風紀委員はそんなに駄目なのだろうかね
生徒会のメンバーでいるのはコントロル君と生徒会長さん、遊技君とテンツアー君、そしてキキョウさんだった
なんだこのメンバー…と思いつつもルールウド君とともに部屋にやってくると真っ先に遊技君が俺に飛びついてきた
「ショージさん風紀なんかに入らないでよぉー」
「うわ」
出会い頭に言う事それかよ
飛び掛かってくるのは犬猫だけで十分だぞ
難なく受け止める事が出来ず、よろけた所をキューリャさんに支えて貰ったので倒れることはなかったけれども、俺は飛び込み台じゃあないぞ
遊技君が俺にギューギューと引っ付いて離れそうにないので何事かと困り、ルールウド君に視線を向けると首を振られてしまった為この状態の説明はされなかった
勝手に俺が風紀委員に入る事確定しているような言い方をするのはどうかと思うのですがね?まだ入るとか言ってないのですが。
俺がそう思いつつも苦笑しているとキキョウさんが遊技君を引きはがしてくれた
「ごめんね、ブルローネったらショージ君が風紀委員の使っている教室に連れていかれたっていうのを見てからそわそわしちゃって。」
「あー、そういうキキョウだって校長に文句言ってたのにボクのせいにしてる!」
「私はそこまでじゃない物。」
ぎゃいぎゃいと遊技君とキキョウさんが賑やかな言い争いをしているのを聞き流しながらも俺は何気に遊技君達に必要とされているのかなと思ってじんわりと感激しているとコントロル君が一言 武器が作って貰えなくなるからな、なんて言いだしたので浮かれた気分が一気にしぼんだ
そ、そうだよな…魔導武器を作るって約束しているんだから、そっちの方が気になるよな
べ、べつに?ほ、本気で感動とかしてないし?
そんなに落ち込んでないし?(…ぐすん)
俺がソファーに居心地悪そうに座っている、ルネア君達の方に行くとルネア君達がいなくなったあの後、どうなったのかを聞きに来たのだと言ってくれた
まぁあの後俺寝込んじゃったから不安だったよね、ちょいと無理して門を修復したから魔力限界だったし仕方ないんだけどさ
そう心の中だけで言い訳しつつもルネア君達が帰った後の事をざっくり話した
「え、と言う事はショージ様ご実家の方に行かれてしまうのですか」
「うーん、そうなるかな。正確にはレシェルナさんのいるおばあさまの家に、の方だけど。」
「ちなみに魔石はどんな風になっていたの?」
「あ、実際に見てみる?もってきているよ。」
8階層の連絡魔道具装置の魔石を実際に見せてみるとルネア君達は驚いたのか目を見開いてまじまじと齧られかけている魔石をみていた
まあこんな風にならないように結解張っているはずだったんだけど、なぜだか今回に限ってそれが解除されたのか、壊されたのかは不明だけれども機能していなかったっぽいので仕方ないんじゃないかな…
人的被害ならばその人物に言ってやりたい位だけどね
壊すのは簡単だろうけどこれを直す俺の身にもなれ、この野郎!と。(勿論人的じゃないとしても直すことに変わりないので嫌なんだけどさぁ、ラノベとかだと大概こういうのって人的何かとかが原因だったりして間接的ないしは直接的に困ったことになるじゃないか)
ま、今回は流石にそんなことないよね、明らかに主犯はピュリドラッツっていう毛玉で、毛玉の食事が原因なんだしね
「ショージ君は学園をお休みするんだね」
「そうなるね。入学して早々に、お休みとかもらっても困るんだけどなぁ…。」
「いいじゃない。おばあさんのおうちでお薬沢山作れるんでしょう?」
「いや何するためにおばあさまの家に伺うのかわかっていて言ってる?」
「うん、魔石合成ってやつでしょう?でもショージ君ならきっと簡単に魔石合成を終えてお薬を沢山作って戻って来るんじゃないかなって」
なんだか、アルト君の中では俺=超人になっていないか?
