元凶とチョコさんとの関係
世界の王以外の元凶。
元の世界での失せ物事件は世界の王がしなくとも起こって居ることになる。それが自然現象ならば諦めざるを得ないが。自然現象では無いと言うことを、ここで証言を得ることが出来た。
証言主はもちろんチョコさんである。昔の話だからあまり覚えていないが、はっきり覚えている事もあると言って話してくれた。
お遊戯の帰り道に、ピカッと光った時に、夢を見たそうだ。その夢でチョコさんは女神様に会ったと言う。夢の中の女神様は、確か『ペガサス』と言う者を懲らしめて欲しいと言ってきたそうだ。その為に力が必要なら望むが良いとも。チョコさんは、当時見ていたアニメの主人公になりたいと女神に伝えたところ、アニメとは何か?から始まり、いくら口で説明しても理解して貰えなかった。だが女神はチョコさんの頭に手をおいたと思ったら「願いは聞いた。その力で『ペガサス』を懲らしめてくれ」と姿を消し気がついたら王子の部屋であったと言う。
夢で見た話しだし当時いくら真似しても、その力を発現することが出来なかったから忘れていたみたいだ。しかも唯一出来たことは風魔法だけであった。
そのアニメの主人公は風魔法では無かったはずなので女神様の嘘つきと思い女神の願いを後回しにしていたら、すっかり忘れていて、今言われて思い出したそうだ。したがって300年以上放置しているらしい。
チョコさんは今更のようにアタフタしはじめたが、今更、本当に今更だ。女神様が怒るならとっくに怒っているはずだから心配ないとチョコさんを慰めることにした。
チョコさんが落ち着いたところで、何のアニメだか聞いたら。
風のエルフが火の王子と出逢い魔物を改心させて旅を続けて最後に魔王に挑む王道活劇だったけどタイトルが思い出せないらしい。あ。それならアタシも知ってる。子供向けの冒険アニメだから怪我や病気はするけど主人公サイドどころか敵側も誰も死なない話だ。
風のエルフは寿命を削って精霊化すると無敵の強さを発揮して、数々のピンチを乗り越えていたはずだ。
そういえばスタート時は風のエルフが主人公だった筈なのに。
途中から登場した数々のアイテムを使う水の少女に出番を奪われた。そしてエルフの真実と言う設定により、髪の毛の色が真っ白になった時が寿命だと語られた。
すると、その回のみ金髪が銀髪になっていて、それを見た火の王子から「お前は俺の大切な仲間だ。これ以上、精霊化したらダメだ」と精霊化を禁止されて、ますます出番が無くなった。
それでもスピードを活かした剣術で見せ場を作るも、基本は敵がどれだけ強いのかわかるように演出するやられ担当のサブキャラに転落していた。
大人の事情で考えれば、精霊化する為のアイテムが無かったのが転落の原因だとわかるが。
水の少女にヒロインの座を奪われてから話しは2クールも進むくらいだから大人の事情が介入したお陰で人気アニメになったとは思われる。
そして最後の魔王対決では火の王子が大ピンチに陥った時に禁止されていた精霊化を行い。いっきに白髪化した。そして
「私の最後の力を仲間に」と傷付き倒れていた王子と水の少女を復活&パワーアップさせて消えてしまった。王子と水の少女はその力により魔王を倒し封印に成功する。
王子は風のエルフが消えてしまったことを嘆き悲しむが、水の少女が「王子と私の心の中で生きています」と言って。手と手を取り合い王国に凱旋してFin。
最初から旅をしていた風のエルフさんが大人の事情とは言え報われないと言う残念な話しだったはずだけど。チョコさんは最後まで見ていなかったようだ。最後はどうなったかしきりに聞いてくる。
アタシは風のエルフが多少は報われるように結果は同じだけど妄想成分過多気味にストーリーを模造して話した。
チョコさんは風のエルフが最後に消えてしまったことを残念がっていたが、チョコさんは子供ではない、すでに大人を通り越している年齢だ。
「好きなアニメだったから気になっていたけど、スッキリしました。ありがとうございます」と受け入れてくれた。
でも、話しはここで終われない。チョコさんの黒髪化の原因考察である。あのアニメが原因だとすると、チョコさんは風のエルフになったと思われる。でも精霊化する事は出来なかった。でも白髪化していた。これだけならエルフの寿命設定が300歳程であったと仮定できる。聞いてみれば王子は火の魔術を得意としており付いた侍女は水の魔術を使っていたと言う。
夢の中で会った女神は設定通りの場所に転移させたと考えられる。
それだけ女神には力があると言うことだ。でも当時の王国では魔王なのか分からないけど『ペガサス』と呼ばれる存在を退治する意志が無かったので女神の目論み通りに事は運ばなかっただけだと思われる。
まあ。300年前の話しだ、それは置いといて。チョコさんが黒髪に戻った理由はやっぱりココアかチョコレートなのだろうか。そうすると精霊力を回復する何かが成分に含まれていたのだろうか。
アタシは手持ちのココアとチョコレートを鑑定するが、これと言って変わった情報はない。まあ、アタシが知らないことは鑑定できない学習型だから仕方がないけど。
このままうやむやにしてしまうのは、なんだか嫌なのでお別れの挨拶は先伸ばしして、暫く台所を借りることにした。
アタシの王城滞在はもう暫く続くことになった。




