにはそうなってほしくないわ」
「やっぱり『破壊』は見かけによらず優しいのですね」
「それとこれとは話が別だろーが」
私はあの失敗を少し後悔している。『創造』が同じことを経験するのならば、堅苦しいから余計につらく思うだろう。
「ねぇ、『運命』……」
「なんでしょうか」
「……『神』って何なんだろうね?」
「……それは私も知りません。ですが……知るためにみんな旅しているんだと思いますよ?」
『神』は『秩序』が教えてくれる真実以外を知る知性があり、それを探しに行く足がある。
「やっぱり、こういうことは『運命』がいつか見つけてくれるでしょ」
「どうでしょうか?私ではなく『創造』かもしれませんよ」
「ははっ!いい冗談言うねぇ」
私達二人はある世界へと降り立った。




