昇次が目覚めると自分のお世話になっているお屋敷だった
~屋敷にて~
ざり、ざりとなんかくすぐったい様な、それでいて濡れている様な感覚がして何となく覚えがあるような既視感を覚えながらも、目を開けたらスミレが俺の頬を舐めていた
「…ん、なんだよスミレ」
『ふみゃ、やっと起きたにゃ!』
「?やっとって?」
『一日寝たまま起きにゃかったにゃ。心配したにゃ!』
「…あー…一日寝る周期が来てたのか…それは、ごめん…フルーツ上げるから許して?」
『……………違うけど、まぁそれでいいにゃ』
スミレを撫でてぼんやりしている頭を何とか起こしてベッドに腰かけるとレシェルナさんとメジェストさん、エフィールさんが不安そうに俺のベッドを囲むように座っていた
…ちょっとだけ、驚いたけど出かけ先で眠って、そのまま一日起きない子供なんてそりゃ心配するよなとすぐに納得した
「ショージちゃん、大丈夫?」
「は、はい。ご心配をおかけしてすみません」
「「あらあら…」」
「子供を心配するのは当然だろう?親と、祖父母なのだから。謝る必要などどこにもないのだぞ。それでも悪いと思うのならばショージは少し体を鍛えた方がいいな。抱えて帰る時軽すぎて何度か落としていないか心配したぞ」
「あ…俺メジェストさんに抱えられてたの?!うぐああああああああ…恥ずかしい」
俺が顔を隠しつつも悶えると三人の朗らかな笑い声が俺の部屋に満ちた
ぐおお…恥ずかしぬ…女性に抱っこされるとか、恥ずかしくて舌噛んで死ねる…
スミレが呆れたようにニャーと泣き、俺の肩に乗って来た
『ニャー…ミルク出して欲しいにゃ。ショージが倒れた時頑張ったにゃ!ご褒美ほしいにゃよ!フルーツも食べたいにゃ!』
「!わかったよ」
俺がミルクとイチゴを餌皿に入れて床に置くとスミレは嬉々としてミルクを飲み、イチゴをバクバクと食べだした
そんなにがっついて食べるとご飯が食べられなくなるぞ?
『はぐはぐ…!んにゃー、うみゃいにゃー!』
「…全くもう…スミレは食い意地だけは、張ってるんだから…」
俺が呆れているといつもなら分ちゃんが俺に何か文句を言ってくるか合いの手をしてくれるかするのに、変に静かなのに気が付いた
まぁ、分ちゃんだし、と気にせずにおいてスミレの舐めていた頬を布巾で拭ってから魔法で着替えた
「ショージちゃん今日は一日お休みにしましょう。体調管理は大事だものね」
「はい、すみません」
「そうだわ、ショージ。せっかく休みになったならお母さんとお菓子作りしましょう?ショージのいた世界のお菓子も魅力的だけれど、こちらの世界のお菓子もおいしいわよ。作らない?」
「わ、私もご一緒させてもらいたい。ま、孫とともに作るお菓子…憧れていたんだ」
「あらぁ、皆してずるいわ、私も混ぜて貰っちゃお。」
うぉお…あれよあれよという間に俺がエフィールさん達とお菓子を作ることが決定済みになってしまった…
というか俺は料理はしたことがあるけどお菓子作りはそんなにしたことないぞ?
せいぜいクッキーとか、べっ甲飴を作ったりとか、家庭科の授業でちょろっとやった位だし…そんなのにまともなお菓子なんて作れるんだろうか
あ、簡単な物とかあるからそういうのだったら問題なく作れると思うけどね?
まあ楽しそうだからいいけど…黙って置くけど…
俺がそんな事を考えて黙っていると何を作るのかが決まったようなのであれよあれよという間に俺はメジェストさんにベッドから降ろして貰い、一緒に厨房へと行かされることになった
…俺、休みをもらったんだよね?あるぇ??俺に自由は?!
・・・
・・
あれ?分ちゃん?突っ込んでよって思ったけど、なんだか魔法が解除になっていた
あー…一日中寝ている間は、流石の解析魔法でも解除になるのかな?
