第5話 ピンチの次は大ピンチ
ピンチ!
第5話 ピンチの次は大ピンチ
ズンビビバッバはゴブリンの群れ、総勢15体も呼び寄せやがった。奴らは様々な武器を持っているランクEの魔物だ。
「どうすんのよ!」
「逃げたいが奴は欲しいから戦うぞっ! ゼーリアとボートは自由に戦え!俺は全体にデバフをかける」
そう言いながら銃を構えて連射する。
「プロテクトブレイカー!」
それに続いてステラは味方にバフをする。
「ブーステッドワン! これでアタシ達はパワーアップよ!」
全員の攻撃力が上がった、俺はひたすらゴブリンを魔弾で射殺し、ゼーリアはゼリー弾で行動不能に。
ボートは格上のランクをものともせず蹴散らして行く。
そこでズンビビバッバはまた特殊な超音波を放ち始めた。
またゴブリンなどを呼び寄せる為だ。
「キリがないっ! 俺が狙い撃つッ」
そうしようものならと高く飛び回避をした。
「クソッ、しかもババットまで来やがった!」
どうする……やはり司令塔を何とかするが最善に違いない。
そう考えているとゼーリアが腕を伸ばしズンビビバッバの翼を掴み地面に叩きつけたのだ。
「やるな! お前は暴走しようが俺の力となるのだ」
そう言い敵の間をすり抜けて魔力弾をぶつけると蒼く光り捕獲に成功する。
俺はついガッツポーズを取ってしまった。
「よし! あとは逃げるぞっ」
とモンスター達に背を向けた、その瞬間に何かが風を切って俺の背中に迫っていた。それは押しのけたステラの肩に刺さっていた。
「ステラァア!!! ゴブリンの矢が……」
「こんくらい平気……よっ。ははは……」
監視のために俺に着いて来させて怪我をさせてしまうとは、一生の不覚だ。
それに、これで逃げるのは難しくなったぞ……
魔物達はジリジリと寄って来る、ゼーリア達は指示を仰ぐ。
「やります……か?」 ぶるるんっ!
「ああ、頼む。俺は彼女の応急手当てをする」
そこからゼーリアは腕を広げババット達を薙ぎ払い絡め取る。
「おりああああ!!!」
地に立つゴブリンはボートが奮戦、ダメージを受けても吸収を発動して回復し致命打を与えた。
ゼーリアは矢に射られても、スライムなのでノーダメージで矢を投げ返して致命傷を与えた。
彼らのおかげでステラの手当てが済んだ。
「ありがとう! 弾丸に戻れ! 逃げるぞ」
そうして負傷はしたものの家まで帰って来れた。
俺は動揺し彼女を回復魔法の使える医者などに連れて行こうとするも止められた。
「はぁはぁ……ダメよ。あなたが……あなたの活動が本当に禁止されちゃうから……」
傷口の色が変な気がする……毒でも塗られていたのだろうか顔は青ざめ辛そうだ。
なのに俺の事ばかり考えてくれるなんて本当に……俺はどうしたらいいんだ……
いやどうしたらじゃないケジメだ、俺のせいでこうなったんだ。
彼女の制止を無視して抱き上げたまま走り医者のところに連れて行くと、毒により死ぬところだったと伝えられた。やはり傷口は腐食するかの様に変色していた。
俺は正直に話そうとすると、気を失っていた彼女は目を覚まして言った。
「……勘違いしないで、私が不用意に近づいただけで彼は悪くない……」
その言葉を言うとまた気絶した、保身の嘘はつきたくないが彼女の善意を踏み躙るのはもっとダメと感じ、その優しい嘘に甘えた。
解毒剤を投与され簡易回復魔法を施されて返された。
俺は俺ができる全てを施し尽くした。
やる事がなくなり、ベッドで眠る彼女の手を握っていた。汗を拭い看病をしていると寝てしまい翌日になった。
俺は彼女ベッドの中で寝ていた、もちろん隣にはステラがいたし起きていた。
「アンタ、横で顔色悪そうに寝ていたから布団に入れたのよ……感謝しなさいよ」
そんなところじゃない! 俺が本当に感謝すべき時にそう言ってくれよ……
俺は罪悪感に押しつぶされそうだ。自分が弱かったからこうなったんだ……
「色々とすまなかった、本当にありがとう」
「いいのよ、でも定期連絡をサボったから叱られるわね」
そう笑いながら布団から出る、傷口はもう塞がっていた様だ。
何故こんなに優しくあれるのだろうか、俺は責められても仕方ないのに。
そう俺が頭を抱えていると明るく彼女は言う。
「さて、ズンビビバッバをゼーリアと交配させましょ! アタシが怪我するほど頑張ったのだから良い結果になるわ!」
「……うん!」
その一言しか絞り出せなかった。
庭に行くとゼーリアとズンビビバッバを出した。
「翼たのしみ……」
「一か八かだからなぁ……あんまり期待しないでね……」
そしていつもの様に見てみた。
——
【交配対象:ゼリーマン×ズンビビバッバ】
【交配結果予測:ゼリーマンorズンビビバッバ】
【成功確率:ゼリーマン100%ズンビビバッバ23%】
【進化交配使用可能、進化交配推奨】
——
ん? また増えたぞ? そう疑問に思い見ると説明があった。素体適正があるモンスターはキメラの様に交配ができるらしい。
俺が思い描いていた交配が正式にあるとは思わず驚くが即それを選択し交配させる。
また光が放たれてそこからゼーリアが出て来る。
彼女の姿は恐ろしく変わっていた。
——
【交配成功】
【ゼーリア】
種族:ゼリーマン(Dランク)
レベル:18
HP:158 攻撃:61 防御:52 魔力:73
スキル:ゼリー弾 Lv3 再生 Lv2 知能強化 Lv3 飛行 Lv2
特性:素体適正 知能補正 素体補正
——
「私……翼を得た! ……これで空を飛べる。レン、ありがとう!」
ゼーリアはもっと人間の女性に近づいた見た目になっており髪がスライム状な以外は青い翼の生えた人間だ。
それも眼まで2つちゃんとついて表情が読み取れる、彼女の人生最初の顔は笑顔であった。
「やったわね! これが見たかったから嘘ついた甲斐があったわね!」
「お前には本当に助けられたよ、ありがとう」
「べ、別にアンタが危なかったから助けたまでよ……」
こうしてステラに助けられた俺はゼーリアの強化に成功した、だが少し俺が思い描いた最強モンスターの道ではない。
人型じゃなくてもっとモンスターらしいのも見てみたいので模索する事にした。
自己犠牲っていいですよね




