魔石合成は何とか完成しました
トーマスさんは自転車のミニチュアやミニ四駆、プラモを出したらそれに夢中になってレシェルナさんとエフィールさんに没収された、なんてこともあったけど、それを見ていても平和だなと思う位だった
~翌日~
キューリャさんとメニーさんに起されて起きると俺の方を見てそわそわしている二人の子供が視界に入った
あれかな?心当たりと言えばランドロークさん達が昨日言っていた、新しい側使いの子供で、孤児の子供さん達かな?と思って首を傾げつつベッドの淵に腰かけるとキューリャさんが挨拶してきた
「おはようございます、ショージ様。」
そして、キューリャさんに習って同じことを繰り返す二人の幼い子供たち
「「おはよーございます!」」
うわぁ、可愛い、と女性なら喜ばしくなるんだろうし、俺も子供事態嫌いじゃないので当然可愛いと思い笑いながらも挨拶を返した
「おはようございます。偉いねー、いくつなの?」
「5歳です」
恐らく人間なのだろう子供は緑色の髪の毛をショートにしていて、目の色は青い色で、肌は白く、若干切れ長の目だ
絶対大人になったらモテそうな子供だと思った(僻みじゃなく、絶対格好いいんだろうなと思っただけだ、他意はない)
身長は俺と並んだら俺がすっぽり背後に隠れる位で、キューリャさんよりは頭三つ分低め
青いベストを小さい子供用の服の上に着て、何とかいい所のお坊ちゃんに見えるようにしているみたいだ
左の腕から肩の部分に、何やら腕章をつけている
右のズボンのポケットの辺りに小さい短剣が釣ってあって、同じ所にチェーンがついているのが見えた(おそらく魔道具の一つと見た)
「えと、10歳です」
こっちの子はエルフなのだろう、耳がほんの少し尖っていて上を向いている
金髪でさらさらしていそうな髪を後ろで一纏めにしていて、肩に猫の精霊を乗せている
スミレと同じだ…でもスミレより少し、一回り小さい、そして色が青い猫だ
そしてこっちの子は目が二重でたれ目、そして目の色がピンクだった
服はさっきの子と同じく、普通の服装の上にベストを着ているので省略。
『にゃ、これからよろしくおにぇがいしますにゃ』
肩に乗っている、スミレより一回り小さい子猫が俺にそう言ってきた
俺はスミレを呼んで、まだ眠たそうにしているスミレを抱き起し新しいエルフの子供の契約している精霊君に顔合わせさせた
「こっちが俺の契約している子猫の精霊だよ」
『ふにゃ…?にゃんだにゃ?』
「スミレ、この青い子が新しく来た子の精霊さんだって。挨拶して?」
『ニャー…まだ眠いにゃ…くああー…』
うちの子が暢気にあくびをしたら、あくびが映ったのか、青い精霊君もあくびをした
『ふみゃー…ぁう、ごみゃんにゃさいにゃ。つい移っちゃったにゃ』
「マリアが御免なさい、ショージ様」
「ううん、先にあくびしたのスミレだし気にしてないよ。マリアちゃんっていうんだ?」
『にゃい、マリアですニャ。よろしくですにゃ』
同じ子猫の精霊なのに、スミレとはえらい違いで礼儀正しいマリアちゃんだった
スミレは面倒そうに俺の膝の上で丸まり、新しく配属された二人を見ていた
「キューリャさん、この二人が新しく来た子達でいいんですか?」
「はい。こちらの子が、アレフガルドです。」
キューリャさんがそういうと頭を軽く下げて、人間の方の子が一歩だけ前に出た
「アレフガルドです、よろしくお願いします」
「よろしくね」
俺がそういうとまた一歩後ろに下がった
昨日、そうするように教えられたのかな?
