セラの記憶
私、セラは三年前、ギルドに冒険者としての登録をした。
もちろん最初は同じ学校に通っていた友人と一緒に。私は昔から魔法に関してはとびぬけて優秀だったし、運動だって、他の教養だって人並み以上にあった。
でも、冒険者としての生活を始めて数か月経った頃アレが起きた。すでにBランクとして認められていた私はいつものように友人達と共に依頼を受けていた。そこに向かった先にSランクの冒険者が数人がかりでやっと倒せるほどの強大な魔物、ドラゴンがいた。もちろん想定していたわけではなく、イレギュラーだった。
その時、そこにいた私以外の人間は全員死んだ。
私は意識がなくなるまでがむしゃらに魔法を撃ち続けた。それが意味をなさないとしてもそれしかできることがなかったから。
そのあと、私はギルドからの事情聴取などを受け無事に友人たちのいない元の生活……に戻った。
しばらくして、ドラゴンを倒してはいないものの退けたというだけでAランクに昇格した。私は強くなりたかった。もう誰にも負けないくらい。
そんなことを考えながら過ごす中、ある日私にある声が聞こえた。
「私は『神』である。力を求めるのならば崇めなさい」
私はその声の主が直感的に何者なのかを理解することができた。
この世界に存在する一神教の『絶対神』であるということを。
私は力を受けることができた。魔力量は上がり、一部の《神聖魔術》を使うことができるようになった。
そんな中、一人のエルフの子供がギルドに訪れた。実力者から戦える力があると言われようとも私は彼女を止めなければいけなかった。
彼女は……私の死んでしまった友人の一人に似ていたから。
でもそんな考えは杞憂だった。私よりもはるかに強い力を彼女は持っていた。強くなったと思った私の魔法も効かず、さらに《神聖魔術》を使う前に決着がついてしまった。
……
私がしたことはいつも空回りしてしまう。私は何をすればいいかわからなくなってしまった。
「……ねぇ、神様。私は何をすればいいのかしら」
誰もいない自室で、誰かが聞いていることを願いながらそうつぶやく。




