世界の誤差
静寂。
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学院中が凍り付く。
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『ミナは世界の誤差です』
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少女は繰り返した。
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感情のない声で。
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まるで。
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天気予報でも読むみたいに。
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「……は?」
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私の口から出たのは。
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それだけだった。
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いや。
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普通そうなるだろ。
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突然来て。
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存在するなって言われて。
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誤差扱い。
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失礼にもほどがある。
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「ミナはミナだろ」
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ユナが言う。
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珍しく真顔だった。
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「誤差って何」
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少女は答える。
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『規定外個体』
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『想定外現象』
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『存在確率ゼロ』
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『本来発生しない生命』
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言葉が並ぶ。
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誰も理解できない。
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でも。
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一人だけ。
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顔色を変えた存在がいた。
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黒猫。
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今まで見たことがないほど。
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険しい顔。
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いや。
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猫だけど。
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雰囲気が険しい。
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『黙れ』
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低い声。
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少女が初めて黒猫を見る。
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『監視個体七番』
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学院全体が止まる。
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「監視個体?」
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ルナが呟く。
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黒猫が舌打ちした。
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猫なのに。
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器用だな。
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『余計なことを話すな』
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『命令権限を失っています』
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少女が即答する。
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『七番』
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黒猫の目が細くなる。
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嫌な空気。
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ものすごく嫌な空気。
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その時。
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ノアが私の服を掴んだ。
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震えている。
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「……ミナ」
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「大丈夫」
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反射で言う。
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根拠はない。
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でも。
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言うしかない。
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その瞬間。
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少女の視線がノアへ向く。
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そして。
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止まった。
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初めて。
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少女の無表情が崩れる。
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『識別』
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小さな声。
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『外界残存個体』
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ノアが怯える。
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少女は続ける。
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『処分対象』
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「却下」
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私は即答した。
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少女が私を見る。
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「この前も似たような話した」
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一歩前へ出る。
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「私の知り合いを勝手に処分するな」
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少女は黙る。
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理解できないらしい。
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たぶん。
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本当に。
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理解できない。
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『世界の安定を優先します』
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「知らん」
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『必要な措置です』
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「知らん」
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『抵抗は無意味です』
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「知らん」
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ユナが吹き出した。
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「ミナの語彙死んだ」
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失礼だな。
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でも。
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話が通じない相手に。
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難しい言葉はいらない。
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その時。
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少女が少しだけ首を傾げた。
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不思議そうに。
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本当に不思議そうに。
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『なぜ』
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静かな声。
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『なぜ他者を守るのですか』
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私は止まる。
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その質問。
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どこかで聞いた。
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そうだ。
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あの怪物も。
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同じことを聞いた。
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「守りたいから」
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少女が固まる。
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『理由になっていません』
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「なるだろ」
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『合理性がありません』
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「別に合理的じゃなくていい」
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少女が黙る。
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長い沈黙。
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そして。
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空が揺れた。
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白い世界。
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その奥。
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無数の人影。
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全員がこちらを見ている。
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いや。
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違う。
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全員。
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ミナを見ている。
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その光景に。
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初めて。
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少しだけ寒気がした。
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少女は空を見上げる。
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そして。
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静かに言った。
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『観測結果を修正』
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学院全体が息を呑む。
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『対象ミナ』
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『危険度上昇』
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『世界改変能力を確認』
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「待て」
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嫌な予感しかしない。
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『優先排除対象へ変更』
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その瞬間。
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空の向こう。
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白い世界が開いた。
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無数の光。
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無数の影。
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無数の視線。
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そして。
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学院全員が理解する。
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今までの敵とは違う。
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これは。
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世界そのものが敵になった戦いだと。
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黒猫が前へ出る。
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そして。
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初めて。
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ミナへ向かって言った。
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『逃げろ』
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それは。
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今まで一度も聞いたことがない。
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焦った声だった。