「そしてこの子が、マニッシュです」
「マニッシュです、よ、よよろしくお願いします」
「よろしくね。後そんなに畏まらくて良いからね?俺君より年下だし」
「い、いえ、そんなわけには…」
わたわたとして少しだけ焦ったような声でマニッシュ君はおろおろし始めた
そしてつかさずマリアちゃんが落ち着くようにと言うと少しだけましになった
成程、マリアちゃんはマニッシュ君にとってなくてはならない存在になってるんだね
なーんておもいつつも俺はベッドから降りて着替えた
「ショージ様、先日は申し訳ありませんでした、目を放したばかりに…」
うん?と首を傾げてから、あ、そうかキューリャさん俺が寝ちゃったから俺が会計を頼んだのに後悔しているのかと思い当たった
「大丈夫ですよ、そんなに気にしないで下さい」
「…そうはいきません、何か罰をお与えください」
え、と思わず固まった
しかしキューリャさんは真剣な表情そのもので俺が困惑しているがそれだけは譲れないと言いたそうだった
えー…どないせいっちゅうんじゃ…キューリャさん的には罰が欲しいって思うのは仕方ない事なんだろうけど俺はただこればかりは体質なんだし仕方のない自然な事だと思うし、罰を与えなくてもいいと思うんだが…
罰って言われてもなぁ…
「……うー……えーと…ほ、保留で!」
「…わかりました、でも今日中になんらかの罰を言いつけてください。」
「うぇい?!…う…うー…は、はい、わかりましたぁ…」
本当ならわかりたくない位だけれども、罰を言いつけないと納得してくれないと言う事だよな…キューリャさんだもの…ハァ…
朝から少しだけ疲れた気がするまま、新しく来た子たちと共に食堂へと移動した
キューリャさんとメニーさんが新しく来た子達を抱っこして移動するのを見てちょこっとこの屋敷に来たばかりの時ルールウド君に抱っこして貰って移動したことを思い出した
若干恥ずかしいよね、あれ。と思ったのだがここに来る前までそうやって来たのだろうか、割と平然とした表情で二人は受け入れていて大人しく抱っこされていた
ハハハ…うん、そう思うのは俺だけって事ですかね?
まぁ5歳と10歳なら仕方がないのかな?
ご両親と両祖父母の皆さんに挨拶をすると皆が返事を返してくれて、談笑しつつも朝食を食べ、その後両祖父母と共にフロストエルフの里へとキューリャさんとマニッシュ君とアレフガルド君も一緒に移動した
あー、また魔石合成をし続ける日々が始まるお…(ぐったり)
~フロストエルフの里・村長宅前~
レシェルナさん達の里にお邪魔して、闇馬さん達を馬小屋に移動させているフロストエルフたちを見ていると俺が前に影の手で強制バンジーさせたフロストエルフさん達が顔を反らし、顔色を悪くしつつもこっちを見るなと言ってきたので少しだけ前はやりすぎちゃったかな、と反省した
まぁだからと言ってやたらと喧嘩を売っていると思うような態度のフロストエルフさん達には同じことをするんだけどね?
「ショージ、また後でな」
「いつでも息抜きに我が屋敷にくるがいいぞ?焼き菓子をたくさん作って歓迎してやる」
「はい、息抜きしたい時にはお邪魔させてもらいますね」
俺がそう返事をすると満足そうに微笑みを浮かべたメジェストさんとルドルフさんは瞬き一つしている間に竜の姿になり上空の方へとあがっていた
お二人を見送り、闇馬さん達を撫でて回った後、ようやくレシェルナさん達の屋敷がある木の前の扉の方へといった
マニッシュ君がきょろきょろとしている様子で不思議そうに見ている
うん?君もエルフなら似たような環境にいたんじゃないのかい?なんでそんなに不思議そうにしているんだろうか…
【エルフは大樹の幹に大きな穴が開いている所に家を持つ。リスみたいな生活をしている、といった方がピンとくるかもしれないがそれに近い生活をしている。他国に来た人間みたいな感じだと思えばいい】
あー…理解した、文化的に違うのが不思議なのねん
同じエルフなのに、だいぶ違うのかな?
【まぁお前もマジックエルフという種族なんだがな?】
いや俺のは特異体質でコロコロ変わるのが分かり切っているんだし、例外だよ?