分ちゃーん、ヘルプミー…と思いながら、分ちゃんを使って≪おこして≫みた
【おはよう】
あー、おはよう分ちゃん
【私に起動音でもつけた方がいいだろうか】
何その変な悩み、と思っていたら旧型の携帯電話が起動するような音を頭の中だけで鳴らされた
てん、てん、てれれれー、みたいな音。
【お前の方が可笑しい気がするが、私だけだろうか】
うっさいわ。分ちゃんがなんだか起きてないみたいだったから起こしてやったのに、酷い良いようじゃあないか!そもそも分ちゃんが起動音とかいうからでしょ
【お、おう】
分ちゃんどったの?具合悪い?
【うむ!】
うむ!
いやうむ、じゃねぇよ!具合悪いんだったら最初からそう言ってくれないかな?わかり辛いわ!一瞬素で返してしまったじゃないか!
【そこまではしらんよ。返事したのは昇次だろ】
ぐぬぬ…そうだけどさ。というか具合如何悪いの
【起きがけで頭働いてない時にボーっとする感じ】
あー…ついさっきの俺じゃん
寝たー、寝すぎたー、みたいな、なんだかだるくなるやつね。分かるわーww
【そんな感じ。起動仕立ては動きが鈍いのよ…】
あっはい
じゃあしばらくそっとしておいてあげるから休んでなよ
【おー…というか魔法を休ませるとかすげーパワーワードww】
あ、ほんとだ…ふふwwもうこれわっかんねぇなww
俺が分ちゃんと脳内で一人漫才をしているとエフィールさんに服を着替えさせられていた
な、何をされたか俺にもわからねぇ、魔法を使って着替えさせるとかエプロンを服の上から着させるとかそんなちゃちな物じゃ断じてねぇ!
厨房について子供用の椅子に上がったと思ったらすでに俺の服が女子用のエプロン付きワンピースに代わっていた!何を言っているのかわからねぇと思うが俺にもわからねぇ!
早着替えとかそんなもん目じゃない位に、見えないスピードであっさりと着替えさせられたので俺には何が起こったのか一瞬分からず、呆けてしまった
【エフィールの特技、早着替えだな】
そんなのしらんがな
恐ろしい物の片鱗を味わったぜ、とポルナレフ状態になったと言いたいだけだから、ネタを潰さないでいただけませんか
【それこそ知るか、だ】
分ちゃんの調子が戻ったようです、よかった、よかった。
ただネタの途中で突っ込み入れないで欲しかったな…
ぼーっと分ちゃんと会話をしているとエフィールさん達があっという間に調理器具を出して、いつでもお菓子作りができるように用意していた
「ショージちゃんまずはプティング作りましょう?」
「ケットシェアは美味しいぞ?簡単だしな!」
「あらあらそう二人して詰め寄らないで上げましょう?先程決めたでしょう、プティングの方が先、二番目にケットシェア、三番目にフォアビァね」
「はーい」
「うむ、そういう手筈だと先程決めたばかりだな!」
そこに俺の意思は一ミリも入っていないのですが…いや、まぁいいけどさ
三人がとても楽しそうだから、そこに俺の意見が入っていなくともそれでいいのだろう
一時間後、厨房の器具をシェフさん達と一緒に片付けているとランドロークさんがそわそわしつつも覗き見ている気配を感じた
…なんでそわそわしつつも覗き見しているんですかね?堂々と見に来ればいいのにね
【まぁいても邪魔にあしらわれるだけなのだから、邪魔にならない程度に見てくるだけなら問題にならないんじゃあないか?】
お、おう…はっきりくっきりと言い切るな、分ちゃん…(呆れ)
レシェルナさん達は気づいているんだろうけど、何にも言わないので結局俺も黙っておくことにした
美味しそうな焼き菓子の匂いがオーブンから漂ってきたのでつい俺もまだかなーとオーブンの前で座り込み、じーっと見ていたらレシェルナさん達がクスクスと笑った
し、仕方ないじゃないか、こういうのはついつい見てしまうんだもの
菓子が焼き上がるまでのこの時間、嫌いじゃない
『ニャー…まだにゃ?』(そわそわ)
「うん、まだだねー」(じーーー)
『ニャー…』(そわそわ)
「…」(わくわく)
チーン!と軽い機械音が鳴り焼き菓子が出来上がった音がした
「ショージちゃん、そこ危ないわよぉ?」
「ショージ、オーブンが開けられないわよ?」
「はーい!ほらスミレこっち」
『にゃーい!』
スミレと共に少し離れてオーブンの中身を覗き込んだ