いくら俺でも魔石合成をしたほかに薬剤調合なんて無理だと思うのだが。
そう思いつつもどうしようもなくアルト君の言った通りになりそう、という表情の俺以外の人達が頭を抱えたり困ったような表情になって溜息をつくのをどうにかして欲しい
理事長がいつ帰宅するのかを聞いてきたから知らないと応えておいて(事実何にもわかってないし、レシェルナさんに許可だって貰ってない)勝手ながら鏡電話を使いレシェルナさんに繋げた
数分後忙しいらしくパッとは出なかったけれども犬の精霊がやってきて、鏡に姿を映した
『<わん!ショージくん御用なのかな?>』
『にゃー、そうにゃ!』
真っ先に何故かスミレが答えたが、犬の精霊にレシェルナさんを呼んできて貰えるようにと言ったら了承してくれたのでもうしばらく待つことにした
5分後レシェルナさんが慌てたような足取りでやって来た
よく見ると若干口の周りに赤い何かがついている
…何か食事でもとっていたのだろうか、よくよく見ると口の周りに赤い物以外にも食べかすらしき物がついてすらいる…ここはそっと、見ていなかったふりをしておこうかと思っていたらレシェルナさんを連れてきた犬の精霊がレシェルナさんの足元に行き吠えるように注意してくれた
『<レシェルナ―、お口についてるわん>』
『<え、あ、あら失礼!んー、これでいいかしら>』
『<わんわん!おちたわん>』
仲がいいようで何よりです
俺はその間何にも言わずにスミレを撫でるだけに留めて置いた
レシェルナさんが俺に何も無かったかのように何か用かと聞いてきたから俺がここ数日でマジックエルフになってしまった事とか、とある迷宮に行ったら魔道具が壊れていた事とか、その魔道具の修理に魔石合成が必要な事とかを話すとレシェルナさんが生き生きした表情になって、目を輝かして何かを期待している様な雰囲気になった
「というわけで俺は魔石合成を習いに行きたいのですけれども、マジックエルフという種族は寒暖差に弱いらしいんです」
『<あぁ、分かったわ、何とかしてあげるわね。可哀そうに>』
「…おかげで魔法使いたい放題だし威力も高いので問題ないらしいです」
『<…一応言っておくけれどもマジックエルフと言えども魔法を好きなだけ使いたい放題じゃないわよぉ?マジックエルフは寒暖差にも弱いし、何より狙われやすいわ。血液とか体液を薬に混ぜると効果が上がったりするから生きたまま拉致してエルフとか人間さんに飼われるなんて事もあるわよ、ショージちゃん>』
わぁお、何それ怖い
いや校長先生には聞いてはいたものの、物騒な事を聞くとどうしても、引くよね
俺が思わず引きつるとルールウド君が不安そうに俺を見てきた
そんな表情で見ないでいただけませんか、余計に不安になる…
『<大丈夫?顔色悪いわよ?>』
「レシェルナが脅すからだと思うよ?」
俺が何とも言わないでいるといつの間にか俺達のすぐ後ろにいた校長先生事大叔父さん。
いや校長先生だって俺らを脅かしてたけれどね?
というか本当に、いつの間に来たんだ、校長先生…
「レシェルナ、人間が生きていけるような温度に温めておいてあげてくれるかい?」
『<わかったわ、任せて。調合室や私の家は暖かくしておくわ。道は…私の方では何ともできないわ、我慢できるかしら…>』
「うーん…パブリックに相談してみるよ。」
『<そうね、こっちでも何とかできないか調べるわ。あ、ショージちゃん>』
なんか校長先生とレシェルナさんの間だけで会話が終りそうだなーと思っていたらなんか呼ばれてしまった
何だろと思いつつも返事をするとレシェルナさんの家に行ったらいい物上げると言われてしまったので俺は断った
もう十分だよ…だって、学園入学祝として散々もらったし、不本意ながら校長先生たちのお部屋にはいれる鍵やらおっかないブローチとか貰ったんだから、本当に、本っとうに!要りません。もういいです
「もう十分贈り物貰ったしご褒美も貰ったし要らないです。むしろ貰いすぎて怖いです」
『<あらぁ…おばあちゃん、ショージちゃんに貰って貰えなかったら泣いちゃうわ>』
「泣かせちゃだめだよ、ショージ君」
校長先生、無駄に援護射撃しないで下さい
レシェルナさんが泣きまねをしているのか顔を両手で隠し、口でしくしくといいつつも ちら、ちらと俺を手の間からのぞき見ている
…えーと、これは…俺が悪いの?(混乱)
『<孫に物を送ってあげる事が出来ないなんて悲しいわ…。すんすん>』
「ほら、レシェルナが可哀そうだろう?貰えるものは貰ってあげなきゃ。」
なんだ、この…見え透いた罠感…
しかし、なんだか20代に見えるレシェルナさんにそんな事されると俺が悪い様な気がだんだんしてくる…主に罪悪感的な感じで。
キキョウさんや遊技君なんかから送られる視線が、痛い…
結局、俺が折れて今度レシェルナさんの家に行ったら物を貰う事が確定しました
何が送られる(押し付けられる)のかが、とても怖いです
益々オーバースペックになりそうで。物によってはやはりお断りしたくなるんだろうか…、そうしたら問答無用で影送りだな
贈り物にそんな事をするのは失礼かもしれないが、そこは仕方ないだろう
ただでさえチートとかオーバースペックとか思われているのにこれ以上は勘弁して!
友達バイバイになっちゃう!俺…まだ転生してからそんなに友達出来てないんだからね!
(そこ!寂しい奴とかボッチ乙とか思わない!泣くぞ)
『<明後日、来る?魔石合成のやり方を教える準備があるから、一寸だけかかっちゃうのよね…明後日以降ならいつでもいいわよぉ>』
時間がかかるとは、いったい何だったんだろうか
それはたいして時間がかかっていない、に入るのではなかろうか。
俺はとりあえずレシェルナさんに頷いておいてチラッと横目に校長先生の方を見ると校長先生はにこにこと微笑んでいるだけだった
…これは良いよと言う事なのかな?それとも了承したよ、と言う事なのだろうか
どっちだかわからないまま、とりあえず校長がにこやかにしているので俺は、後は校長に日程を任せようと考えるのを止めた
その後はのんびり雑談してから、後でまた連絡すると言う事で鏡電話を終わりにした
校長先生はそれで用が終ったらしく俺の部屋から出て行った
俺は理事長にどうやって門を直したのか詳しく聞かせろと言われてしつこく迫られたので実践でやれと言われたので分ちゃんにやったことの画像を何枚か絵にして出して貰った
そしたらアルト君達がこんなこと普通出来ないと言われてしまった
なんでやねん、出来るからやったんじゃないか。まぁおかげで魔力切れ起して寝込んだわけだけどね?