元人間だし、ちょっと前まではハーフエルフなんだから、文化も糞もねぇもの。
あ、でも俺文化というならオタク文化なら少しだけ語れー…
【それはいらない】
ですよねーwwうん、わかってたしそれは最初から論外だと思ってたww
俺が一人でそんな事を考えて分ちゃんと会話をしているとアレフガルド君達がフロストエルフの子供たちに囲まれていた
「あ、あのショージ様この子達誰です?」
「新しい俺のお世話してくれる子達だよー?」
「「「「ふーん!」」」」
フロストエルフの子供たちは俺の事を邪険にすることなく俺の魔法に嬉々として興味を持ったり大人達よりずっといいエルフなので俺に懐いてくれたのだ
本当に、いい子達だと思う反面大人のフロストエルフたちが滅茶苦茶俺を睨んだり疎んだりするのが目につく…
俺が土属性の魔法で巨大カプセルを作り出し、カプセルの中に安全ベルト着きの椅子をいくつかつけたお手製カプセルの回転マシーンを見ると大人はギョッとして止めにかかるのに対し子供たちは安全でスリリングだからか嬉々として自分が先と言わんばかりに俺に群がり乗りたい乗りたいといってくる
「順番だよ?」
「「「うん!」」」
俺の魔法で作り出したものなので俺がどう転がしたり動かしたりするのかが完全俺任せなので、フロストエルフの子供たちはワクワク、大人たちはひやひやしながら見てくる
「さぁ、好きなところに乗って、ベルトをちゃんと占めて?」
「「「わーい!」」」
「おれここ!」
「狡―い、私もそこがよかったのに―!」
「早い者勝ちだもんねー!」
「むー!」
ワイワイと子供たちが自分のお気に入りの席に座り、きちんとベルトをする様子を見ながらもちゃんと影縫いで万が一、事故でベルトが外れても大丈夫なようにして保険としておいてからカプセルのふたを閉めてゆっくり動かした
遊園地などの娯楽がないこの里の中で疑似的コーヒーカップ、メリーゴーランド、そしてジェットコースターなどの遊具を俺一人で魔法にて再現している
ちなみにカプセルは影の手でジャグリングする様にしている
「あ、危なくないですか?!」
「大丈夫だよ?安全策は5つ以上取っているし、万が一に備えていくつもフォローできるよう、魔法をストックしているからね」
「「ま…魔法をストック…?」」
「地面は柔らかくしているし、風属性の魔法で速度を落としてあるから景色を余裕で見られる。影の手で衝撃なんて、カプセルの中には行かないし、怪我なんてさせないために光魔法もスタンバイ中。問題ないね」
「「た、多重魔法…」」
暫く…7分位かな?カプセルをいくつか、それでいて全部に気を配り安全に配慮してジャグリングして見せて、子供たちが疲れてきそうなのでジャグリングを止めてあげた
ゆっくり丁寧に卸し、カプセルを開けると子供たちは嬉々として面白かったーとか次はあれやってーだとか言いながら降りてきた
「もっとやってー?」
「次はくるくるーって奴やってー」
「じぇっとこぉすたぁ!やってー!」
「かんらんしゃってやつがいいー」
わいわい、わちゃわちゃと好き勝手言う子供たちに囲まれる
俺は皆に飴玉を上げて、今日はお仕舞、と言って次は一週間後ねと約束してあげた
直に飴玉を片手にして返事をする子もいれば、残念そうに口を尖らせる子供もいて、親だろうフロストエルフさん達に宥められている子もいる
「ふふふ、ショージちゃんはうちの子達にも凄い人気ね」
「そうだね。私たちの里には娯楽が無いからね。」
「「………」」
「ショージ様は魔法の多重展開を平気で行うので、この位で呆けていると後でもっと大変ですよ」
