居場所が欲しかった
静寂。
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黒い世界が止まる。
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怪物も。
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動かなかった。
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「お前も」
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私は繰り返す。
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「居場所が欲しかったんだろ」
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返事はない。
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でも。
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怒りも来ない。
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否定も来ない。
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ただ。
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沈黙だけ。
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『……違う』
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長い時間の後。
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怪物が言った。
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弱い声だった。
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今までで一番。
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『私は』
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言葉が詰まる。
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『そんなもの』
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世界が軋む。
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『いらなかった』
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「嘘だな」
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即答。
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怪物が止まる。
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「本当にいらないなら」
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私は辺りを見る。
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真っ黒な世界。
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どこまでも続く闇。
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そして。
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大量の影。
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捨てられたものたち。
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「こんなの集めない」
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怪物が黙る。
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「お前」
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少し笑う。
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「ずっと仲間探してたじゃん」
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その瞬間。
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世界が大きく揺れた。
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『違う!!』
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絶叫。
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空間が割れる。
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『違う!!』
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『違う!!』
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『違う!!』
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叫び続ける。
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まるで。
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自分に言い聞かせるみたいに。
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私は。
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その姿を見て。
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少しだけ悲しくなった。
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だって。
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知っている。
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こういうの。
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昔の私も似ていた。
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期待して。
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裏切られて。
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もう期待しないって決めて。
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でも。
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心のどこかでは。
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ずっと諦められなくて。
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『私は』
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怪物が震える。
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『私は』
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黒い空間に。
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ヒビが入る。
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『待った』
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声。
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小さかった。
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『ずっと』
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ヒビが増える。
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『ずっと待った』
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私は何も言わない。
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『誰かが来るのを』
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世界が止まる。
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『誰かが』
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『迎えに来るのを』
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静かだった。
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今度は。
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誰も笑わない。
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誰も茶化さない。
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その言葉が。
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本物だと分かったから。
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『でも来なかった』
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怪物が俯く。
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初めて。
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人間みたいに見えた。
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『だから』
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『全部壊した』
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空間が揺れる。
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『期待しなければ傷つかない』
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『捨てれば捨てられない』
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『嫌えば嫌われない』
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どこかで聞いた理屈だった。
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たぶん。
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誰もが少しは持っている。
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私も。
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持っていた。
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だから。
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否定できなかった。
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でも。
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肯定もできない。
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「それ」
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私は言う。
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「全然うまくいってないぞ」
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怪物が固まる。
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「見ろよ」
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周囲を見る。
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黒い世界。
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孤独。
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沈黙。
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絶望。
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「めちゃくちゃ寂しそうじゃん」
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怪物が言葉を失う。
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そして。
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その瞬間。
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世界の奥から。
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声がした。
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『……そうだね』
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怪物が振り向く。
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私も振り向く。
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影。
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無数の影。
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捨てられた存在たち。
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その中の一人が。
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前へ出る。
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『寂しかった』
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別の影。
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『ずっと』
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また一人。
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『苦しかった』
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また一人。
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『帰りたかった』
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怪物の体が震える。
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理解できないみたいに。
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見つめている。
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だって。
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今まで。
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誰も本音を言わなかったから。
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いや。
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言えなかったんだ。
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怖くて。
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捨てられるのが。
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また怖くて。
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『あなたも』
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小さな影が言う。
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『苦しかったんだよね』
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怪物が。
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完全に動きを止めた。
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そして。
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長い。
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本当に長い沈黙の後。
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ぽつりと。
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言った。
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『……わからない』
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声が震える。
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『もう』
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『わからない』
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黒い世界が崩れ始める。
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怒りではない。
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憎しみでもない。
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もっと別の何か。
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長い間。
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押し込め続けたものが。
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壊れ始めていた。
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その時。
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私は。
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ようやく気付いた。
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この戦い。
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勝つとか負けるとかじゃない。
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誰かを倒す話じゃない。
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これは。
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ずっとひとりだった存在が。
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初めて。
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自分の孤独を認める話なんだ。




