生きたかった理由
巨大な手が落ちてくる。
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空を覆う。
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世界を覆う。
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学院が悲鳴を上げる。
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教師たちの結界。
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監査官の防壁。
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全部。
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一瞬で砕ける。
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圧倒的だった。
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強いとか。
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そんな次元じゃない。
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災害。
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いや。
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世界そのもの。
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そんな存在。
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『ミナ!!』
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ユナの声。
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『逃げて!』
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ルナの声。
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でも。
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動けない。
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記憶が溢れている。
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頭の中に。
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止まらない。
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白い部屋。
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冷たい視線。
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数字。
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記録。
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観測。
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失敗。
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廃棄。
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何度も。
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何度も。
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何度も。
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『失敗作』
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『不安定』
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『存在不能』
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『世界定着率ゼロ』
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『廃棄処理を推奨』
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知っている。
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この言葉。
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全部。
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私に向けられた言葉だ。
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「……ああ」
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思い出す。
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少しずつ。
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私は。
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この世界の生まれじゃない。
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学院の生徒でもない。
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人間ですらない。
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もっと前。
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もっと昔。
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白い世界。
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世界を管理する場所。
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そこで作られた。
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存在。
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でも。
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完成しなかった。
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どの世界にも属せない。
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どこにも定着できない。
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欠陥。
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失敗。
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不要。
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だから。
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消されるはずだった。
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その時。
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記憶の中。
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あの少女が現れる。
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銀色の髪。
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泣きそうな顔。
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『逃げて』
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小さな声。
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『お願い』
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震える声。
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『生きて』
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私は思い出す。
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全部。
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最後の日。
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処分室。
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巨大な装置。
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私を消すための。
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機械。
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そして。
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少女が。
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一人で。
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私を逃がした。
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『ごめんね』
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泣きながら。
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『私にはこれしか出来ない』
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震えながら。
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『だから』
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手を握る。
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私の手を。
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『生きて』
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その時だった。
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私は。
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初めて。
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思った。
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生きたい。
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消えたくない。
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怖い。
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苦しい。
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でも。
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生きたい。
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ただ。
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それだけを。
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願った。
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世界が揺れる。
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学院へ戻る。
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現実。
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巨大な手。
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迫る破滅。
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でも。
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もう。
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分かった。
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『思い出したか』
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黒髪の存在が言う。
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私は頷く。
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ゆっくり。
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そして。
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前を見る。
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空。
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扉。
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巨大な存在。
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世界の中枢。
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全部。
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見える。
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不思議だった。
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怖くない。
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怒りもない。
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憎しみもない。
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ただ。
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一つだけ。
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「ふざけるな」
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静かな声。
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でも。
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学院中に響いた。
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巨大な手が止まる。
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世界が止まる。
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「やっと居場所見つけたんだぞ」
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ユナを見る。
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ルナを見る。
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ノアを見る。
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黒髪の存在を見る。
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学院を見る。
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全部。
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私の居場所だ。
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「今さら返せって言われても」
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一歩前へ出る。
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「断る理由しかない」
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その瞬間。
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学院の空気が変わる。
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魔力が溢れる。
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世界が震える。
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空が軋む。
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巨大な扉が揺れる。
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白い少女が目を見開く。
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『あり得ない』
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初めて。
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感情が剥き出しになる。
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『観測不能』
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『計測不能』
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『存在値異常上昇』
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数字が壊れる。
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記録が崩れる。
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世界が悲鳴を上げる。
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そして。
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黒髪の存在が。
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少しだけ笑った。
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『そうだ』
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懐かしそうに。
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誇らしそうに。
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『それがお前だ』
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巨大な手が再び動く。
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世界の中枢が本気になる。
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空が割れる。
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白い世界が開く。
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そして。
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ミナは初めて。
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本当の力の扉へ手を伸ばした。