「「……は、はい…」」
キューリャさんから聞き捨てならないような事を言われてしまった気がするが、俺はそこはスルーしてあげるべきだと思いスルーすることにした
子供達にまた一週間後ね、と言ってからいよいよレシェルナさん達のお屋敷に向かった
~村長宅~
レシェルナさんとトーマスさん、そして俺達が大樹のエレベーターに乗り込みお屋敷にいくとアレフガルド君はそわそわしつつも周りを見渡した
可愛い
「どうしたの?」
レシェルナさんがそう尋ねると始めてエレベーターに乗ったらしいことを口にした
まぁそれもそうか、この世界にはそうそうこんな装置が他の所にある訳でないだろうし
俺の世界では日常、何処でもあったから最初異世界なのにあると言う事以外は驚かなかったし、今となってはもう合っても驚かないけれども、こっちの世界の子供、しかも人間にはなかなかお目にかかる機会がないだろうしね
納得しているとマニッシュ君も頷いたのでマニッシュ君も初めてなのだと言う事が分かった
「おっきいまどうぐ!すごくおっきい!」
「そうだねー。」
アレフガルド君はまだ5歳だと言う事だからか、凄く興奮しているのかそわそわしながらもエレベーターをまじまじと見て嬉しそうに両手を動かしていた
…子供がよくやる鳥の動きみたいに手を動かしている姿が、凄く可愛く見えてついつい頭を撫でてしまった
キューリャさんが凄く複雑そうにこっちを見ているんだが、後で怒られないと良いね
ロビーへと移動後、俺とレシェルナさんがさっそく地下の方へ行き魔石合成の準備をする
キューリャさん達と別れてスミレも邪魔にならない様にトーマスさんに預けて魔石合成を始めるのだった
今度こそ、頑張るぞ!
・・・
・・
・
ぬぅああああああああああああああん、もうつっかれったもーんww
いや、ガチで疲れた
やはり上手く出来ない魔石合成に手間取りつつも失敗作を生み出し続ける事、4日目。もう俺の精神はぼどぼどだぁ、と言いたくなるがそのネタを分かってくれるような人はここにはおらず…(分ちゃん除く)俺はひたすらモクモクとレシェルナさんに教わりつつも魔石合成をしていくのだった
「ショージちゃん、休憩しましょう?」
「ぁい…」
俺はぐったりしつつも片づけをしてレシェルナさんと共に上の階のロビーの方へといった
上の階に行くとキューリャさんとマニッシュ君が紅茶と果物を用意してくれていた
さらに、アレフガルド君は俺の好きなお菓子を作ってくれたと言って焼き立てクッキーを出してくれたので皆でおやつにした
「「ショージ様お疲れ様です」」
「うん…」
『おちゅかれさまですにゃ!』
『ショージ、にゃでにゃでするにゃ?!疲れてて顔怖いにゃ』
「…んっ、そんなひどい顔してた?」
『にゃー、してたにゃ。』
頬を両手でぐにぐにと揉んでみるとスミレも同じように両前足でひげのお手入れを出していて可愛かった
少し、ほんの少しだけれども癒された
30分ぐらい休憩して肩の力を抜いてから雑談をしていたのだけれども、キリのいい所で切り上げて再び地下室の方で魔石合成をした
もうすぐ3か月になっちゃうよ…と俺の気ばかりが焦る
だってまだ学園に入学してそんなに通ってないのにこっちに帰ってきてまだこんなことに戸惑って時間ばかり潰して…うぅ、情けない
そりゃ気が焦るのも仕方ないと思いませんか?
そして長い長い時間と労力、魔力をかけてあと一歩でできないというもやもやした思いを抱え失敗作しかできない俺に自分自身がヤキモキするのも仕方がないよね?
