第3話 特殊交配
特殊っていい言葉
朝食を終えた瞬間に彼女は立ち上がり腕を組んだ。
「ごちそうさま、そんで? いつもやっている個人交配を見せてもらえるかしら? これも監視よ」
いきなりだなぁ……まだ6時になってねぇぞ……
はぁ〜……2度寝させてくれよ。
と思うも彼女もだいぶ眠そうだ。
「来な」
俺は目を擦りながら立ち上がり家から出た。そこでいつもの庭に向かうとボートとグミを弾丸から出した。
そしてこの2匹を並べてそこに烙印銃を構えた。
ステラは目を細めた。
「弱いの合わせて……それで? これが次はDランクにでもなるの?」
俺は交配結果を確認した。
——
【交配対象:スライム×ドススライム】
【交配結果予測:スライムorドススライム】
【成功確率:スライム100%ドススライム82%】
——
まあ当然だがスライム掛け合わせたやつとスライムを合わせても何にもならんな。
となると近場の森にいるスケルトンでも材料にしてみるかぁ……?
俺顎を触りながら考えていると彼女は沈黙を破る。
「ちょっと! そんでどうなのよ?」
「あぁ、悪いな。コイツらはくっつけても意味が無い、このステータス画面見えるか?」
「……? 見えないわ、多分貴方のスキルでしょう? ならば貴方しか見えないわ」
そう言うモノなのかぁ〜……!! って事は本にも無い新種のモンスターを交配で作れるんじゃないか?
俺は胸を躍らせ、彼女を連れて森に行った。
少し深くの墓地の近くに向かう、そこには怨念が具現化した魔物がいる。その道中、ステラに質問をする。
「なぁ? よく考えたらお前戦えるのか?」
「バフ専門だけど基礎魔法は使えるわ」
真紅のポニーテールを揺らしながら答える。
「そうか、俺はデバフだから相性が良いかもな俺ら」
「その言い方なんかその……やめなさいよ!」
そんなこんなで辿り着くとデカいコウモリのババット(Fランク)と骨のスケルトン(Fランク)がいる。
「さて、こちらの戦力はボートとグミに俺ら2人だ、まず負けるのは無いが捕獲の成功ばかりは運だからなぁ……」
そう呟きながらホルスターから銃を抜く。
そして彼女は宝石が埋め込まれたガントレットを装着した。
「貴方の見張りなのに、加担させられるなんてね……感謝しなさいよ!」
嫌々という感じで言うが割と乗り気なのは交配を早く見たいからなのだろうか。
「行くぞボート! グミ!」
スケルトンの後方に弾丸を着弾させスライム達に背後を取らせた。
そこに彼女はガントレットを掲げ叫ぶ。
「ホム!!」
火属性の基礎魔法をスケルトンにぶつけた。
よろめいたところを、俺の命令でグミが粘液を噴射し地面に固定。ボートはタックルをする。
「ナイスだ、魔力弾発射!」
しかし、スケルトンの骨の隙間を通り抜けてしまう。
「クソッ近づくか!」
走り寄り、スケルトンの眉間に射撃すると的中。
青く光り捕獲に成功した。レベルは9だ。
「よしっ!」
俺はガッツポーズを取った。
彼女は驚きつつ言う。
「弱い魔物も使い様ね〜」
「弱い奴ほどそこから伸び代があるからな!」
俺たちはそそくさと撤退。庭にスケルトンとボートを並べた。
また文字が浮かび上がる。だがしかし、そこには見たことのない項目があった。
——
【交配対象:スライム×スケルトン】
【交配結果予測:スライムorスケルトンorゼリー人形】
【成功確率:スライム76%スケルトン82%ゼリー人形77%】
【推奨:手持ちのスライムとドススライムの入れ替え】
——
なんだ……?ナビ的な奴か?
俺は頭を傾げていると何も見えないステラは更に困惑していた。
「アタシからは何も見えないけど何かあったの?」
少し声のトーンが低く彼女は言った。
「いや、ボートよりグミと交配させた方がいいらしい。変えてみよう」
——
【特殊交配】
【交配対象:ドススライム×スケルトン】
【交配結果予測:ゼリーマン】
【成功確率:ゼリーマン100%】
——
なっ!!? 特殊交配だと? それにゼリーマンなんて聞き覚えがない。早速特別な道が見えたぞ!!
「で? どうなの?」
「ゼリーマンなんてモンスターに聞き覚えはあるか? どうやらそれになるらしい」
彼女はそれを聞いて首を傾げ目線斜めで思い出そうとしている。
「いや、知らないわ。人工交配でしか出来ない種類でしょうね。わざわざ弱いドススライムとスケルトンなんて合わせないし」
それを聞き俺は更に興奮した、俺が開拓者じゃないか!! 憧れのタカネさんみたいに新種もガンガン見つけられるかもしれない!
俺は震える手で銃を向け交配させた。また眩い光に包まれたと思ったら目の前には変なモンスターが立っていた。
——
【融合成功】
【無名】
種族:ゼリーマン(Eランク)
レベル:3
HP:77 攻撃:29 防御:23 魔力:36
スキル:ゼリー弾 Lv1 再生 Lv1 知能強化 Lv2
特性:素体適正 知能補正
——
「ぐぐぐ……ごしゅ……じん……」
骨に青のゼリーが肉代わりに付いていて髪もスライム状の二足歩行のモンスターは話すほどの高知能を見せた。
「おお! 話せるのか!」
「信じられないわ……それもこの子メスじゃない? 服着せた方が良いくらいにはスタイル良いわよ……」
口に手を当て驚愕する彼女だが冷静に服を着せた方が良いと指摘する。
「これ着て!」
「あ、あらり……ありガトア、ございまます」
拙いが感謝を伝えてくれたようだ。
「すごいわね、ランクは?」
「えーっと……Eのままだね。もしかしたらこの人型を素体に交配して進化していくのかも……じゃあ、ボートは立派な化け物路線で行くか!!」
そうボートに言うとぶるるんと喜んでいる、この子も大物になるぞ〜!!
俺は安全かもわからないゼリーマンに抱きついて喜んではしゃぐ。彼女は呆れつつも何だか優しい眼差しを向けてきた。
「ふふっ、ギルドも流石に貴方のことを認めるかしらね!」
何故か自分の事の様に喜んでくれるので、喜びのあまり抱きついてしまったが少しフリーズして、顔を真っ赤にして引き剥がしてきた。
「ば、バカ! とにかく魔導通信機で最初の定期連絡してくるから」
そう言いながら離れていくのを見ていると肩に手を置かれた感触を感じて振り返った。
「な、なま名前頂き……たいです」
名前ね……
にしてもゼリーマンは大きい俺は183センチ、ステラは確か165くらい、だから間の175くらいか?
「ゼーリアとかどうかな?」
「うれし……い」
そう手を上げて喜ぶ彼女? をみて微笑ましく思うと同時に俺に取っての快挙なので祝いたくなってきたぞ!
次はボートで交配していくぞ!そう俺は意気込んで彼らを銃弾にしまわず家に入れたのであった。
評価などよろしくお願いします。




