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脅迫

 日も暮れ始め、仁骨達もラットランドから出た。


「楽しかったな、姉ちゃん! また来たい!」


「そうね。道弥さん達も、お土産喜んでくれるといいな」


 仁骨達は駅に向かう。


「姉ちゃん、俺トイレ行きたい」


「仕方ないわね。私が連れて行ってきます」


「おう~。ここで待っとるでなあ」


 ルカはナツキを連れて、途中にあったトイレに向かう。


「道弥には頭が上がらねえなあ」


 仁骨はのんびりと二人を待ったが、五分以上経ち、少し遅いことに気付く。


「動くな、ガイコツ。動いたら、このガキ共の命はないと思え」


 トイレから出てきたのは二人の男。

 ルカとナツキを捕まえており、その首にはナイフが当てられている。


「骨さん……ごめんなさい」


「助けてぇ」


 二人は泣きそうな顔で仁骨に助けを求める。


「止めてくれえ! おらは別に人間に危害を加えようなんて思ってねえよお」


 仁骨は悲鳴に近い声を上げる。

 そんな中、二人の男の後ろから灰長が現れた。


「ふん。妖怪の言うことなんて誰が信じるかよ。この子供を食べようとしていたんだろ? お前等、騙されているぜ?」


 灰長が笑いながらルカ達に言う。


「骨さんはそんなことしねえ!」


 ナツキが否定するように叫ぶ。


「黙らせろ」


 灰長の言葉を聞き、ナツキの口を無理やり閉じさせる。

 ナツキの辛そうな顔を見て、仁骨はパニックになる。


「止めてくれよお! おらが気に入らねえなら、山に帰るからよお。子供達に手は出さないでくれ!」


「馬鹿が……お前みたいな妖怪を逃がす訳がねえだろうが。このやたらおまえを庇うガキも洗脳されている可能性がある。危険があるのであれば、心が痛むが、殺さなければならねえなあ」


 灰長がちらりと二人を見る。


「洗脳なんて、できねえよ。おらは!」


「だが、お前が俺の式神になるのであれば、洗脳されてないと判断して子供達を返してやってもいいぜ」


 灰長は仁骨に対してそう告げた。

 仁骨はその言葉を聞き、固まる。

 しばらく沈黙が流れた後、口を開く。


「おらは……既に主が居るから、無理だあ」


「ほう? いいのか? このガキへの気持ちはその程度ってことだな。仕方ねえ、二人を殺れ」


「止めてくれよお!」


「ガキじゃねえんだ。お前が従わねえのなら、祓うしかねえ。はっきりしろ。お前が俺の式神になるか、ガキ共々殺されるか、をな」


 その言葉を聞き、仁骨は必死に考える。

(どうすりゃあいいんだよお。色々してくれた道弥を裏切るなんて、できねえよお。けど、このままじゃ子供達が……。おら、馬鹿だからどうしたらいいか分かんねえよ)


「仕方ねえ。一人殺せ」


「分かったよお! もうやめてくれえ!」


 灰長の言葉に、仁骨は叫ぶ。

 灰長は仁骨の言葉を聞き、にやりと笑った。


(ごめん……道弥……)


 仁骨は絶望しながら、過去を思い出していた。



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