ぬぅうあああああああああああ…と、駄々をこねたくなるが、そんな事しない
最初から、魔石合成は難しく、複雑で、俺には手に余りそうだとわかっていた事じゃあないか。それを頼まれたとはいえ、やることになったのだからきちんと出来上がるまでやり遂げなくてはいけない
気合を入れ直して俺はもう何度目かの、魔石合成へと挑むのだった
~数日後~
いつもとは違う魔石の結晶石がきちんと七色に光り、俺の小さい両手で抱えるほどの大きさで、魔石合成の成功を物語っていた
「で…で…できたああああああ!!」
「出来たわね、おめでとうショージちゃん」
レシェルナさんに抱き着かれてもなお俺は自分で作れた魔石の結晶の方が嬉しく思える
やっとのことでできたのだ、それはそうだろう
俺は出来たばかりの魔石結晶体を影の中に入れて影の中で箱に入れて丁寧に保管した
「レシェルナさん…」
「ショージちゃん、よくやったわ」
「教えてくれてありがとうございました」
「ううん、ショージちゃんも諦めずに頑張ったからよ。」
そのまま再び、魔石合成を再開しもう何度も繰り返しやった作業をやりもう一度、魔石合成で大きな魔石を作った
一度できたくらいじゃまぐれ、偶然も同じだから何度かやって手順や魔力量の調整を体に叩きこまないといけない
そして今度は3つも連続して造れたのでもう魔力がカツカツになってしまった
俺はレシェルナさんと共に上の階に行き、休憩することにした
スミレが俺の腕に飛び込んできてのけぞったほかは何もなく、平和にお茶して過ごした
『にゃーにゃんか嬉しい事あったにゃ?』
「うん、ついに魔石合成が成功してね、大きい魔石を創り出す事が出来たんだ」
『にゃにゃ!?すごいにゃ!やったにゃ!!』
『わふ!それはおめでとうだわん!』
『ニャー、ショージは凄いにゃん!にゃふふ!!』
何故か自慢げにスミレが胸を張っているのを眺めながらも疲れをいやして貰った
いやぁ…アニマルセラピーだよ
スミレとマリアちゃんと犬の精霊君とのやり取りを眺めながら俺はクッキーとかを食べて魔力回復に努めた
魔力量が多くなったとはいえ、まだ慣れていないからか無駄に魔力を使ってしまうのだ
1回や3回位で来たと言ってもまだまだ荒い魔石の結晶体だが、これでようやくスタートラインに立つ事が出来て、ホッとした
「ショージ様、おめでとうございます」
「「おめでとうございます!」」
「ありがとう、これでようやく次に進めるよ。」
「「「次?」」」
キューリャさん迄キョトン、とした表情になったけど、そう、まだこれは魔石合成自体が出来る様になっただけなのだ
大きな魔石を創り出せるようになっただけで、ここから加工作業をしやすくするために精製し、その後は使う魔道具…つまりこの場合学園に行き迷宮に再び入り現地で連絡用魔道具にこの魔石を組み込まないといけないのだ
そう思うとスタートラインに立つ迄にけっ躓いていたりしていただけに過ぎないのだ
先は、遠いよ…(遠目)
そのことを言うとキューリャさんが無理をしない程度に頑張ってくれと言ったので頷いた
でももうこれで一つの山場は超えたと思っていいと思う
きつかったし自分が一番もやもやして、気を揉んでいたこの作業からコツを覚えたし、問題ない(と俺は思うし分ちゃんもそう言っていたから問題ないよ)
「後はスルスル―ッと出来るわよ?大丈夫、ササッと覚えられることだから」
「はい」
「今日はもう疲れただろうから、ゆっくり休んで明日、ね?」
「はい」
俺はつい嬉しくなってアルト君達にバンクルで報告した
勿論、バンクルを持っている人たち全員に知らせるワードの“聞いて 聞いて”でメッセージを送ったのだ
だから校長先生や理事長先生、爺にも当然丸々筒抜けであり…嬉々としてお祝いの言葉と共に、早く学園に来て直せという訴えがちらほらみえた
己爺…少しは労えよ
俺はお前らの言うチートじゃないから頑張って習得したというのに!
こんなに苦労したのに『<早く帰ってこい>』じゃねぇよ!
俺の今の家はドラゴニアにある王城の方にある一室だっつーの!
