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出会い

 この大きな体が嫌だった。

 おらを見ると誰もが怯え、そして時にはおらを祓おうと襲い掛かって来た。


「誰も……おらは傷つけたくなんてねえんだけどなあ」


 全長五十メートルを超えるがしゃどくろはどこに居ても目立った。

 襲われること日々に疲れた仁骨は気付けば山奥に籠るようになった。

 本当は人と関わりたかったが、人は仁骨を見ても怯えるか襲ってくるかの二択だったのだ。


「ひいいい! 化物だ!」


「子供達を逃がせーーーー! 陰陽師を呼ぶのだ!」


「妖怪だ、祓え!」


 受けることは拒絶ばかり。

 いつしか仁骨は人間と関わることを諦めた。

 そんなある日。

 山奥の洞窟の中に大きい体を折りたたんでひっそりと暮らしていると、来客があった。


「あら。先客が居たのね」


 そう言ったのは若い女性であった。

 彼女は仁骨を見ても驚かなかった。


「一晩いいかしら。雨が降って来たの」


「べ、別に構わねえよ」


 その堂々とした態度に仁骨側が驚く。。


(おらにびびらねえ人間が居る訳がねえ)


 仁骨は警戒することにした。

 翌日も、彼女は洞窟から動かなかった。


「これえ、食え。人間は腹が減るんだろう?」


 仁骨はそう言って、果物を差し出した。

 この山は仁骨が住み着いたせいで、周囲の者が入ってこない。そのため食べ物が豊富だった。


「ありがとう。美味しいわ。私は小春」


「それは良かった」


 小春はその後も洞窟から動かない。

 仁骨は彼女が腹部に怪我をしていることに気付いた。

 仁骨はのそのそと再び洞窟を出ると、怪我に効くと言われる薬草を獲って来た。


「これえ、使え。怪我に効く」


「ありがとう」


 小春はそれを怪我した部分に当てる。


「……貴方は妖怪なのに、なぜ人に優しくするの?」


 小春は仁骨に尋ねた。


「困っている者が居たら、妖怪も人間も関係ねえよお。逆になんで人間なら助けないんだあ?」


 仁骨の言葉に、小春は笑う。


「そうね……その通りね」


 それから小春と仁骨はよく交流するようになった。

 仁骨にとって、小春は初めてまともに話す人間だった。

 小春の話は仁骨にとって新鮮で、夢のような話も多かった。


「小春は物知りだなあ。おらはこの山と近くの村しか知らねえよお。おらもいつか都に行ってみたいなあ」


「私もそんなに詳しくないけどね」


「それでも凄いなあ。そう言えば、小春はなんで俺を怖がらなかったんだ?」


「いや、怖かったわよ。動けなかっただけ」


 と想定外の回答が返って来た。

 仁骨は地味にショックを受けた。


「そ、そうだったのか……」


「そんなショックを受けないでよ。怪我に効く薬草を心配そうにくれた時、貴方は本気でこちらのことを心配してると分かったから。それからは怖くなかったわ」


「なら良かったよお」


「ねえ、そういえば貴方。名前はあるの?」


「名前……? がしゃどくろってたまに呼ばれるくらいだなあ」


「それは種族の名前でしょ。名前じゃないわ」


「誰もおらのことなんて、呼ばねえから必要ねえよ」


「私が呼んでるじゃない。名前がないなら、私がつけていい?」


「いいよお。頼む」


「じゃあ『(じん)』ね。思いやり、慈しみって意味があるの。怖い見た目だけど、誰よりも優しい貴方にぴったりよ」


「仁……仁だな! ありがとうなあ。これからは仁って名乗るよお!」


 仁骨はその名を聞いて、嬉しそうに言う。


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