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プレゼンの成果1

「しっかしあの少年がエドワード殿下だったとは…知らなかったとは言えご無礼を…」

王宮から出た馬車には私とアルバート殿下、そしてエドワード殿下が乗っていて、向かいに座っているエドワード殿下に頭を下げる。エドワード殿下の隣にはアルバート殿下が足を組んで座っていた。


はじめてアルバート殿下のお忍びの姿を見た。

茶色い髪の毛はふわふわしていて、目も濃いめの茶色であること以外はアルバート殿下だった。パーツの整った綺麗だけど凛々しい顔もすらっとした細マッチョな体も『アルバート殿下』そのもので、お忍びの恰好とはいえめちゃくちゃ良い男であることには変わりない。


エドワード殿下は完全に『アル』の姿である。


「あ、謝らないでください!!元はと言えば僕が騙していたので…あと僕のことは『エド』と呼んでいただけますか?『アル』だと兄上もいらっしゃるので…」


「いえいえ!!流石に王子殿下を愛称で呼び捨ては…」


「シア、俺達は今庶民の恰好をしている。普通の呼び名で街中で呼ぶことはできないだろう?だから俺の事は『アル』と呼ぶんだ」


…なんだか色々と混乱する状況になってきた。


いくらお忍びとはいえ、王子殿下2人を愛称呼びとか…恐れ多すぎて切腹するレベルだ。


しかも私の中で『アル』は庶民の男の子だったのだ。それがいきなり目の前に座っている超絶美青年をそう呼べとか…脳が追い付いていない。



「…これは王太子命令だ?」

にっこりと美しい笑みを浮かべられれば了承するしかなかった。

エドワード殿下…エドは小さな悲鳴をあげていた。









アルバートside


俺は今とてもイライラしている。

聞けばエドワードは俺の愛称を自分の名前の様に名乗っていて、シアにずっとそう呼ばれていたのだ。

…当の本人でさえ愛称で呼ばれたことがないのに…。


更に腹が立つことにシアとエドワードはこれまで何回も王都で会っていたという。

いや、これは後からロイドからも報告であがっていたからシアとエドワードが接触していたということは知っていた。

確かシアとエドワードが一緒にいるところにばったりロイドは会ったらしい。


エドワードは変装していたがすぐに『エドワード』だと分かったという。


そして一行は何やら問題が発生した八百屋に行ったという。

…そういえばこのあたりだったな、シアがじゃがいもについて調べ物をしていたのは。


ロイドの報告から俺の影にも命令してエドについててもらった。そしてその時のエドとシアの報告を受けるようになったがやはり王都へ庶民として出かけてる時のシアは学院にいる時とは別でいきいきとしていたらしい。

あの頃にはもうシアのことが好きだったんだろう…実の弟にさえ嫉妬してしまう位に。


そういえばシアに告白したのだが、あの絶体絶命のピンチのせいでうやむやにされてしまった。

改めてシアにこの気持ちを伝えよう。今度はきちんと落ち着いた時に、だ。

恐らくシアは俺の事をまだ異性として意識してないようだ…これから覚悟しろよ?シア。






ルシアside

…何やら寒気がするのは気のせいだろうか?風邪ってわけでもなさそうだけど…。


馬車が王都のはずれに止まり、ここからは自分達の足で歩くことになる。

今までアル…いやエドとアンと3人で行動することが多かったが、今日はアルとエドの兄弟と王都を散策する。


「シア、目的地があるんだろ?エドも気になっているとこは同じところか?」

アルは私達の方を向きながら王都の街を慣れた様に歩いている。

私達にそう聞いてきたがアルは既に目的地が分かるようで私達が行きたいパン屋さんの方へ迷いなく進んでいる。…一体いつから私達の行動が筒抜けだったのか…改めてアルの恐ろしさが身に染みた。



「えぇ、私達がいきたいのはとあるパン屋さんです」


私の返答にアルが「わかった」と頷いて更に歩を進めた。



「わあああ」


エドは目を見開きある一点を注視していた。

エドの視線の先にはたくさんの人で賑わっているパン屋さんがあった。私達の目的地でもあるパン屋だ。


「これは…すごいわね」


「たしか店が傾きかけてるという話ではなかったか?…すごい客の人数だぞ?」


私とアルも驚いてパン屋の方を見つめていた。


「こうしちゃいられません!お店の方にいきましょう!」

エドは目をキラキラさせながら私達を促し、あの人混みの方へ向かっていった。




「いらっしゃいませー!あら、あなた達は…」

多くの客で賑わっていた店内で女将さんが忙しそうに働いていた。


「シアちゃん!!あなたにお話したいことがあるの!!」

満面の笑みで女将さんが私に話しかけてきた。


「でも今ちょっと手が離せなくて…30分くらい経ったら落ち着くと思うからそれまで部屋の方で待っててくれる?…お客様ー!少々お待ちくださいー!」


店にいる客に一声かけて女将さんは私達を店内の奥の部屋に案内してくれた。

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