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王宮での暮らし

新聞にでかでかとジュピター公爵家が廃爵され一家は死罪になるという見出しが出ていた。

王太子殿下と新たな聖女が力を合わせて悪事を裁いたといった内容が書いてあり、王太子殿下と聖女が手を取り合えるくらいに友好関係を築けているならこの国も安泰だといった内容だ。



あれからジュピター家令嬢のロゼリア様は王宮の敷地にある重犯罪を犯した者が入れられる牢に収容されてるとアルバート殿下から聞いた。

ジュピター公爵も同じ牢ではないが同じ重犯罪者が収容される牢に入れられているという。


聞けばジュピター公爵はロゼリア様をアルバート殿下の妃にし、ゆくゆくは国家を乗っ取ろうとしてたらしい。何とも強欲で分かりやすい動機だ。


一方娘の方のロゼリア様は国家乗っ取りまでは考えてはいなかったようだが、自分ほど妃に相応しい令嬢はいないと自負しており、自分が王太子妃になる為に公爵が助力してくれるのなら父親に手を貸そうとし、禁忌をはじめ数々の悪行に手を染めたとか…。



こんなことをしなければ王太子妃の座に一番近かったのは彼女だったかもしれないのに…。


ため息をつきながらお茶に手をのばした。




そういう私はどこでお茶をしているかと言えば、王宮の一角にある私の部屋だ。


熱がようやく下がった頃、引っ越しの手筈も整い王宮の方も部屋の準備が整っていた為滞りなく作業は終わった。


お父様とお母様は涙ぐみながら屋敷の入り口で見送られた。屋敷の使用人のみんなも心なしか寂しそうだった。

…なんか嫁いでどこかに行くみたいな雰囲気を醸し出されたんだけど…。また帰ってくるから!!



王宮からの迎えの馬車にはアルバート殿下も乗っていてアルバート殿下のエスコートで馬車の乗り降りをした。


「ふふっシア、この日を待っていたよ。シアが王宮で生活するのをとても楽しみにしていたんだ」


「…ありがとうございます…私はとても緊張してますけど、粗相をしそうで」


「あーー…まぁ王宮には要人も来たり滞在したりするからね、そう心配するのも無理はない」


「やっぱ帰ります」


「待て待て待て、大丈夫だから!シアには王宮で生活するということで色々勉強してもらうことになるけど良いかな?といってももう決まったことだけど…

さっきも言ったように要人が滞在するからシアも色々接する機会もあるだろうし、今後聖女として何らかの活動に従事してもらうかもしれない。その為の王宮でのマナーやその他もろもろの勉強をしてもらうことになる。」



勉強は良いけれど…私もついていける位の難易度だったらいいなぁと遠い目をしていたのが先週の出来事。



アルバート殿下の言っていた勉強は王宮に着いた次の日から始まった。


最初はマナーから、これは諸外国の作法も学べということで色々と詰め込まれたような気がする。

それから本来聖女が学ぶべき神学やら魔法学全般。

魔法学は宮廷魔導師も取得してるもので、学院で学んだものの応用のようなものだろうか?


その他にも様々なものを学んで、予習復習をしなければ追い付かないような状況だ。

諸外国の理解も深めようと言語はもちろん、学院で学ぶより更に深く歴史も学んでいる。



学院の宿題やら勉強やらと並行して城に帰れば違う勉強…と聖女になってから更に忙しくしている。ホームシックにかかってる暇すらない。


王宮に住むとはここまで難儀なことだったのね…ということは王族はより一層難儀な思いをしているのだろう。


束の間のお茶の時間にうんうんと1人で頷いていれば、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。


家から私の為に王宮の方へ侍女として来てくれたアンが来客の対応をしてくれている。



「やぁシア、勉強頑張ってるようだね?王宮専属の教師陣もシアのことを褒めていたよ」

アルバート殿下が来てくれた。手には小さな箱を持っている。

「いつも頑張ってるシアにご褒美を持ってきたよ、王都で美味しいケーキ屋さんのケーキだ。」


「わあああ!嬉しいです。フィナ、殿下の分のお茶もお願い」

フィナは王宮のメイドさんで私担当にアルバート殿下が割り振ってくれた。


明るく可愛らしいメイドでアンともすぐに打ち解けた様だった。




「ここにきて王族の偉大さがわかりましたよ…」


「ははっなんだそれは」


「王宮に住まうものとしての勉学がとても大変だったんだなぁってわかったってことです…んーー美味しい!」

フォークでケーキを掬って食べればほど良い甘味が口に広がってとても美味しい。

果物の甘酸っぱさと相まって口の中に天国が広がった。


「ははっシアは本当に美味しそうに食べるね。

勉学かーー確かにとても大変だ…だからそれについていけてるシアはすごいんだ。」


「ふむう…そう言われれば頑張らないわけにはいかないですね。」

そう言ってお茶を飲む。んーーお茶も美味しい。

さすが王族御用達のお茶だ。ここに来て良かったと思えることがあるとすれば飲食関係ですかね。

美味しいお茶に美味しいお菓子に食事も美味しい。


まぁ学院では学べないことを学ぶ機会を与えられたことも喜ぶところだけど飲食には負けるね。


「そうだ、明日も俺は学院に行けるから一緒の馬車で行こう。」


「了解しました」

アルバート殿下は公務等がなく学院に来れる時は一緒の馬車に乗って学院に行ってる。

と言っても今のとこ毎日一緒に行ってるが。


アルバート殿下曰く「なるべく今は学業に専念できるように公務は休みの日に回してるんだ」だそうで…本当に頭が上がらない。


それを聞いて「お体を大事にしてくださいね?」って言ったら「しんどくなったらシアに癒してもらう」と言われたのでこれは癒しの魔法も磨かねば…と脳内の自分のやることリストに組み込むのだった。

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