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次世界転生  作者: maron
第1章 第二世界編
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破壊

「千影っ...!!」


アイリスは目の前に見える想い人へと駆け寄った。これがいくら幻であっても、夢見た再開には変わりない。だが、その夢はまたも、目の前の本人に砕かれる。


「私に話しかけないで。」


「え.....?」


アイリスの動きが止まった。千影は冷たく、軽蔑するような視線を向けている。それこそ、ルビーの狙いだった。アイリスの心の奥深くまで読み取り、アイリスの千影という弱点を見抜いた。そして、アイリスに千影の幻を見せた。


「...千影...?なん、て...」


「話しかけるなと言ったの。あなたみたいな屑に興味はないから。」


「.....なんで、そんなこと言うの?嘘だよね?ねえ、嘘なんでしょ?.....嘘って言ってよ!!」


アイリスは千影に縋り付くようにしながら、ぼろぼろと涙を零していた。千影は嫌悪を示し、アイリスの手を振り払おうとする。


「違う...違うでしょ.....?千影は、そんな事言わないって.....」


アイリスは絶望を押さえ込み、必死に頭を回転させる。そうだ、これは幻だ。あの、ルビーとかいう奴のふざけた魔法だ。そう言い聞かせ、苦しくも目の前の千影を無視することにした。


「.....ねえ、なんで私を助けてくれなかったの?」


「.....っ...」


無視を決め込んだはずなのに、振り向いてしまった。アイリスの呼吸がまた乱れていく。幻の効果か、目の前の千影が血だらけに見える。事故の時の、あの千影に。


「私、は.....助けたかったけど.....どうしようも、なくて.....」


「仕方なかった、って言いたいの?ふうん、私のことその程度にしか思ってないんだ。」


「違う、違う.....!」


アイリスの手が千影に伸びる。だが、千影によって弾かれた。


「ぁ.....」


「汚い手で私に触らないで。」


その言葉が最後だった。アイリスはその場に座り込み、涙を流す気力さえも失ったかのようだった。


「千影は.....」


アイリスが手に刀を握った。千影はそれに驚いたように目を見開く。


「千影は、そんな事言わないっ!!千影を、汚すな!!!」


アイリスが立ち上がった。そして、力任せに刀を振り下ろす。千影を切ると同時に、世界がひび割れた。そのまま世界が崩壊する。


「.....はぁっ.....はっ.....」


千影を切ることに、相当な迷いがあった。目の前の人間を千影ではないと割り切って、振り下ろすまでの葛藤は永遠に思えた。


「.....ごめん、千影.....」


アイリスはそう言って前を向く。魔法を破られて動揺したルビーが立っている。その手には、しっかりと刀が握られている。


「.....小賢しい真似を。僕の魔法は貴重なんだ。」


「黙れ。私の千影を汚した罪を償え。」


アイリスはそう言って踏み込んだ。そして、ルビーも構える。


再び刀が、激突した。

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