ラットランド
「道弥君からこの少女達の親族調査の依頼を頼まれた? 分かったよ。すぐ部下達に当たらせよう」
二条明は都からの報告を受け、すぐに動き始めた。
二条グループ程大きな組織となると、情報収集専門の子飼いが居る。
彼等に頼むのだ。
「旦那様、すぐに調査するように伝えました。後、お耳に入れたいことが。実は安倍家の分家筋から圧力がかかっております。芦屋家との関わりを止めるようにと」
使用人が明に伝える。
「無視しろ。我が依頼を断った安倍家と、我が娘を救ってくれた道弥君、どちらにつくかなど、考えるまでもない。塩をまいておけ」
「承知しました」
「一少年と陰陽師界一の安倍家、今は大きな差があるだろう。だが……商売人としての勘が言っているのだ。彼に賭けろとな」
◇◇◇
ルカ達が事務所に住み始めて一週間。
ルカもすっかり落ち着きを見せており、元気になってきた。
「事務所にずっと居ても退屈だろう。どこか行きたいところあるか?」
俺はルカとナツキに尋ねる。
「俺、ラットランド行ってみたい!」
ナツキが元気に言った。
ラットランド。
二足歩行のラット君がマスコットの大人気テーマパークである。
「仁骨、連れて行ってやれよ」
「おらも連れて行ってやりたいんだけどよお。おらは銭を持ってねえからなあ……」
「ほらよ。持って行け」
俺はお金の入った財布を渡す。三人が遊びに行くくらいなら余裕なくらい入っている。
「これ紙しか入ってねえぞお?」
仁骨が一万円札を摘まみながら言う。
「貴方……まさか現在の貨幣を知らないの?」
莉世が驚きの表情を浮かべる。
「今はその紙が通貨代わりなんだよ。その紙があれば大丈夫だ。ルカ、仁骨が困ったら助けてやってくれるか?」
「うん! 任せて! 骨さん、私お金分かるよ! これ一万円って言って凄い大きなお金なんだ!」
「凄いなあ、ルカは」
仁骨はにこにこでルカの頭を撫でる。
ルカも撫でられて幸せそうにしている。
「仁骨、二人を連れてたまには遊んで来い。ルカ、仁骨はあまり人間の世界に詳しくない。電車の乗り方から教えてやってくれ」
「分かった~! 骨さん、私達が連れて行ってあげる」
「ありがとうなあ。頼りになるお姉さんだ」
「うん!」
仁骨は二人の手を取って笑顔で事務所を出て行った。
「相変らず、面倒見の良いこと」
莉世が言う。
「良いことではないか。私はあの優しい仁骨が好きなのだ」
真が笑う。
「お前達、二人の親族の……父親の情報が分かった」
俺は式神達に、明さんから情報が来たことを伝える。
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