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不吉の予感2

お母様は何日かこちらに滞在するようでお母様がこちらにいるうちにお茶会を開催しようと思い立った。

早速ソフィア、セーラ、リリアンヌに手紙を送り行ける旨の返事が届いたので数日後の学院がお休みの時、お茶会を開くことが決まった。


余談ではあるが貴族の子女であっても家の仕事の手伝いだ社交界だお茶会だと何かと多忙な学院生の為に週3の休みがある。

その他に月に3日休みに当てても出席扱いにできる有給制度みたいなものまである。

ただしこれは成績優良者にだけ与えられた特権みたいなものでこの特権が欲しくて頑張っている生徒もいるようだ。

私も魔法の実技は壊滅的だがそれ以外は上位の成績を修めている為なんとかその特権を得られている。

基本グータラしたい私には嬉しい話だ。


お母様も短い期間とはいえこちらに滞在できることで久々に親子水入らずに過ごしたいと思いこの特権を行使することにした。



そしてお茶会当日。

「ルシア様お招きありがとうございます」とソフィアが愛らしい笑顔で挨拶してくれた。

それからセーラやリリアンヌも到着しお茶会がスタートした。


実は何気にセーラとリリアンヌは初対面で私はそれぞれを紹介した。


「はじめましてリリアンヌ様、私はセーラ・ドゥオンヌと申します。」


「お初にお目にかかります。リリアンヌ・フローでございます。」


基本はサバサバしたセーラだが初対面のご令嬢にはご令嬢の顔で対応している。

当たり前とはいえそのスイッチのオンオフは流石だな…と内心思った。


対するリリアンヌはセーラをじっと見ていた。

「確かドゥオンヌ家といえば国境の管理を任されている由緒ある名家ですね。たしか隣国のサザンローナとも所縁があったような…」


「流石リリアンヌ様、お詳しいですね?たしかフロー家はベルベット家と遠縁にあたると聞いたことがありますから、貴族関係や外交関係も詳しいと見受けられますわ。」


……なんだろう、この2人妙にお互いの出方を窺っている様な……。


こういう動きは貴族内でよく見る光景だ。

互いに腹の中を探っている様な…そんな感じ。

てかなんでだろう。互いに自分には合わない何かでも感じたんだろうか?


ソフィアもその空気を感じ取ったのだろう。慌てて「そういえば最近何か面白いことはないですか?」と若干無理やり感のある話をセーラに振った。


はっっとなったセーラは何か面白い話題がなかったか一瞬考える素振りを見せてソフィアに話し出した。

私のお茶会だということを思い出したのだろう。リリアンヌも少しバツが悪そうにセーラの話を聞こうと先ほどの探るような目つきから普通に私と喋っているときのような顔つきでセーラの方を向いた。




「そうなのですねー!知らなかった!」

「ふふふっ…セーラ様も面白い方だったのですね」

会話してるうちにセーラとリリアンヌも最初より遥かに打ち解けた様な気がする。それよりも…


「セーラ『も』?」

「もちろん面白い方筆頭はルシア様ですわね」

「えええ…」

何故そこで私が出てくるか…解せぬ。


「ルシア様は私をいつも助けてくれるんです。」

ソフィアがうっとりと私を見る。

「そういえばそんな光景もみたことありますね…あれはおもしr…お見事でした。」

恐らくイザベラの取り巻きの振りをしていた時のことを思い出したのだろう。リリアンヌも頷いてソフィアの話に同意している。…というか今面白いって言おうとしなかった…?


「そういえば『噂』で聞いたのですけど、イザベラ様含む王太子殿下の婚約者候補の方全員外されたようですわね?」


「「え?」」

リリアンヌの思いがけない話題に私とソフィアが思わず気の抜けた返事をしてしまった。


「…たしかイザベラ様の他に2名程婚約者候補のご令嬢がおりましたよね?」

眉間に皺を寄せながらセーラがリリアンヌに聞いた。


「えぇ…イザベラ様程過激な方ではありませんが、いずれの方も一筋縄ではいかない方ばかりのようでした。」


社交界に疎い私でも3人の婚約者候補のご令嬢のことは知っている。


イザベラ・マーズ侯爵令嬢、アイリーン・マーキュリー侯爵令嬢、そして

「一番次期王太子妃として有力候補だったロゼリア・ジュピター公爵令嬢も?」

セーラが驚きながら聞けば静かに頷くリリアンヌ。


「そ、そんなことになってたんですね…」

ソフィアもぱっちりとした目を更に見開いて驚いてるようだった。


問題を度々起こしているイザベラはともかく品行方正なジュピター嬢も外されるとはどうしてなのだろう?


ちなみにマーキュリー嬢は過激ではなかったが愛らしい容姿を最大限に利用し色んな男子生徒に甘え侍らせるような令嬢で男子生徒からは好かれるが女子生徒からは嫌われそうなタイプだ。

もちろんそんな令嬢は王太子妃に向かないのは言わずもがな。


対してジュピター嬢は先ほども言った通り品行方正、成績も優秀で容姿も端麗、所作も洗練された正統派なお嬢様だ。正に王太子妃としてふさわしいと誰もが思っていた令嬢も婚約者候補から外されるとは一体どういうことなのだろう。




それからそんな話を含め色んな話に花を咲かせたり、途中お母様が見えてお母様を3人に紹介したり、一応お茶会としては成功だったと思う。


セーラやソフィアのお迎えの馬車を見送って最後リリアンヌを見送ろうとした時、リリアンヌが私の方へ振り返りちょっと考え込みながら口を開いた。


「…他のお二人もいたので先ほどちょっと言えなかったことがあるのですが…」


他のお二人とはセーラとソフィアのことだろう、一呼吸おいて続けた。


「近々学院で大きな騒動があると思います。…どうかご用心を…」


意味ありげな言葉を残し去っていったリリアンヌに私は何も声をかけることが出来なかった。




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