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苺の国のパルフェ魔法女学園  作者: ビリリねこ
第四章 聖騎士 対 魔女
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第62話 雪の精霊②


 闘技エリアに入り、魔女たちに走って近づくフレイネル。

 しかし、ラクリマ姫が立ちはだかった。


「そこで止まれ、何者じゃ」

「え? あ、姫様。わたくし第四聖騎士団隊長のアステア・フレイネルと申す者です。あちらの魔女さんに用がありまして」


「魔女たちは忙しい、後にしろ」

「はい」


 素直にその場で待機するフレイネル。


「今、何をされているんですか?」


 ボワロンが魔法協会会長に叱責を受けているのが見える。


「世界の命運があの魔女たちにかかっておるのじゃ、静かにしておれ」

「世界の命運……?」


 少し離れたところに宰相のルシェミが見えた。

 光魔法で何かを押さえ込んでいる。

 しかし、ヒビが入って今にも割れそうだった。


「あの、宰相の魔法が今にも割れそうですが、大丈夫なんでしょうか?」


 ラクリマ姫が振り返った。


「もー! うるさいのう!」

「す、すみません!」


 殴られそうな勢いだったので身構えていたフレイネル、しかし拳は飛んでこなかった。

 姫は、自身を落ち着けるため、フレイネルに状況を説明しだした。


「無限に大きく……、世界は飲み込まれる……? ……っは! こうしてはおれん! 姫さま失礼します!」


 姫の話を聞き終わると、一目散にボワロンの元へ向かうフレイネル。


「あ、行っちゃった」

「おいおい! 待てー!」


 それを追いかけるラクリマ姫とベンシー。





「いいかい、落ち着いてもう一度やってみな」


 怒るのをやめて、ボワロンを諭すように話すニルヴァネージュ。


「……はい」


 もう一度念じるボワロン。

 しかしうまくいかない。


「ボワちゃん、落ち着いて」

「そうだぞボワロン、緊張しているのかもしれんが、やれると思えば出来るもんさ」

「ボワロンさん、いつものようにやれば丈夫ですよ、きっと」

「ボワロン、深呼吸だ、呼吸をコントロールして落ち着くんだ」


 みんなでボワロンを励ます。


「ムーちゃーん!」


 そこへ、フレイネルがやってきた。


「……アステア? どうしてここに」


 一瞬フレイネルを見るも、すぐにそっぽをむくボワロン。


「ムーちゃん、聞いてくれあれは誤解なんだ!」


 必死の形相で訴えるフレイネル。


「なんだい、おまえさんは」

「会長、ボワちゃんの元カレです」


 会長に耳打ちするプラリネ。

 ボワロンは横を向いたままだ。


「コラー! 魔女を邪魔するなと言っとるじゃろー!」


 ラクリマ姫が到着する。

 そしてベンシーにフレイネルを抑えるよう指示を出す。


「ぐっ、こら離せ!」


 ベンシーを振り解こうとするフレイネル。


「何が誤解なの?」


 そしてなぜかプラリネが聞く。


「っく、宰相直々の任務だったんだ。それを成し遂げれば大隊長にしてやると言われて……」


 大隊長という言葉に反応するボワロン。


「任務中、追っていた犯罪者に尾行を怪しまれた。それで恋人のフリをしていたんだが、相手の聖騎士がもっと本物らしくしないとバレると、急にキスしてきたんだ」


 その言葉に無反応なボワロン。


「ふーん、で、キスされてどう思ったの?」


 そしてまたもやプラリネが聞く。


「そりゃあ悪い気はしなかったが、俺はムーちゃん一筋なんだよ、他の女になんか興味はない」


 だんだんめんどくさくなってきて、フレイネルを抑える力を緩めるベンシー。


「何を話しとるんじゃ?」

「魔法を使うには精神状態の安定が大事なのですじゃ姫様、ちょっとだけ時間をやりましょう」


 なぜか二人に時間をやるニルヴァネージュ。


「おまえが都合のいいように言ってるだけだろ、そんなの信用できるか」


 ここでボワロンが初めてフレイネルに話しかけた。


「都合のいいようにって……」


 推し黙るフレイネル。


「いや、その男の言っていることは正しい」


 急にルシェミが割り込んできた。


「あやつまで話に入ってきおったぞ……?」

「まあまあ姫様、もう少し時間をやりましょう」


 そして時間をやるニルヴァネージュ。


「実は、フレイネルが魔女と付き合っている事が聖騎士内で問題となっていた」


 光の魔法で黒の液体を押さえながらも、ルシェミは話しだした。


「フレイネルは大隊長になる実力を十分備えていたが、それがネックで昇進させることができなかったのだ。だから、魔女に浮気しているところを目撃させ、別れさせようとした。今となってはなぜそんなことをしたのか、自分でも訳がわからんが……」


 ボワロンの行動を調べ、毎週必ず現れる場所を特定し、犯人役も仕込みで行われた、壮大な計画だったとのこと。

 そして、キスした聖騎士は、特に魔女を憎んでいるもの——苺好き——が選ばれていた。


「なんてことするのよ……」

「ちょっと言葉が出ないわ」

「あんまりですね、そんなの」

「ひでーな、色々」


 教員たちが絶句する。


「ボワロンさんたちが、可哀想です〜」


 そして同情するヴィヴィアン。


「すまなかったと思っている。この償いはいずれさせてもらう」


 ルシェミが言った。


「ほ、ほら、な? 宰相も言ってるだろ、誤解なんだって」


 フレイネルが、両腕を広げて言った。


「そんなこと……、急に言われても」


 ボワロンが困惑していると、もはやベンシーに抑えられていないフレイネルが、目の前までやってきて、跪いた。


「こんなところでなんだけど、ムーちゃん、俺と結婚してくれ!」


 小箱を開けて指輪を見せる。


「はあ?」


 すっとんきょうな声をあげるボワロン。


「えー?」

「おお!」

「まあ!」

「へえー」


 驚きの声をあげる教員たち。


「きゃ~!」


 歓喜の声をあげるヴィヴィアン。


「ふむ」

「あらあら」

「……」


 状況についていけないミリと、ウェルカムなアルマナ、そして任務に忠実な魔法重騎士4人。


「何をやっとるんじゃこいつら……」

「まあまあ姫様」


 困惑する姫と、笑顔のニルヴァネージュ。


「黒い液体に同情したくなってきた」


 全体が見えてるベンシー。




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