ふわりと焼き菓子の強くも香しい美味しそうな匂いが室内に漂いよだれが出そうになる
スミレもうっとりとした表情で焼き菓子を見ている
「ふふふ、ショージちゃんもスミレちゃんもそんな顔してよほど待ち遠しいのね」
「もう少しだけ待って粗熱を取りましょうね」
「は、はい」
『にゃーい』
クスクスと忍び笑いをされたので少し恥ずかしいなと思っていたらルドルフさんとランドロークさんが扉からちらちらと姿を見せて声をかけたそうにしていた
…いやそんなことするなら声をかけてくれればいいのにそんなうろうろされても…(汗)
これは、俺が声をかけた方がいいと言う事なのだろうか
「貴方、もう少し待ってくださいな」
「鬱陶しいぞ、二人してそんな所でうだうだするな」
「「うぐぅ!」」
ランドロークさんとルドルフさんはズバッとはっきりと一刀両断でメジェストさんに切り捨てられた(汗)
親子そっくりによろけて、ショックを受けている態度をした
ランドロークさんとルドルフさんは二人して、同じ表情で傷ついている
何だろう、親子ってそこまで似るか?と思う程二人の行動、表情は似ていた
エフィールさん達が苦笑しつつも焼き菓子を冷ましている間に、紅茶を用意しているとランドロークさんが俺を呼んだのでそっちの方へと行ってみた
「?なんですか?」
「体は…いや、具合はどうだ?」
「?大丈夫ですよ?まだちょっと眠いかもですけど」
「何?それは我慢して平気な物なのか?」
「平気ですよぉ?マジックエルフ特有の物だと思いますからぁ。私が直々に、“治療”したんですもの、安心していいわよ」
治療?なんのことだ?
【それより、スミレが構って欲しそうにズボンを引っ掻いているが、止めなくていいのか】
ふぁ、何を?!と足元を見るとスミレが背伸びして俺のズボンを引っ掻いている所だった
『みゃーにゃー、まぁだぁー?ニャー…ミャー…おにゃかすいたにゃー』
こら止めてくれ、ズボンに穴が開くだろ!(汗)
仕方がないので俺はスミレに少し待つようにと言い聞かせてスミレを俺の足元から離して抱き上げた
「スミレ、もう少し待たないと駄目だぞ」
『にゃーい…』
しょんぼりしたスミレを抱っこして、厨房から出した
そしてエフィールさんが俺もロビーで待って居ていいというので一緒にスミレとランドロークさんたちと共にロビーに行き、そこで待つことにした
「ショージ、学園でできた友人の事を話してくれないかね」
「あ、はい」
ルドルフさんにカフィーユ君達の事を質問されたから、沢山話したらそれだけで嬉しそうな表情をして聞いていた
嬉しそうにされても、ルドルフさん達が実際にカフィーユ君達と友人になったわけではないのにそれでもいいのか?
【いいんじゃないの?友人と言えばアルト意外いなかったから、ボッチに友達ができたみたいで微笑ましいのでは?】
一寸、人を寂しい人みたいに言わないでいただけます?!
【wwm9(^Д^)】
お黙り
【 】
そんな事を脳内で雑談しつつも、俺とランドロークさん達がロビーで待って居るとランドロークさんが思い出したように唐突に手を叩いた
「あぁ、そうだ!ショージ、お前の側仕えにお前と同年代の物をもう二人、しかも人間を付けるぞ?」
「え?!あ、はい?え、側仕えって事は、キューリャさんと同じ執事さんって事ですか?」
「うむ…分け合って、孤児となっている子供たちを私の屋敷で雇ってやることになったのだ。そしてその中には魔道具に詳しい子供もいたのでな。お前達三人に2人ずつ増やすことにしたのだ」
「そうなんですか…」
なんか、一気に雇用状況が変わったようだ?
俺の側仕えさんかぁ…うん、キューリャさんだけで十分なんだけどな…
俺、そんなに一人じゃ何もできないように見えるのだろうか
「一人は人間で、一人はエルフだそうだ。人間の方は錬術に明るく、手先が器用でお前とも話が合うだろう。もう一人のエルフは精霊を契約しているそうだ。会ってみるか?」
「…は、はい。」
「じゃあ後で会わせよう。今はキューリャとメニーが他の新たに雇った物達と共に教育中だが、とてもいい子達だぞ。楽しみにしているようにな」
「…は、ハァ…。」
じゃあなんで今言ったんだろうか
あ、思い出したから言っておこう、と思ったのかな?
