怪物に名前をつける
監視対象。
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その言葉は。
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思ったより、重かった。
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翌日には。
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もう全部変わっていた。
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教室の入口。
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黒い制服の監査官が立っている。
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移動にも同行。
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訓練も監視。
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食事ですら。
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一人。
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完全に隔離されているわけじゃない。
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でも。
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“いつでも隔離できる”。
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そんな距離感。
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「……はは」
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少しだけ笑う。
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滑稽だった。
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少し前まで。
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誰にも期待されてなかったのに。
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今は。
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怖がられている。
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極端すぎる。
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でも。
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人間なんてそんなものかもしれない。
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「ミナ」
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声。
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ユナ。
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教室の後ろ。
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周りを気にしながら。
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でも。
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ちゃんとこっちを見ている。
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「その……大丈夫?」
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また同じ言葉。
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でも。
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今度は少し違う。
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怖がっている。
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それでも来ている。
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前より、ちゃんと。
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「大丈夫」
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答える。
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短く。
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「……嘘」
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即答だった。
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一瞬。
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言葉が止まる。
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ユナは近づいてくる。
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監査官が動く。
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「接触は——」
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「少しくらいいいでしょ」
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ユナが遮る。
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珍しく強い声。
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監査官が黙る。
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そのまま。
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ユナが私の前に立つ。
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少しだけ震えてる。
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でも。
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逃げない。
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「ミナさ」
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小さく息を吸う。
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「最近、全然笑わない」
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その言葉で。
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少しだけ。
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頭が止まる。
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「……前からこんな感じだろ」
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「違う」
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即答。
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「前はもっと、ちゃんと傷ついてた」
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意味が分からなかった。
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傷つく?
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今も傷ついてる。
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たぶん。
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でも。
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ユナは首を振る。
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「今のミナってさ」
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少し迷って。
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それでも言う。
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「なんか、“諦めた後”みたい」
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その瞬間。
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少しだけ。
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胸がざわつく。
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嫌な感じ。
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見透かされたみたいで。
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「……別に」
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視線を逸らす。
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でも。
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ユナは逸らさない。
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「怖いんだよ」
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小さく言う。
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「最近のミナ」
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正直だった。
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だから。
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刺さる。
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「でも」
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続ける。
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「それ以上に、消えそうで怖い」
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静かだった。
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教室も。
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周りも。
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全部。
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音が遠い。
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その時。
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監査官が前に出る。
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「接触時間終了だ」
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事務的な声。
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冷たい。
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ユナが舌打ちする。
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珍しい。
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「……行くね」
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最後に。
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少しだけ笑う。
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無理やりみたいな笑顔。
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「また来るから」
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そう言って。
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離れていく。
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私は。
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何も返せなかった。
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夜。
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一人。
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寮の部屋。
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静か。
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最近はもう。
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静かなのが普通になっていた。
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机に紙が置かれている。
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監査報告書。
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勝手に置かれたもの。
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開く。
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文字が並んでいる。
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『危険度:測定不能』
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『能力分類:未定義』
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『精神状態:自己希薄化傾向あり』
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『総合判断』
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少しだけ間が空いて。
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最後の一文。
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『対象は極めて危険』
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「……」
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少しだけ考える。
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危険。
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怪物。
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監視対象。
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色んな名前がついた。
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でも。
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どれも、違う気がした。
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私は。
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そんな大層なものじゃない。
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ただ。
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少し。
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世界と合ってないだけ。
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それだけだ。
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その時。
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視界の端。
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報告書の下。
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小さくメモがあった。
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たぶん。
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誰かが個人的に書いたもの。
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『——怪物には見えなかった』
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一瞬。
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呼吸が止まる。
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誰が書いたのかは分からない。
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でも。
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その一文だけ。
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なぜか。
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ずっと頭に残った。
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怪物。
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そうかもしれない。
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でも。
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もし違うなら。
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私は。
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なんなんだ。
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初めて。
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少しだけ。
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分からなくなった。
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自分のことが。




