責任とれんのか?
道弥達がクズと対峙していた時、仁骨達はラットランドを楽しんでいた。
「お姉ちゃん、凄ごいね!」
「ショーも乗り物も楽しいね!」
二人とも初めてのラットランドに大はしゃぎ。
「次これ乗ろうぜ!」
とナツキはジェットコースターに列に走る。
「良かったなあ。よおし、ルカも行くぞお!」
仁骨はルカを肩車すると、そのままナツキの元へ走った。
「連れてきてくれてありがとう」
ルカは後ろから仁骨に小声で言う。
「いいんだあ。おらもとっても楽しいからよお。人間の世界は凄いなあ。こんなの生み出しちまうんだから」
仁骨も千年前とはまるで違う技術に驚き、楽しんでいた。
「骨さんも凄いよ?」
「ありがとうな。素直に楽しんでればええんだ。道弥は凄いから、きっと大丈夫だからよ」
「……うん。骨さんが困った時は、私が助けてあげるね?」
「……それは嬉しいなあ。百人力だあ」
仁骨は幸せそうな笑みを浮かべた。
一方、幸せそうな仁骨達を冷たい目で監視している者達が居た。
「子供達と共にラットランドで遊んでいますね」
「やはりあの化物の弱点はガキ共だな。化物の癖に随分情に厚いようだ。芦屋と離れた今がチャンス。お前、しっかり監視しておけ。ガキと化物が離れたらガキを捕まえて人質にする」
灰長は笑いながら、言う。
「灰長さん……奴はそんな悪い妖怪ではないのではないでしょうか? 流石に子供を人質にするのは……」
と部下が言いにくそうに言う。
その言葉を聞いた灰長が、部下の腹に蹴りを放つ。
「げえっ!」
倒れ込む部下の髪の毛を掴み、顔を上げさせる。
「なに甘えたこと抜かしてんだお前? 遊びじゃねえんだよ、これは。つける弱点は、どんな弱点でも突く。たとえそれが相手の親でも、ガキでもだ。お前、あの妖怪は優しいんです、と言って逃がした妖怪が人間を傷つけた時、責任とれんのか?」
「……と、とれません。出過ぎたことを申しました」
「妖怪なんて所詮は人の敵なんだ。たとえ一時的に優しくともな。人を傷つける可能性がある。それだけで、悪なんだよ。邪魔をするならお前も殺すぞ。覚えておけ」
「は、はい……! 申し訳ございません!」
灰長の厳しい言葉に、ぺこぺこと頭を下げる。
「黙って監視しておけ」
灰長は蛇のように粘り強く、仁骨を監視した。
その目は強い意志が感じられ、必ず捕えると雄弁に語っていた。





