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思わぬ収穫

生徒会室に到着し、アルバート殿下が作業の手を止めて私を迎え入れてくれた。

「シア!!大丈夫だったか!?」

アルバート殿下が私を抱きしめながら無事であることを確認してきた。


一応フレディック様もいるから恥ずかしいのだが…

そう思い「フレディック様が助けてくださったので大丈夫です」と少しだけ離れてアルバート殿下を見上げて大丈夫だとアピールする為笑顔を向けた。


「すまない、シア、本当は俺が助けに行きたかったんだが俺が行くとかえって面倒なことになるってフレディックに言われてな…」


「えぇ賢明な判断だったと思います。案の定私が遅れたのはメル絡みでして、メルの話しぶりで次はアルバート殿下をターゲットにしてるようでした。」


「…ほう、彼女はなんと…?」


「まぁざっくり言うと自分の方が私よりもアルバート殿下に寄り添える?みたいなことをおっしゃってましたよ。」


私の一言でアルバート殿下が絶対零度の笑みを浮かべていた。ひええ…。


…笑顔でここまでの圧を発することができるのね…。


「周りに甚大な被害を及ぼすだけでなく、言うに事を欠いて自分の方がシアよりも俺に相応しい…と…ほう…?

シアは私の婚約者の立場なんだぞ?完全に王族の一員になったわけではないがほぼ約束された立場と言っても良いくらいだ?グランバニアでは大聖女の称号を持つ侯爵家の令嬢であるシアよりもあの女の方が俺に相応しいだと?不敬罪で打ち首にしてやろうか?」


ここまでダークなアルバート殿下を初めて見た気がする。


「…アルバート、怒りは最もだがルシア嬢が困っているぞ?少し落ち着け」


ハッとしたアルバート殿下が「驚かせてごめんね?シア」と再び私を抱きしめてきた。


「だが俺も自分の大事な婚約者をここまで侮辱されてとても腹が立っているんだ。早々にあの女の問題にケリを付けないとな」


この問題を早々に解決したいという点については私も同意見だ。


あと喜べる状況ではないことは分かっているがアルバート殿下が私の為にここまで怒ってくれたことが正直とても嬉しかった。


「あの…喜べる状況ではないのですが私を大事にしてくれてありがとうございます、アルバート殿下」


照れながら笑ってお礼を言えば顔を赤くするアルバート殿下。

アルバート殿下の抱きしめる力が強くなった。


「シア!!かわいい!!」


その一言で私は恥ずかしさで更に悶絶していた。



「あの…いい加減そろそろ仕事に戻ってくれねぇか?」

フレディック様の一言で私は恥ずか死したのはここだけの話。

いや決してフレディック様を忘れてた訳ではなくて。








これで何回目かのサーシャ様とのお茶会。


サーシャ様とは仲良くしたいが学年も違うし最初は頻繁に会う事も難しいが、サーシャ様はなるべく私に予定を合わせてくれているようで、今までのお茶会もサーシャ様のおかげで実現していると言っても過言ではない。


サーシャ様のことは今回の問題の解決に繋がるキーマンだと思っている。が、サーシャ様自身話しやすく先輩なのにとても親しみやすい性格で、今回の一件を抜きにしても個人的にももっと仲良くなりたいと思っていた。



ガゼボでサーシャ様を待っているとサーシャ様ははしたなく見えない程度の急ぎ足でこちらに向かってきた。

こころなしかサーシャ様の顔色が悪い。


「遅れてしまって申し訳ございません、ルシア様」


「私も今来たばかりなので大丈夫ですよ、それよりもサーシャ様、体調が優れないのですか?無理はなさらないで」


「いえ、私は大丈夫です。大丈夫なのですが…申し訳ございません、1つルシア様にお伝え忘れていたことがあったのです。」


「…え?」


「前世の乙女ゲームの記憶についてです…。かなり大事な部分でなおかつ今現在の状況が正にその思い出した記憶の状況にとてもよく似ていたので…そんな大事なことを忘れていた自分の不甲斐なさに腹が立っておりました。この忘れていたことを早くお伝えしないと大変なことになる!!と思いまして急いで参りました。」


サーシャ様は唇を噛みしめて悔しそうに表情を歪めていた。


「その思い出したことと言うのは、乙女ゲームの続編…このサザンローナが舞台の乙女ゲームの方でですね、裏技ルートがあったんです。

詳しく全部思い出したわけではないのですが、唯一逆ハールートという裏技に近いものがあったのです。

これは能力値が低くても好感度がそこまで高くなくても狙えるものなのですが、幾つか条件があって…その条件の中の1つにとあるアイテムが必須になるんです」


「アイテム?」


「えぇ…『魅惑の香水』というアイテムです。名前からしてあまり良い結果をもたらさないようなアイテムですよね。

そのアイテムを使えば攻略対象者全員の好感度をマックスにするだけでなく、このルートでしか見れないエンディングが見られるというものです…。」


「え?攻略対象者全員?そんなことできるの?」


「はい、ただそこに隠し攻略対象のアルバート殿下が入っていたかはわかりませんが、少なくともセドリック殿下を中心としたメインの攻略対象者達は全員もれなく好感度マックスにできるものです。…まるで今現在の状況のような感じで。

ただ先程も言ったようにこのアイテムゲットはもちろんですが自分のパラメーターや攻略対象者の好感度の数値がかなりシビアに調整しないとこのルートにはいけないので、正に裏技みたいなものですね、あとその魅惑の香水なるものの入手方法も申し訳ないですがそこまでは分かってなくて…。」


「良いのよ、貴重な情報ありがとう。私もサーシャ様に報告することがあったのですよ。」

と私は先日あったメルとの出来事をサーシャ様に教えた。



「え!?メルに絡まれたのですか?!そ、それでルシア様は大丈夫でしたか?」


「私は大丈夫よ、それよりも先程のサーシャ様の話を聞いて納得できたことがあったの。

私ははじめ、メルが魅了の魔法を使ってセドリック殿下達を狂わせたのかと思ってたの。でも実際彼女と間近で接すると魔力自体はそんなに大きくはなかったのよ、ただ彼女の『香り』が魔力増強の役割を果たしている様に感じ取ったの。

サーシャ様のおかげで確信に変わったわ、ありがとう。」


「そ、そんな!!頭を下げないでください!!寧ろ今更この様な重要な案件を思い出してしまってこちらが申し訳ないんですよ!!」


私が頭を下げているのを見て焦るサーシャ様。


そんなサーシャ様を見て私はある決意をした。



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