「己爺…」
「ショージ様新人の教育に悪い言葉をお控えください」
「ご、ごめんなさい。うっかり口に出てた…(汗)」
キューリャさんに爺のせいで怒られた
訴訟も辞さない
始めて魔石合成が成功したことでテンションが可笑しいかもしれないが、それだけ嬉しかったんです、勘弁して…
トーマスさんがルドルフさん達にもこのことを知らせてくれたおかげで、エフィールさん達からもメッセージが来て心から喜んでくれたと言う事が伝わって来た
その日はスミレたちとのんびりフルーツを頬張り過ごしたのだった
~一週間後~
はい、学園からドラゴニア王国の王城、そしてフロストエルフの里に着てすでに何か月か経過しておりませう。ざっと数えると大体4か月弱?まぁそんな物かな。うん
精錬する魔法を覚えて、何とか魔石合成してできた巨大な魔石を削って、魔力を入れて使い物になるようにする技術をきちんと兼ね備えた俺は、きょう
学園に戻ります
「ショージ様、参りましょう」
「「お荷物お持ちします!」」
「うん、そうだね。」
マニッシュ君とアレフガルド君、キューリャさんが乗り込む闇馬率いる馬車に乗り込み窓枠から外にいるエフィールさん達に手を振った
「いってきます!」
「「「いってらっしゃい」」」
「体に気を付けるんだぞ、ショージ」
「無理せず、いつでもカガミデンワに接続していいんだからな」
「はーい」
皆の見送りをきちんと受けて、俺は再び学園へと向かったのだった
二度目の見送りだったけれども一度目は気絶していたから、学園へと見送られる時の言葉は初だなー、とか考えながらも学園へ向かう
スミレが先輩風をふかせてマリアに学園の中を案内するんだと張り切り、マリアちゃんはうちのスミレに付き合ってあげているのか、純粋に嬉しいのかスミレの事を尊敬しているようなセリフを口にしているのを、通訳してキューリャさんとアレフガルド君達に聞かせている俺とマニッシュ君だった
だって、馬車の中はヒマだったもので。でもそのおかげで退屈をせずに済んだし、マニッシュ君とアレフガルド君の緊張が解けたかな?と思う、俺なのだった
~学園・入口~
懐かしの学園よ、俺は戻って来たぞ
いや、元ネタは知らないのですが、何となく笑顔動画で何度か米で見かけたから使ってみただけです、叩かないで…
そんなバカみたいなことを思いつつも一人ボケ一人突っ込みをしながらも馬車から降りた
すると
「ショージ君!!おおおおおお、遅かったじゃないかあ!」
「「ひ!?」」
「うぐえ」
えー…何が起こったかと言いますと、理事長先生が俺の真上から落ちてきて俺にぶつかりざま抱き着いてきた、というだけの事です
更に言うならば、俺は3歳児の小さい体で俺よりかなり高身長の理事長先生(大人なのだから当然だ)が、しかも頭上からいきなりの事で、当然受け止めきれるわけがない
結果、俺は理事長先生に潰されました(痛い)
キューリャさんとマニッシュ君に助け起こして貰い、何とか無事に理事長から離れられると理事長の、ただでさえ汚い白衣がボロボロの穴だらけ、焦げ跡だらけの上に土にまみれた物になった
あー…あ、こんなに汚して…(汗)
しかしこの理事長、目がキラキラ(他者からはギラギラ)していることから、こりそうにないと嫌でもわかってしまう
「理事長先生、ショージが戸惑うから急には駄目だと言っておきましたよね」
学園の入り口から出てきたのは懐かしのルールウド君と、やや呆れて声も出ない、という表情の清爽君やナイト君生徒会メンバー達だった
「ルールウド君!」
「ショージ、長い間お疲れ様…で、そこの子達は?父さんが言っていた新しく雇ってみた子達でいいのかな?」
「うん!こっちの子が、アレフガルド君。人間で5歳。」
俺がそう言ってルールウド君の前に連れて行くとアレフガルド君は背筋を伸ばして頭を下げた
「アレフガルドです、ショージ様のお付きになりました、よろしくお願いします!」
「よろしくね。」
「は、はい!」
次に同じくマニッシュ君を前に出して挨拶をさせた
