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晴れ渡る空の下で

カーテンの隙間から朝日が差し込み、それで目が覚める。




…なんてことはなく空がまだ薄暗い時間帯から既に起きていた。


メイド達がバタバタと部屋に出入りしてみんな忙しそうだ。

「ドレスの最終チェックを!!あと手の空いたものはアクセサリーのチェックにまわって!

リリアンヌは時間の最終確認を会場で行って!関係者と連携を!」

フィナがあちこちに指示を出す。


「かしこまりました」とリリアンヌが部屋から出ていった。


「こちらルシアお嬢様のマッサージが終わりました!」

エステ班のメイド達がフィナに報告をしている。


「わかりました、ありがとう。」



こんなやり取りが私の部屋にほど近い一室でのやり取りだったりする。


かく言う私はと言うと、マッサージを終えたこのちょっとした空き時間に軽く軽食を頂いていた。

食事を終える頃にアンが部屋に入ってきて今後の予定を説明していく。


「お食事が終わりましたらドレスの着付けを行います。メイク等の時間も考慮する為少しピッチを上げて参ります。」

「分かったわ」



そう今日は私の結婚式。


半年前に学院を卒業し今日という日を迎えた。



一通りの準備を済ませようやく一呼吸おける。

豪華な白いウエディングドレスを身に纏い、ドレスを汚したり皺を作ってはいけないという妙な緊張感があるが、早朝から先程までせわしなく動いていた為安堵感もあったりする。


…これから本番なのにね。


ドレスの皺に注意し侍女達に手伝ってもらいながら椅子に座り物思いに耽っているとドアをノックする音が聞こえた。



「シア!!」

アルバート殿下が満面の笑みで私の元へやってきた。

白いタキシード姿がまばゆい、王子様みたいだ。あっ王子様だった。


「シア…とても綺麗だ…」

頬をうっすらと赤く染めて私を見つめてくる。

心なしかその瞳は熱を帯びてるようで、その視線を受けてるのが何だか恥ずかしくなり「アルバート様も素敵です…」と褒める言葉が小さくなってしまった。



「殿下、そろそろお時間です」

「おっと…んじゃ先に行ってるね?シア」

侍従に呼ばれたアルバート様は部屋を退出していき、それから程なくして私もアンから呼ばれ式場の方へ足を運んだ。



式場のドアが開かれ奥の方でアルバート様がこちらに微笑みながら待っている。


お父様のエスコートで(既にお父様は泣いていたが)アルバート様の元に到着した。



誓いの言葉を私達はそれぞれ言葉にし、誓いのキスをする。


アルバート様がベールを上げて顔を近づけ私達はキスをした。







……ちょっと待って。


アルバート様…キス長すぎやしませんか?


私の中で誓いのキスって軽めのキスを想像していたんだけど、これは流石に長すぎやしませんか?


思わず目を開いてアルバート様を見たら、アルバート様は既に目を開いて面白そうに目を細めていた。




……おいいいいいいい!!この王太子いいいいいいい!!

周りを見ようとせわしなく目を動かせば神父様が困ったように微笑んでいるし、国王陛下や王妃様、私の両親や兄も神父様と似たような表情をしていた。


聖女であることでこの式に呼ぶことができたソフィアは顔を赤らめながらこの光景を見ていたし、サザンローナの来賓として来ていたセリーヌはニヤニヤしながら見ていた。セシル殿下は顔を赤くしながら困惑した表情で見ていたし、ロイド様やクリス様は呆れたように見ていた。



流石にこのままではまずいと思った私はアルバート様の腕を軽く叩いて合図すれば名残惜しそうに離れていくアルバート様。



フラワーシャワーを浴びてこれからパレードに向かうべく王家の豪華な馬車に乗り沿道で手を振る人達に手を振り返す。


馬車から手を振りながら「さっきのシア可愛かったよ?」「もう!国の要人も沢山いる結婚式であんな長々とキスするなんて!!」とそんなやり取りをしていたのはここだけの話。







夜豪華なパーティーを王宮で開かれ、それも恙なく終わり(ディナーの食事は豪華だったけどとても美味しかった。)ようやく一通りの結婚式の流れが終わった。


パーティーでは久々にセリーヌやルーク様、セシル殿下とお話できたし、ソフィアやクリス様の結婚式ももうじき行う話も聞けたし、何より本当に久しぶりに家族と話をすることができた。


お父様もお母様は晴れやかな顔で「シア、本当におめでとう」と言ってくれて目には涙を浮かべていた。


魔力無しの時代の時は本当に心配をかけたと思う。



「お父様、お母様、今まで育ててくれてありがとうございました。これからもどうか見守っててください。」

私がそう言葉をすれば2人とも感極まって泣いてしまい、周りにいた友人ももらい泣きしていた。


「絶対シアを幸せにします」

思わずウルっときてた私の隣でアルバート様も私の両親に挨拶してくれた。


「ルシアをよろしくお願いします…少々お転婆なところはありますが」

「もう!!お父様ったら!!」

お父様の一言で周りが笑いに包まれた。








その光景を思い出して思わずふふっと噴き出してしまった。

「おや?シアは心に余裕が出てきたようだね?これから初夜なのに…」


アルバート様のその一言ではっとした。

今は大きなベッドの上でアルバート様と今日の結婚式を振り返っていたのだ。


式が一通り終わればメイド達に全身を磨かれアルバート様が部屋に来るのを待っていた。


程なくしてアルバート様がやってきたのだが、緊張しているであろう私の為に敢えてベッドに座って今日のことをお喋りしていた。

アルバート様のこの心遣いがとても嬉しかった。


「緊張はしてますが…嬉しさも同じくらいにあります」

そう口にすればアルバート様はふっと笑って

「シアは本当に可愛いな」

と私に口づけしてきた。



その口づけは段々深くなり、私はベッドに押し倒される形になってしまった。





この夜はとても長く、しかしとても幸せな時間となった。





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