《加護》とは
トワの放った《流星群》は少女の放った《流星群》を破壊し、地上に降り注いだことで複数のクレーターを作り出した。
「トワ、少しやりすぎだと思うぞ」
「むこうが使ってきたから使っただけですー」
私達は後始末をつけることにして、その日は薬草採集には行かずに、ギルドに戻ることにした。
……
「随分と派手にやっていましたね」
「悪いか?」
「そりゃ悪いに決まっているでしょうが、少し理解してください!」
受付の者には小言を言われたが結果的に被害はほとんどなく、厄介ごとも片づけることに成功したようだ。
「そういえば、あの少女、名前は何というか知っているか?」
「ああ、《名無し》………じゃなくてソウさんがここに戻ってくるまでの数年の間に活動を始めていますからね、彼女」
数年の間でAランクまで上り詰めるという事はやはりとても優秀なのだろう。生まれつきの才能だけでSランクがあるようなトワと戦闘をさせるのは酷だったようだが。
「彼女の名前はセラです」
どうやらあの少女はセラというらしい。今日はすぐに宿に戻るつもりなので、すぐに再び会うことはないがAランクなのでいずれそこそこの交流が生まれるだろうと私は考えた。
「トワ、今日は帰ろうか」
「えー、せっかく早く薬草採集終わらせようと思ったのにー」
「今日は派手な戦闘をしてしまったのだから採集もしづらいだろう」
「戻って休んどくべきだ」
そうやって私はトワを諭して宿に戻っていった。
……
宿に戻ってしばらくしたときトワから声をかけられた
「ねぇ、ソウちゃん」
「どうした?」
なんだか不思議そうな表情で私を見つめていた。
「あのセラって子、本当に初めて会ったの?」
「そうだが?私の記憶にはないぞ」
「なんだかあの子、ソウちゃんぽい気配がするんだよねー」
「……どこかの『神』の《加護》を持っている可能性は否定しきれないな」
「《加護》?」
「《加護》というものは『神』の力を部分的に借りることだ。『神』に気に入られているものが持っているんだ。『神』ごとに効果は千差万別な上に個人差が激しいものだ」
「それってわたしも《加護》持ってるの?」
「私は特段トワに《加護》を与えていない」
「えー、なんでー」
トワがとても残念そうに私を上目遣いで見ている。
「欲しいのか?」
「そりゃもちろん」
「……いずれ、だな」
「えーーー!なんでーーー!!」
「私の力の一部とはいえ、危険なことだ。生まれつき《加護》がないなら成長途中のトワの肉体では耐えられないかもしれない」
「むぅ……ちゃんと大人になったらちょうだいね!」
「わかったよ」
「ん……」
そうして私はトワに明日は今日より早く行動するから寝るように声をかけた。
……
……ソウちゃん、ちょっと笑ってた?
いままで全然笑わなかったのになー、ま、いっか、悪いことじゃないんだし。