従者として一緒に行動してくれるみたいだし、仲良くなれるようだと良いな
どんな子達なんだろう、いい子達だと良いな
後俺の魔法や魔道具に過剰に反応しない、何てことも大事なところだなー
皆が過剰反応するって事はそれだけ俺がオーバースペックだと言う事だろうし少し慣れてくれないといけないかな…
「うふふ、新しく来た子たち全員、いい子達みたいですよぉ?」
「中々覚えもいいみたいだぞ」
「新しい子達と仲が良く出来ればいいわね?」
「そ、そうですね」
いつの間にかカートをメニーさんが押しながらやってきて、その後ろに三人が続いてきた
その後はお茶菓子を食べつつ紅茶を飲んでスミレと戯れつつ雑談をしていった
うーん、平和だ
どこかの爺に無茶ぶりされる事も過度な期待されたりしなくて済むしどこかの校長に…って、今改めて思うとやっぱり俺の環境だけ以上に周りの大人が過剰反応しすぎじゃあないですか?…気にするだけ無駄か…今更だしな…ははは(遠目)
スミレと戯れ、作ったばかりの焼き菓子をちぎってスミレにあげると嬉しそうに食べる様子がみられた
その姿を見て和んでいるとスミレが文句言いたそうにチラッと俺を見て、それでも食い意地には負けるのかパクパクと勢いよく頬張った
「美味しそうに食べるねー、スミレ」
『にゃむにゃむ…はぐはぐ…んにゃー』
「ねぇ聞いてる?俺の分とらないでよ?」
『にゃーい。んにゃ、はぐはぐ』
一応わかってると言いたいのかな、これは…。その割には俺の手にするものに齧りついてる気がするんだが、それは…?
【お前がスミレの目の前に食べ物を持っていくからだ】
のぉ?!俺は普通に食べてるだけですけど?!
【スミレはそう思ってないかもしれないだろ。後余り上げすぎるとこの世界の焼き菓子は高濃度の魔祖が含まれているから、精霊には毒になるぞ】
「スミレ、あまり食べすぎるとご飯抜き」
『ふにゃ?!…うにゃー…』
スミレはしょんぼりと肩を落として焼き菓子を食べるのを止めた
よしよし、いい子だ
スミレは少し俺を恨めしそうにジトッとした目で見てから俺の膝上で丸まって拗ねた
重くはないけれども視覚的になんだか重たくなった気がする
スミレのご機嫌を取る為に後で猫じゃらしやネズミのおもちゃ、毛糸玉を出してころがして遊んであげるとそのご機嫌斜めなのも直ったのだけれどもね
俺は今日一日も休みになったのでヒマになったので調合室でエリクシェルなどの薬を作ることにした
せっかくの休みなんだから、有意義に過ごさないと勿体ない気がしたし、何もせずにいても退屈だし、何よりやることが無いので読書もいいけど薬を作っておこう、と思ったのだ
『エリクシェルとにゃに作るにゃ?』
「うーんとね、初級ポーションと解毒剤とーまぁ異常状態解除薬を一通り?」
「あらあらそれなら、またたき草も使わないといけないわよね、採ってこようかしら?」
「大丈夫です、よ…」
自然と会話に混ざってきたから、違和感はなかったがいつのまにか隣にレシェルナさんがいて驚いた
い、何時の間に?!俺は誰にも言っていなかったし、レシェルナさんはメジェストさんとエフィールさん達と一緒にいてなんか雑談とか井戸端会議的な何かをしていたんじゃなかったか?俺が驚いてレシェルナさんの方を見るとレシェルナさんはさも俺の隣にいるのが当然かのようにケロッとした表情でにっこり笑っていた
「あら、どうしたの?」
「な、なんでレシェルナさんここにいたんですか?」
「ふふふ、何となく、ショージちゃんがどうしているのかしら―って思ったから、見に来たのよ?そしたら調合室の扉が開いていたからね、お薬作るのねと思ってねー?」
「あっはい」
うん、そこまではわかった
なんで隣にいるのかも何となく、分かった
俺は結局沢山の薬をレシェルナさんと作ったのだった
レシェルナさんはエフィールさんが呼びに来るまで俺に中級薬の作り方を教えてくれたのでした
・・・
・・
・
数時間後、俺はレシェルナさんに調合を教わって新たに影の中に薬を充実させていると今度はメジェストさんが呼んできて、体術を教えてやると言われた
まぁ剣術が苦手な俺としては体術を教わるのは問題ない
「ほら、ショージまだまだへばるんじゃあないぞ」
「は、はい」
