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研究内容はチョコレート作り

王都に戻り、夜になってから城内に侵入して。今はチョコさん住む人神宮の台所でココアバターを抽出する道具作りをしている。

チョコさんには、闇の魔道具や魔王軍のペガヌスの事を話してはいない。

もう済んだことだし、アタシが居る間にペガヌスが直接来て暴れるなら問題だが。武人と言いながら闇の魔道具というような絡め手を使っているのだから、直接攻めてくる可能性は低いだろう。たぶん魔王軍は秘密裏に行動して間引きする考えであると予想できる。

今後、業を煮やして魔王軍からの刺客が直接現れても、その時はその時に王国軍で対処するしかないだろう。

事前情報としてアタシが余計なことを伝えれば、問い質されて怪しまれるのは回り回ってアタシである。

変なことはしないに限る。


そんな事は置いといて。ペガヌスの洞窟から抽出した鉄を使って作った、カカオバター絞りだし器は強度は十分だ。完全に絞り出すことは出来ないが9割くらいは絞れたと思う。

絞りかすであるココアを磨り潰すが油分が残っている分残念ながら完全なパウダーにはならなかった。だがお湯を入れて飲むと、油分の分まろやかさを感じる。この味わいなら手作りとしては上出来ではある。

ここから実験開始である。

もしカカオが魔力を回復する食材であるならチョコレートにしなくとも回復するはずである。

なにせ、この後の行程はミルクと砂糖を混ぜるだけであるからだ。

どこかの料理冒険漫画の設定が混ざっているのなら、アタシ程度の料理技術で食材の力を引き出すなんて出来る訳がないからね。

魔力を消費するために、聖銀(ライトメタル)の精製に取り掛かる。この鉱石は魔力を大量に吸収蓄積し、岩をも叩き切る衝撃に耐えうる堅さと、それなのに身体にフィットするような軟らかさとを両立している。

薄くすると脆くなるのが残念だが。薄いものを作らなければ良いだけである。

アタシが魔力を消費するために精製に取り掛かり、魔力が減ったことを自覚出来た所でココアを一口飲む。


こ、これは。


二口目を飲む。


ま、まさか。


三口目を飲む。


やっぱり。魔力が


回復する気配がない。

本気でまったく回復しなかった。

そうするとチョコレートに加工しないと駄目なのか。

ならば、チョコレートの製造に取り掛かる、こちらも魔法は使わず道具を使って磨り潰す。

アタシ頑張ったよ。道具は道具。自動機械じゃないから、体力の限界まで頑張ったよ。

さっそく完成したチョコレートを口に含むと僅かに疲れがとれた気がする。思わずホッとしてしまったが、本題はそちらではない。集中して感じてみてみると。

魔力は多少回復したような気がするが、アタシのチョコレートとは回復量がまるで違う。

ココアであるならカカオバターの残存量で品質に大きく違いがでるが、チョコレートに関しては、せいぜい磨り潰しの量が違うだけである。

それでここまで違いがでると言うことは、実はこの世界のカカオは聖銀(ライトメタル)と同じ様に魔力を吸収しやすい植物だとでも言うのだろうか。

まさかと思いつつ、完成したチョコレートに魔力を通してみてから食べてみると。

消費した分回復した。

ココアでも同じことをすると、同じ様に消費した分回復した。

別に結論を長々と説明しなくてもいいよね。

要するに、この世界のカカオは魔力タンクになると言うことだ。

数値化出来ないから実験しても意味がないのでしないけど。吸収量分の魔力を貯めて食べることによって取り戻す事が出来ると言うわけだ。


チョコさんが言う女神様から得た精霊力とは魔力だったと言うことである。

アタシ的には色々解決したけど、チョコさんにはどう説明しようか。難題が残されてしまった。


その後、一応普通の食材にも魔力通してみたが同じ様な効果を発揮することは無かった。


実験で大量に消費した魔力と体力を回復するために以前作った方のチョコレートを食べる。

こんなチョコレートを食べると回復だなんて、もし怪我まで治るなら神様でも作れないのに猫なら作れる豆みたいだ。


そうすると大量生産なんかすると、真の主人公でも現れたら、回復するチョコレートくれって取りにきた時くらいしか出番がなくなるのかもしれない。アタシ的には目立たなければそれでも別に良いけどね。

なんて脱線したけど、本気でどうしよう。

なにせチョコさんの寿命に直結することである。はっきり言って下手なことは話せない。

今は良いお婆さんであるが数十年後にも良いお婆さんでいるかわからない。

ココアに魔力を吸収させれば、チョコさんは永遠とは言わないが数百年単位で生き続けることが出来ると教えることになる。

未来のチョコさんが、寿命を得るために世界中の人から魔力を奪うかもしれない。

それは善人悪人関係なく、死を遠ざけることが出来る方法を知っているなら、その時にしないわけがない。生き物は生を求める物なのだから。


アタシだって死にたくなんかない。生きるためなら恥も外聞も無く全力で、その方法を使うに違いないから。


つらつらと考えていたら、いつの間にか眠ってしまったようだ。回復したとは言っても寝てしまうのは、チョコレートでは回復出来ない何かが回復出来ないでいるのだろう。

完全回復薬を作りたい訳ではないが、なんとなく拘ってみたい気がする。


気になることの確認を含めてもう暫く研究する為に人神宮の台所で座敷ワラシのように居すわる事にしたマッキーであった。



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