引き抜き 7
お気づきかもしれませんがタイトルを変更しました。
「断っておきますけど、私は絶対に風紀委員を辞めませんからね」
白川先輩は気然と南条会長に言い張る。
「例え三年間何も報われなくとも私は風紀委員を愛しているんです」
そう言い切る白川先輩は心の底から愛着を持っているのだろう。
「さて、南条会長はどうするのか」
僕なら説得を諦めるまではいかないが、相当な譲歩と多大な時間が必要だろう。
「お手並み拝見といこうかな」
果たして南条会長はこの頑なな白川先輩をどう懐柔するのか。
不適に笑う南条会長を見やりながら僕は壁に体を預けた。
「素晴らしい忠誠心ね」
クツクツと南条会長は謳う。
「例え振り向いてくれなくともその身を捧げる。その姿勢を見た私はどう表現すれば良いのかしら」
「感激しましたか?」
「軽蔑したのよ」
白川先輩の視線が険しくなるにも関わらず南条会長は続ける。
「白川雪、ハッキリと言わせてもらうわ。あなた言動は単なる自己満足。組織に取って堕落の因でしかないわ」
「どういう意味ですか?」
噛み付きに近い白川先輩の言葉に南条会長は優雅に微笑みながら。
「それはあなた自身が最も良く分かっていると思うわよ」
と返す。
「……」
(白川先輩、そこで黙り込むと南条会長の思う壷ですよ)
律儀な白川先輩は南条会長に唆されて沈黙する。
この場合、白川先輩はシラを切り通せば済むはずなのに。
「なら話は早いわね」
口籠ってしまうから南条会長に主導権を握られてしまう。
「やれやれ」
僕は嘆息こそ吐くものの、助け舟は出さない。
あくまで中立の立場である僕は余程の理由が無い限り、どちらの方にも肩入れをするわけにはいかなかった。
「白川雪、あなたはその忠誠心を他人に押し付けているのではないかしら?」
「いえ、そんなことはしていません。あくまで自分が律するためのものでーー」
「じゃあ白川雪は一度も強要したことはないと言い切れるのかしら?」
「……」
だから貫き通せと。
南条会長のようなタイプは外堀から埋めてくるので、とにかく立ち止まってはいけないんだ。
「圭一君、少し感情を抑えてくれると助かるのだけど」
「それは悪かった」
何時の間にか剣呑な気配を発していたらしい。
抑えなければ。
「……ぐすん」
白川先輩が見捨てられた子犬のような視線を向けて来たけど気にしない。
僕はあくまで中立の立場なんだ。
「話を戻すわね」
パンパンと手を叩いて空気を元に戻す。
「白川雪、あなたは一度風紀委員から離れなさい。このままだと近い将来、両方好ましからざる結果になってしまうわよ」
「……その根拠は何ですか?」
「白川雪の無償の奉仕を風紀委員が当たり前に受け取っているという現状」
的確かつ端的に南条会長は述べる。
「白川雪は普通でない。異質な存在だと風紀委員が気付かないと、組織は来年辺りガタガタになるわね」
さて、まことに申し訳ありませんがこの話が終わり次第しばらく凍結します。
理由としましては、またもや作者の暴走ゆえです。
やはり御神楽は魔力が無い方が良かったと後悔してみたり。
まあ、例え刷新するにしてもこの話は置いておきますので、作者の気が向いたら更新するかもしれません。




