誕生日前日
可憐との話し合いは、無事に終わって、穂乃果に凄い感謝された。
公園の水色のベンチで、穂乃果と2人で座って、可憐との話を、俺は報告していた。
夏の日差しが、とても暑くて、ペットボトルのお茶が美味しく感じた。
「晴人君は、やっぱり凄いよ。ほんんっと頼りになる人。」
「いや、元々、俺のせいでそんなことになったからさ。」
「もう、私のせいだってば。それに、晴人君のせいだとしても、私には出来なかった事をしたんだから、胸を張って下さい。」
「分かった。そこまで言うなら、凄い男だと思うようにするよ。」
俺は彼女にそう答えた。
「うん、そうそ、素直が1番だよ。」
あと、彼女に伝えないといけない事がある。
俺は、サッカーの決勝…怪我で出られなかった。そのせいで負けたって言われた。
実際のところ俺が出ても勝てないくらい、ボロ負けだったが。
いや、怪我なんて仕方ないだろ。そう思っていたけど…周りはワザと怪我しただの、決勝で恥かきたくないからじゃ? と影で罵られた。
透は、フォローしてくれたが、それでも彼の顔を見たくなかった。
透の妹の穂乃果に、近寄んなよ、兄の顔がチラつくと言ってしまった。
今日それを謝ろう…忘れていた記憶を取り戻した今がその時だ。
「穂乃果ごめん、昔兄の顔がチラつくって言ってた。」
彼女が前に、1人の女性として見てくれるか? そう言っていた。彼女を傷つける言葉を吐いてしまった。
「やっと自分が言ったって思い出したんだね? うーんどうしようかな?」
「なーんて、許してあげます。でも、結構傷ついたんだぞっ。」
「ごめん、穂乃果。悪かったよ。」俺はひたすら謝った。
「大丈夫そんな謝らなくて。可憐ちゃんのことで、誤解解いてもらったし、それでチャラにしよ?」
可憐と穂乃果お互いまた仲良く出来たらいいが。
可憐に世界一好きと言われた身にすると、どうなんだろうか? つらい気持ちにさせないだろうか?
「どうしたの? 考え事?」穂乃果が心配そうに聞いた。
「ああ、色々あってね。まぁ、そんな心配されることじゃないから。」
「考え過ぎは、身体に毒だよ? 私みたいに泣いてもいいよ?」
「いや、泣くような悩みじゃないけど、確かに泣いたな、可憐と話しして。」
「可憐ちゃんと泣くほど語り合いしたの?」
「ああ、真剣な話をした。」
「そうだよね。それぐらい、複雑なことだもんね。本当は、晴人君じゃなくて、私が可憐ちゃんと話し合うべきだったのに、晴人君には、迷惑かけます。」
「いや、俺が浅はかというか、しっかり自分の感情に向き合わなかったから。まぁもう辞めよう、この話は。もう解決したんだから。」
「うん、辞める。楽しい話しよう。」
「なら、明日の穂乃果の誕生日の話しようか。友達がいっぱい穂乃果祝ってくれるでしょ?」
「うん、けどね…明日は、晴人君と2人きりでするから、今回は、当日祝いしなくていいって断ったんだ。」
彼女が友達に断りをしたと言う。それだけ俺は特別って事だ。彼女の気持ちに答えないとな。
「そっか、俺がみんなの分まで祝ってやるからな。覚悟しろよ?」俺はニヤッと笑って言う。
「えへへ、覚悟してます。もう、楽しみで仕方ないよ。」彼女もニヤッと笑った。
「それじゃ誕生日にまた会おう。」
俺はそう伝えた。
「えーっもっといたいんですけど? もう帰っちゃうの?」穂乃果に引き止められた。
「色々準備があるんだよ。これからプレゼント買いに行く。」
「もっと早く買ってください。」彼女が笑って言う。
「もっともな意見だ。しかし…悩み過ぎてね。本当なら可憐とかに相談したいけど、今回は自分で選ぼうかと。」
やはりぬいぐるみが良いかな。マイメオのぬいぐるみ。
「うん、気持ちがこもってれば、私は満足です。結局悩み過ぎて、買わなかったよ、なんてことにならないようにね。」
「はは、そんな事…あり得るな。よし…決めた。今すぐ買ってくるから、またな。」俺は穂乃果に伝えて、彼女の前から去った。
「早っ、もっといたいって言ってるのに、もう。」そう彼女の声が微かに聞こえた。




