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#2 誰も、信じ...ない...

学園都市【ヘヴン】にある、聖騎士学園に入学することが決まった平凡な少年、竹中ユウ。

共に入学する親友、ダン・ヒーランと共に聖騎士学園の最寄り駅に辿り着くも、

そこで目にした信じられない光景に、思わずユウは叫んでしまい...

「俺は、信じない!!」ユウが叫んだ後、駅構内が騒めく。

「何を信じねえんだ? 言ってみろよ、武器も持たない分際が。」

ユウとダンの前に、二振りの大剣を背に担いだ青年騎士が怒りを露わにしながら歩み寄る。

「お前、オレの親友に手を出すのか?」ユウの前に出ながら青年騎士に言い返すダン。

「俺たち聖騎士の誇りを信じねえなら、ぶっ飛びやがれ!!」青年騎士が大剣を右手に構えた。

「もう片方はどうしたんだよ? 出し惜しみか?」ダンが青年騎士を煽る。

「...てめえらなんぞ、大剣一振りで切り刻んでやる!!」

青年騎士は、さらに敵意をむき出しにし、ダンに切りかかった。

ダンは、最初の斬撃を避けるも、その後の青年騎士の蹴りをくらってしまい、後ずさる。

「雑魚が。」青年騎士が大剣に魔力を込め始めた。

色合いからして、炎系の魔力だと悟ったユウ。「逃げるんだ、ダン!!」

なす術もないダンは、目を閉じた。と、その時だった。

「またアンタか、ジョン・アメナリア。」何者かが空から降ってきたかと思うと、

ジョン・アメナリアと呼ばれた青年騎士を吹き飛ばした。

壁に激突したジョン。「チェイナー先生...!!」

そう呼ばれた女性は、鎖の先に三又の刃が付いたような武器を持ち、ジョンを睨んでいた。

「...明日、職員室に来るように!! 来なければ重罰が待っていると思いなさい...!!」

ジョンは、舌打ちをすると、その場から逃げ出した。呆気にとられるユウ。

「助けてくれて、ありがとうございます...。」ダンが、女性にお礼を言う。ユウも頭を下げる。

「私は聖騎士学園教師、エレナ・チェイナーです。お二人さん、竹中ユウと、ダン・ヒーラン?」

エレナと名乗った女性が自分たちの名前を知っていることに驚く二人。

「...驚いて当たり前ですよね。私は、今日から貴方たち二人の担任になります。」

「なるほど... よろしくお願いします、チェイナー先生!!」ユウが挨拶すると、

「お、いい子ですね。挨拶こそ、精進の第一歩ですから。」とエレナ。

「で、今日はオレたちは何をすれば...?」ダンが尋ねる。ユウも黙ってうなずく。

「とりあえず、...今日は寮室でゆっくり休んでください。案内します。」


エレナの後をついていく二人は、聖騎士学園の敷地に入った。

中世ヨーロッパの城を思わせるような建物が、大都会のど真ん中に鎮座している。

「すげえ...。」ダンが思わず感激する。

「この建物、元は山の中にあったのですが、丁度100年前に、ここに移転したのです。」

エレナが説明する。2226年より前には、この建物は山の中に建っていて、

通学の際の負担の改善や、生徒が集まることを期待して街の中に移転したそうだ。

「2226年...?」ユウは、少し違和感を覚えた。母アイリから聞いた話と矛盾するからだ。

(母さんは、今から80年前に、聖騎士学園は移転したと言ってた。母さんが間違えたのか...)

いつも知ったかぶりをかましがちな母アイリの事だと思い、ユウは気にしないことにした。

エレナと話し込むうちに、二人は寮室がある建物へとたどり着いた。

「この建物には、男子生徒が能力の有無に関わらず、共に助け合いながら暮らしています。」

息をのむ二人。これから、二人の常識を超越した能力を持つ仲間とも共に過ごすことになる。

「行こう、ダン。」ユウの表情は、覚悟が決まっていた。それを見て微笑むダン。「ああ。」


その頃、聖騎士学園の敷地内、ユウとダンがいる場所の近くを、

パーカーのフードを深くかぶりながら、傷だらけの少女が歩いていた。

「ねえ、あの子大丈夫なの?」その少女を見た周りの生徒たちが心配そうな視線を送る中、

少女は、ただ歩いていく。「行か...ないと... ボクの...大切な...」

弱々しい声で呟きながら、誰の助けも無い聖騎士学園のメイン通りを、歩く先には、

ユウとダンがいる男子寮の建物が。

「ボクは... 誰も、信じ...ない...」

少女はただ、必死に歩いていく。青空のような色の三つ編みを揺らしながら。


つづく

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