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次世界転生  作者: maron
第1章 第二世界編
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入学

私は医務室で目を覚ました。隣のベッドにはレオンが居る。レオンは私が起きたことに気づいたようだ。


「やあ、おはよう。」


「おはようございます。...その傷、大丈夫ですか?」


彼の足には私の槍が貫いた跡がある。治癒魔法で傷は塞がっているが、少し傷跡を残してしまったようだ。


「大丈夫だよ。生活に支障はないからね。それより、明日は入学式だ。改めて、合格おめでとう。」


「...ありがとうございます。」


私は微笑みを見せるレオンに微笑み返した。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


翌日、センテリア学園。私は1年A組となった。

周りの子は友達作りに勤しんでいる。だが、元より私は友達を作る気は無い。上位を取り、書庫に入れればそれでいい。上位になればある程度名が知れる。千影に前世の記憶があれば見つけてくれるかもしれない。

その時、教室の扉が開いた。


「おはよう。君達の担任になる、エリオット・アスターだ。」


彼は見たところ、穏やかな中年男性という印象だった。生徒の緊張を解すような笑み。


「私は魔法学を担当する。よろしく頼むよ。」


それから彼は、1人ずつ自己紹介をさせて行った。私は正直やりたくなかったが、好印象を残すのは大切だ。それに、教師と良好な関係を築くことも。


「私はアイリス・ノアと申します。氷魔法を扱うことができます。よろしくお願いします。」


必要最低限のことを述べ、微笑みながら一礼する。クラスメイトからの拍手を受けながら私は座った。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


入学式と初回の授業が終わり、皆が帰宅準備をする。誰とも話さず、黙々と準備をする私を見かねたのか、アスターが近づいてきた。


「君は友達を作る気がないのかい?」


「...必要、ありません。」


「そう言う人ほど、寂しがりなんだよ。」


その言葉が、私の心のどこかに沈んだ。寂しがり、そうなのかもしれない。千影がいなきゃ私は生きていけなかった。狂って、そのまま死を選ぶほどに。この教師を突き放したかった。私の心の内に触れないで欲しかったから。でも、私は良好な関係を築きたい。


「...大丈夫ですよ。」


「本当に大丈夫なのかい?1人でいてもそんなに楽しくないと思うけどね。何か、興味あるものとか無いのかい?」


「...王城の書庫を見てみたいです。」


私はこれを言うか迷った。だが結果として、私は口に出した。もしかしたら、この人が王城に入れる存在かもしれない。ほぼ有り得ない期待を、一瞬だけ抱いた。


「...王城、かい?」


彼は驚いた顔をしていた。まあ当然のことだ。


「そうだね...王城に入るには、ここを卒業した後に近衛兵になるか、この学園で特待生になるしかないね。」


「分かってます。だから、私は特待生を目指してるんです。」


「...いい目標だと思うよ。君の夢が叶うように、私も協力しよう。」


優しい言葉だった。たかが生徒1人、しかも初対面の人間に協力してくれるなんて。私は、この人に少しだけ興味を持った。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


それから、その言葉通りに先生は協力してくれた。1時はその場凌ぎの言葉では無いかと疑ったが、本気だったらしい。彼は特待生になるに当たって必要なことを私に教えた。


「特待生になるには、少なくとも学期末の考査で学園で10位以内には入らないといけないね。それに、魔法の才能も必要だ。」


やはり長い道だ。それでもやらない選択肢はない。今はこれが、何よりの近道なのだから。


「先生は...不思議ですね。なんでこんなに私を助けてくれるんですか?」


「.....私が個人的に君に興味を持っただけだ。それだけだよ。」


先生の目が、一瞬遠くを見た気がした。


「そうだ、来週模擬戦がある。そこで実力を示せば、私以外の教師が君に興味を持ってくれるかもしれない。」


「本当ですか?なら、頑張ってみます。」


「うん、いいと思うよ。君さえ良ければ、私に君の魔法を見せてくれないかい?」


「構いませんよ。」


私は訓練場で先生に氷魔法を見せた。先生は穏やかにそれを観察していた。


「君の魔法は綺麗だね。魔力の流れが繊細だ。」


「ありがとうございます。」


「その力があれば、君はきっと夢に届くよ。」


「...ええ。必ず、果たしてみせます。」


この人なら、信頼できるかもしれない。私はそう思い始めた。こんなにも協力してくれるなんて。


「...先生。これからも、よろしくお願いします。」

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