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第18話 少女と赤い薬
2章の始まりです。
リビングテーブルの上に広げた薬袋を眺め、少女は一つため息を漏らす。
昔から怖いTV番組を見たり、酷く嫌な思いをしたその日の夜は、大概眠ることが出来なくなる。結果、翌日は鈍い頭痛に悩まされ、不快な一日を送らなければならない。
多分、今日は高確率でその頭痛が起こる日だ。
“カンが強い”
“ヒステリーな所がある”
“結構気むずかしい”
親族は自分に対しそんな言葉を並べていた。否定できない悔しさはあったが、そもそも好きでそんな性格に生まれて来たわけではない。
この黒くて、ただ真っ直ぐなだけの髪も、澄ましている様にしか見えない奥二重の瞳も、薄く色気の欠片もない唇も、日差しに負けて、すぐに真っ赤に炎症を起こす肌も好きで持って生まれたわけではなかった。
“あの子みたいに愛らしかったら……”
その想いを何度味わってきただろう。
“ト……ッン”
不意に起こる頭の奥での鈍い痛み。
予想通りだった。
「頭痛薬は飲んでおいた方がよさそうね・・・・・・」
少女はそう言うと赤いカプセルで出来た薬を1つ白湯でゆっくりと胃に流し込んだ。