ひい!と悲鳴をあげたくなる様な木刀による突きを見切る練習をした後、メジェストさんの拳を避けてメジェストさんに拳か蹴りを入れる練習をした
俺にとっては特訓だが、メジェストさんにとっては俺と遊んでいる括りなのだろう
とてもいい表情で俺に見えないような拳を俺の耳すれすれの所を殴ったりしながらも滅茶苦茶俺に当てないよう気を付けつつも手加減してくれている
30分、途中で休みながらも避けたりしていたらすっかり汗だくになってしまった
メジェストさん…恐ろし過ぎんよ…
ぐったりとその場で座り込んで呼吸を整えていたらいきなり体がふわっと浮いて驚いた
「ふぁ?!あわわ、何?」
「ショージ、湯を張って貰ったからお父さんと一緒に風呂に入ろう!」
「ランド、私も共に入っていいのだろうな!」
「勿論だ、さぁいこう」
きょ、拒否権を俺に寄越してくれえええ…
俺はランドロークさんとルドルフさんに連れられ、ドナドナされるのだった…
遠くでメジェストさんが文句を言っているのと、レシェルナさんとエフィールさんがそれを宥めている声を聴きながら俺はランドロークさんに担がれ強制的に連れていかれたのだった…あーれー…お助けぇー…
・・・・・・・・・・・・・・・
何が悲しくて成人男性の、しかも筋骨隆々な男性の裸を見たり洗わないといけないんですかね…と思いつつもそれは心の奥深くにしまい込んで、ランドロークさんとルドルフさんの背中を洗ったり頭を洗ったり、逆に洗って貰ったりという、いわゆる“裸の付き合い”をして親子としてサービスをした後共に湯船に浸かり色々と話したり新しく入った子供たちの事を聞いたりした
なんだか、孤児と言ってもこの国の子供と隣の国から来た子もいるらしいことを聞いた
まぁこの国にはそんなに貧困と富豪との差が激しいっていうわけでもないというのは街に行けば否でもわかる
何せ、子供でも古くてボロボロの服を着ている子はいないし、学園ほどではないけれども誰でも学べるので識字率もそんなに悪くない
一般の家庭での幼児たちは教会で保育園みたいなものに通わせていてそこで識字率を上げているし、親には手当、補助金が出るし相談所もあるらしい
ただ、本ばかりは高いため書店で月に一、二度読み聞かせるイベントがあるそうだ
(紙芝居みたいな物なんだろうか…いや、紙芝居屋さんなんて俺見たことないけど)
このドラゴニア王国の領地には全くスラムの子供たちがいない為貧しさから窃盗、強盗などをすることを強いられるような子供たちや大人はいない
隣の国も本来ならそうなのだそうだ
じゃあ孤児になるような原因は、と聞くと親が病気、旅行中の死去、拉致されたせいで生き別れ状態になり身元が判明しない子供たちにとなんとも日本では思いつかないような事だった(病気だって治療すれば大体の物は治るしね)
そして今回は、どうやら拉致監禁されていたのを救ったらしい
凄いな、ランドロークさん
ウィルソンさん達執事さんや家来さん達はなんだか苦労しているようだったけれども親しみを持たれているのは、こういう所なんだろうな…
ルドルフさんも色々と自慢話をしたりして二人の話をたくさん聞いているとメジェストさんが俺達に御構い無しでガラッといきなり扉を開けて早く出る様にとやや悔しそうに顔を歪めつつも言ってバタンッと扉を大きな音を立てて閉めた
ゆ、湯船に浸かっていてよかった…というか、メジェストさんいきなり入ってくるのはどうかと思います…たとえ自分の息子、自分の夫が入っているとはっきりわかっているとしても、女性としていけないと思います
さばさばしているのにも程があると思います
俺の方が、逆に恥ずかしがっているのですが、それは…
ランドロークさん達は少し呆けていたがその後は何にもおかしいことが無かったかのように平然と会話を続けて15分くらい経ってからお風呂から出た
なんというか、慣れているようだった、とだけ言っておく
そしてキューリャさんに合わないまま、今日一日を祖父母の方々やこちらでの両親の皆に構って貰う事であっけなく終えたのだった
なんだかやたらと皆さん俺に構いまくってきてくれたな…悪い気はしなかったけど。
ちなみにトーマスさんは自転車のミニチュアやミニ四駆、プラモを出したらそれに夢中になってレシェルナさんとエフィールさんに没収された、なんてこともあったけど、それを見ていても平和だなと思う位だった




