第2話 ギルド調査官来訪
ギルドから嫌われている主人公
ぶるるんっ!
「やったね! しかし、本当にドススライムが生まれるとは……この手でやったんだよな……」
自分の手のひらを見て握りしめた。
結果に安堵した俺はしゃがみ込んで、そっとドススライムを触った。ひんやりして、弾力が強まっている気がする。
「次の配合でも使うだろうが名前はいるよなぁ……グリーンと緑の頭文字取ってグミだ! どうだっ?」
ぶるるっ!
グミは嬉しそうに俺の手にもたれて体を預けてきた、可愛らしく名前を認めてくれた。
村で散々馬鹿にされてきた俺が遂に……遂に初めて自分の力で何かを生み出したのだ!!
これで達成感を感じない方がおかしい!俺は喜びのあまり手を握り締めガッツポーズをする。
その時、視界には文字が浮かび上がった。
——
【融合成功】
【グミ】
種族:ドススライム(Eランク)
レベル:7
HP:68 攻撃:40 防御:35 魔力:18
スキル:粘液噴射 Lv.2
特性:スライム因子強化
——
「ほう……レベル以外も見える様になったのか! 狂喜乱舞、ここにきてやっとの成長ありがたや〜!」
ステータスの確認が出来る様になった事、結果が見える様になったことに更に喜びズンチャズンチャとその場で踊ってしまう。
だが買ったスライムとグミはちょっと引いている様な気がするので止めにする……目がないのにそんな目で見るなよと言いたくなるオーラだ。
「よしっ! 今日はもう夕方だから終わりだ。買ったスライムはボートって名前にしよう!」
ぶるるん!!!! ぷるるっ!!
2匹とも元気いっぱいだ。
あ、そうだ。ボートのステータスを見るか。
——
【ボート】
種族:スライム(Fランク)
レベル:15
HP:61 攻撃:43 防御:36 魔力:5
スキル:吸収 Lv1 自己修復 Lv1
特性:物理攻撃特化
——
思ったより優秀だ、だから交配ミスから生き残ったのか。
これは多分売ったやつもステータス見れなかったんだろう。にしてもお得な買い物をしたもんだ、こいつは中々タフなスライムだぞ!
「お前達偉いぞ〜! ヨ〜シヨシヨシヨシ〜!!!!」
もちもちぺたぺた撫で回すとぴょんぴょん跳ねてこれまた可愛い。2匹を抱えて自宅に帰宅すると、この1日に色々なことがあった疲れがドッときて寝てしまった。
翌日の朝、聞き覚えのある女の声とドアのノック音で目を覚ました。朝の4:30だ、ガサ入れかよ今何時だと思ってんだ……
ドアの前に立つと声が鮮明に聞こえてくる。
「レン・グラノヴァ! 居るのでしょう!? 出てきなさい!」
唯一の救いはこいつの声が高くないことかな……なんて思いつつ正直にドアを開けた。
「個人で交配をして爆発事故を起こした噂を聞きつけて来たわ……また本当にやったの?」
やはりいつもの人だった、ギルドの調査官。
——ステラ・ラヴルナだ。
真紅のポニーテールを揺らし、腕を組み立っている。
ギルド制服を動きやすくなる様に、露出度マシマシで改造している。お前も中々不良だよな。
クールな顔が今日は特に不機嫌だ。多分早朝だからだろう、でも俺だって不機嫌だよ。
いやー、しっかし面倒なことになったな……あのオバハン告げ口したのかな……
「にしても朝からご苦労なこった、ステラちゃん〜」
「もう! 1つ歳下だからってちゃん呼びは止めなさいと何度も言ったでしょ! ……とにかく今日来た理由は長期間貴方の見張りよ、いつもの庭にテントを張らせてもらうわ」
な、なに〜……どんだけ居座る気なんだよ、てか女の子にこんな仕事させんなよクソギルドがよ〜
俺は頭を掻く。
「はぁ〜……何日間居る?」
「不明、貴方がお利口さんになるまでよ。でも貴方の不満もわかるわ、別に法に触れる事はしてないのだから」
早朝の冷たい風に露出度が高いことが災いして身体を震わしている。
「……とにかく家に入れ、テントで永遠を過ごすなんて苦痛だろう」
「……」
彼女は腕を組んで目を瞑り頭を傾けて少し悩むと口を開く。
「本来はダメかもだけど……ここは甘えるわ。まあ貴方のせいでもあるけどちゃんと感謝するわ」
「ステラちゃん意外と素直なところあるよな〜」
デコを指で小突くと彼女は動揺したようだ。
「バ、バカ! 感謝くらいするわよ! そんで? 業務に戻るけど今持っている魔物を見せなさい」
「仕方ねぇな」
そう言いながら腰のホルスターから銃を引き抜くと彼女は本気で動揺した。
「ま、ま、待って!!? う、嘘よね? や、やめて……アタシはアンタの……」
腰が抜けて地べたに座り足を震わせ、涙目早口になる。
「違う違う! これは魔導具の烙印銃! モンスターが弾丸に収納されているの!」
そう言いながら2匹を装填して足元に撃つと召喚された。まあ実弾や魔力、魔弾も撃てるけどね。
ぷるるっ! ぶるんぶるん!!
出てきたスライム達はステラの周りをぴょんぴょん跳ね回る。
「ステラちゃんモンスターに好かれやすいよね〜」
「はぁ〜本当に驚かせないでよね……それよりドススライムなんてどうしたのよ? Eランクのモンスターなんてこの辺では買えないでしょ?」
来ました! 自慢チャンス!
これ逃す筈も無く。
「それがね〜! 交配に遂に成功させたんよ〜!」
「ふ〜ん、やっぱり統魔士には魔導具が大切なのね、やるじゃないの」
「だろ〜ステラちゃん〜!」
「調子に乗りすぎないの! あとちゃんも止めなさい」
こんな話をしていたら彼女の方からお腹が鳴る音がした。
「〜〜っ!!」
顔に手を当て恥ずかしがる、でもなんで恥ずかしがるんだろうか生きていれば腹も鳴るし減るだろう。
「飯は食ったか?」
「……そんな暇無いわよ」
「じゃあ食え、なんか作るから」
「……手伝うわよ」
こうして俺は付き合っても無い女の子との見張られつつも共同生活が始まったのであった。
彼女は立場上はウザいが普通に話す分には楽しいし、彼女はクールで可愛いので得した気分……彼氏とかいんのかな……居たらなんでかわからんが嫌だな……
ラブ?