「こっちの子が、マニッシュ君。10歳のエルフで、精霊使い。青くて小さい子猫のマリアちゃんっていう精霊と一緒だよ」
「ま、まにゅっしゅです、よ、よ、よろしくおねがいします!」
『よろしくおにぇがいしますにゃ』
「うん、よろしくね。詳しい話は父さんから聞いているからそんなに緊張しなくていいよ?」
生徒会メンバー達と自己紹介し終わったら理事長先生が俺を抱き上げてきた
あのー…俺は物じゃないのですが、それは…
「ちょ、理事長先生俺は物じゃないんですが?!」
「聞いてくれ!ショージ君!!」
「アッハイ、話聞くから降ろして。」
「うむ!」
無視した形になって悪かったよ、理事長先生…
だからそんな意地になって俺に言いたい事を伝えようと躍起になって半分泣きかけみたいな顔をするのは反則だろ…俺に非があるみたいじゃないですか
俺は理事長先生に降ろして貰った後、理事長先生の言いたい事をきちんと最後まで聞いてあげた
もう…このかまってちゃんな性格の先生は、どうしようもないんだから…。
「ショージ君が学園から帰宅していた間に素晴らしい発明をしたのだよ!」
「ハァ…」
「それがなんと!…んフフフ、なんだと思う?」
「…さぁ?俺には分らないです」
「そうだろう、それはなんとな、この魔道具だ!」
理事長先生は背中にしょっていた箱を見せびらかすように俺の目の前に出した
しかも自分でじゃじゃーん!と口遊んで、どや顔で。
そしてそこからいかにこの箱モノを創り出すのが大変であったかを言い出したので話し半分聞き流し半分で適当に相槌を打ちながらも相手をしてあげた
暫くしたらいつの間にか、校長先生とアルト君達俺のチームメイト(予定)の三人の生徒も来て理事長先生のいつものが始まっていると知って呆れていた
まぁこれは理事長先生の日常だから仕方がないし、慣れれば半分以上話聞いていなくとも大体こう言っておけばいいだろうと相槌を打っていればご機嫌になるので扱い雑だけど良い人だ
「パブリック!パブリック!!」
「この素晴らしい」
「パブリック、予算削減するよ?」
「魔道具があ………予算削減?!…それは、嫌だ…こまる……酷いじゃないか」
「酷いのはどっちじゃ…人のお気に入りの目の前でぺらぺらと…」
「ノブレのだけじゃない、僕もお気に入りなんだけどね?」
「そ、それなら私だって!それにショージ君ならこの素晴らしい魔道具の良さがわかってくれると思って前々から言おう、言おうとしていたのだ!」
あー…えーと、俺を挟んで喧嘩しないでくれ…その一言に過ぎる…
「…理事長先生その魔道具、回路をもっとこう組んでうごかしたらどうですか」
俺が魔道具を見せて貰った時に思ったことを言うと理事長先生は目を輝かせた
「しかしここの回路をいじるとうまくいかないんだ。なぜだろう」
「だから、この部分に手を加えて…」
「ショージ」
「んー?なーに?」
ルールウド君に呼ばれたから理事長先生を待たせておいて、ルールウド君の方に行ったら久々のデコピンを喰らった
「いた?!え、なんで?」
「あのね、魔道具弄ったら時間忘れるでしょう?とりあえず、自分の部屋へ行って荷物片づけてからにしなさい。それに、新人の子達がいるんだからいつまでもこんな所にいたら可哀そうだよ」
「あ」
慌てて振り返ると苦笑したキューリャさんと困惑した二人が荷物を持ったまま立っていて慌てて謝った
三人は気にしないという風に言ってくれたけれども、俺は申し訳なくなってきた
人間の子供、しかも5歳児に気を使われてしまった…とほほ…
「どこか抜けてるんだから…全くもう…。先生たちも、ショージに用があるのは知ってるのでとりあえず場所を移動した方がいいと思いますよ」
「す、済まない…つい」
理事長先生はルールウド君に言われてしょんぼりと落ち込んでしまったが校長と爺はケロッとしているままで怒られちゃった、と気軽な物だった
…反省してそうには見えないし実際にしてないと見た
とりあえず、こうして校門の前で話していても仕方がないので、俺の部屋に行って荷ほどきした後生徒会室に行くことで了承をした




