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耳長人(エルフ)はやっぱり

その後もステラさんと会話をしていた、とうぜん会話は『超…………って感じ』って始めについてくるが、わかりづらいので聞いた話しをまとめよう。

まず、アタシの勝手な思い込みであったのだが、ステラさんは耳長人(エルフ)さんで正解であった。

まずは混乱しなくて良かったところだが、なんてご都合的なのだろう。もしかしたら過去に来た日本人か、はたまたヨミさんがエルフと名付けたのかもしれない。

先行者でないと言うことは、なんて幸運なのだろう。

もしも、耳長人の種族がエルフではなくてチョコレートと言う種族名であったら大混乱である。

人間はチョコレートを食べる種族だと間違って伝わったら人間と接触なんてありえなくなるだろう。

この世界ではある程度、共通言語となっているので名称は大事だと思う。


ステラさんことエルフは、この森の北西部の中心に集落を形成しているという。

以前は、と言うか数千年前までは、人間とも交流を持っていたと言う。とは言っても人間側からたまに来る程度であったと言う。

更に言えば、ここ数百年で人間の来訪者は1名だけであると言う。

ステラさんの言うことを信じれば、別に人間を嫌っているとか悪い感情を持っている訳ではないらしい。

だが人間と積極的に交流を持とうとか、そんな考えは特にないので、気楽に森で植物を育てたりしていると言う。

どうやら温厚でゆっくりのんびり生きている種族みたいだ。

ステラは『鳥射ち』のスキルを持っていて、飛んでいる生き物なら、ほぼ当てられるそうだ。だが地面に居る生き物には、スキルの効果が発揮されずに実力通りにしか当てることが出来ないと言う。

色々話しを聞いている内に、敵対することが無いのならエルフの集落に行ってみたくなったので。

アタシはステラさんに考えを伝えて訪問することにした。

エルフの集落は50人程で暮らしていると言う。

なので、集落に向かいながら獲物を狩ることにした。

暫く歩いたところで大物の振動を感知した。ステラさんに確認すると。

「超イノシシ。テラヤバいし。マジあり得ないし。あんたバカ。持てるし食べる。」

と言うことなのでさっくり倒して、ステラさんに持ち上げて貰い、木の枝に逆さまにして吊るし血抜きをしておく。

「マジあり得ないし。超イノシシだし。マッキースゲー。矢で射ってごめんなさい」

そう言えば、殺されかけたのだっけ。

ファンタジーの王道のエルフに会ったからすっかり忘れてた。でもあれは不可抗力だから、謝ってもらえたなら良いや。

アタシは謝罪を受け入れて。エルフの集落にステラさんと向かう。

それにしても、この細い身体のどこにイノシシを持てる力があるのだろう。

血抜きしたとは言っても100キロは越えているだろう。それを軽々と背負って歩いている。歩いていると言うか、嬉しいのか表情は変わらないが、たまにスキップしている。

100キロ持ってスキップって凄まじい能力なのだが。エルフの種族の特長らしい。これくらい誰でも持てると言っている。

ますます不思議な種族である。


そして日が沈み森が真っ暗になったころエルフの集落にたどり着いたのだが驚いてしまった。

なにせステラさんがここがエルフの集落ですと言った時に森でしかなかった筈なのに、次に足を踏み出した瞬間に集落が現れたのである。

どうやら何かしらの結界が構築されているみたいだ。

元の世界で色々書かれているように、この世界のエルフも魔法か魔術かわからないけど隠蔽が得意のようである。

こんな広い森なのだからピンポイントで来ないと人間はたどり着けそうに無い。魔物対策なのかもしれないが訪問者が居ない理由はこのせいであろう。納得である。

真っ暗な集落には人影がない。見た目、廃村に見えるが、振動の反応は家の中に何か居ると伝えてくるので。誰も居ないということはない。ステラさんの歩きを見ればわかるが夜目が効くのにエルフは夜出歩かないのかしら。

アタシはステラさんに連れられて集落の中でもひときわ大きい家に案内された。

ここには最長老さんが居ると言う。家の扉をノックして「ステラです。ただいま戻りました」と言いながら相手の許可をもらう前に扉を開けた。

ノックしたらすぐに扉を開ける。これがこの集落のしきたりなら、ちょっと嫌だなと思いつつ、そう言えば今回はコギャル語がなかった事を疑問に感じたが、ステラさんが扉に向かって一人でコギャル語を話している姿を想像したが、どう考えてみても間抜けである。

最長老さんに敬意を表しているのかもしれないから、その事をあえて聞くことはしなかった。

家の中は明るい、ステラさんは入り口の脇にイノシシを置くと中に入っていったが、アタシは真似して入ることを躊躇して玄関で待つことにした。

暫く突っ立っていたら「マジ使えない。ナニやってるの。あんたバカ。入ってきて良いのよ。ここに座って待つのよ」と呼ばれた。

何回聞いても慣れないが、そう言うしきたりのようだ。アタシは指示に従いステラさんの隣に座る。

するとすぐに奥の扉が開き男性のエルフが現れた。どうやらアタシが座ることを待っていたみたいだ。申し訳ない。郷に入れば郷に従え。覚えておかないといけない事のようだ。

男性のエルフは、見た目も若い美人さんである。だから最長老さんの息子か何かだと思っていたら、ステラさんは畏まっている。

今更ながら、エルフは長寿設定が多いことを思い出した。見た目若そうに見えても、とんでもない年齢なのかも。そう言えばステラさんの歳も聞いていなかった。実は何百歳なのかもしれない。

最長老さんが対面の席に座り口を開いた。

「テラ白いんですけど。マジチビッ子。超ウケる。人間の子供って感じ。鳥射ちのステラよ。この子はどうしたのだ」

うわ。最長老さんもコギャル語なんだ。しかもステラさん同様、表情を変えずに感情もなく喋ってる。

「最長老もマジウケ。あり得ないし。マジヤバ。こちらは人間のマッキーさんです。エルフの集落に興味があると言うので連れて来ました。ウサギとイノシシを頂きました」

ステラさんも最長老さんでも関係無くコギャル語で返している。

「マジ。マジ。マジ。チビッ子があり得ないし。超ウケるんですけど。それは豪勢なお土産、ありがとうございます。これだけあれば、とうぶん肉に困ることはありません。暫く滞在されると良い。久しぶりの人間の訪問だ歓迎致します。空き家が有りますので今夜はゆっくりしていってください。ステラよ案内しなさい」

最長老さんは、そう言うと奥の部屋に戻っていった。そして扉が閉まった時にステラさんが立ち上がり、空き家まで案内してくれた。


この空き家も最長老さんの家と同じ様に玄関を開けると机と椅子が置いてあり奥に扉がある。

先程のやり取りで奥の扉から先がプライベートスペースであることが理解できたので、いきなり開けられてしまう恐れはないと安心した。

「超人間。マジエコヒー。朝、また来ます。ゆっくり休んでください」と言うとステラさんは出ていった。


奥の部屋はリビングの様だ、二つ扉があり一つは寝室。もう一つは水場になっている。簡単な料理なら出来そうである。

アタシは今夜のところは蜘蛛糸警報装置を設置して眠る事にした。


信用していない訳では無いが、しきたりが不明なので身の安全を優先したまでである。


明日は楽しみだな。知っているけど知らないファンタジー生物であるエルフの実態が明らかになるのだから、マッキーは明日に備えてぐっすり眠ることが出来た。



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