平然としていられるわけじゃないんだけどね?
その後はルネア君達と遊技君たち生徒会メンバーに魔術語を教えてもらいながら教本頼りに勉強したり、魔獣の事を学んだり、魔法を習ったり、精霊語を習ったり教本を見ながら過ごした
理事長先生が調合室を借りてくれたのでそこで薬草から抽出作業をしたり、キキョウさん達に教わりながらも初級ポーションに必要な薬草や薬を学んだりした
「ショージ君は退屈じゃない?」
「大丈夫だよ。基本は大事だし復習になるからね。」
「そっか。大事な事だね。このネンネコ草は何に使うの?」
「ネンネコ草はベル芽の実と混ぜると擦り傷や切り傷に聞く薬になるよ?飲むんじゃなく、塗る専用だけど。あと、ネンネコ草とサンリャウ草を混ぜて弱火で2分加熱したら睡眠を1日取らなくても大丈夫になる薬が出来るよ。ただし、使い過ぎは駄目だよ」
ネンネコ草というのは猫の形をした実をつける事からその名前がついている、草で茶色と黄色の二層の双葉の葉を付ける
サンリャウ草は根元が糸のように細くて、1㎝にも満たない様な細さの葉で途中から膨らんでいる赤い色と白い色縞々模様の葉をしている物だ
毒草ではないのだが、なんとも言えない匂いをしていて虫系の魔獣を引き寄せるという特徴を持つ草だ
ベル芽の実はカウベルのベルのような形の実を着ける、根の先から葉までの高さが5㎝しかないような小さな葉だ
その為抽出する際はベル芽の実やベル芽草をかなりの量使わないといけない
まぁ雑草並みに生命力が強い草でもあるので、下手すればそこらへんベル芽草だらけになる、何てこともある位だ
ルネア君がサンリャウ草を出したら嫌そうな顔をしてプイッと顔を背けた事以外は難なく調合して見せて、実際にやらせてみて、しばらく嫌そうな表情をして無言で抗議を受けた
まぁただでさえ匂いがきついのに、嗅覚が優れている獣人族は、つらいだろう
配慮が足りなかったかな、ごめんよ
「ところでショージ君。君はあの幻のエリクシェルの製造方法を知っていると聞いたし、事実大量に持ち合わせているね。」
「…幻って…まぁ、はい。」
そうだよな、まぁレシェルナさんに作り方を教わるまでできると思わなかったけど、結構難しい薬だし、名前すら知らない人(魔族)の多いし…効果が効果だしな
万能薬だし、気絶どころか奇病だって直せるんだもんな(アルト君が身をもって証明済み)
馬鹿みたいに使うようになって、なんだかありがたみがなくなっているんだけどね
【本来ならば一本1グランドから20グランドはするくらい、貴重。ただしそれは材料の手に入りにくさ、工程の多さ、調合師のレベルによって上がり下がりする。】
うへぁ…まぁ言われてみれば確かに、大変だもんな、ローレアとかいう草やドラゴンシェード…そう思うと、俺の場合環境が良かった、その一言に尽きるな
ローレア草はスミレが持ってきてくれたし、ドラゴンシェードと竜胆のしずくもルールウド君達のお屋敷の裏山、しかもそこにはご両親の親がいる山で、いわばお庭状態だった訳だし…さらにそのおばあさま達に俺は調合術習っているわけだし
本当、普通ならここまでできないよな…
まず最初に探す時点でとん挫しそう…スミレが教えてくれたから、そこから薬の材料とか探そうとしたんだから、そういう点では特殊だったな
『ミャーをもっと褒めるにゃ!』
…ちょっと、スミレ、今少し回送中だからシーってしてて。
『ミャ…フルーツ食べさせるにゃ!』
スミレは自分が誉められたと感じるや否やスッと俺の腕に飛び乗りてしてしと俺の頬を叩いておねだりしだした
こんなんだから俺はスミレを可愛がりはするものの誉めたりすることが出来ないんだよなぁ…何だろうね、この残念感
【精霊は契約主に似る…ペットと飼い主が似るのと、同じにな!】
…ちょこっと納得した、訴訟。
【“私”は昇次の魔法、だから訴えることはできない】
ネタにマジレス止めて!
【(`・∀・´)】
くそむかつく顔文字出された…
理事長先生が俺と分ちゃん、スミレが和やかに会話している頃、なんかやたらといきいきしてなんか能書き垂れてます
はい
現実逃避して乗り切ってましたけど、何か?
理事長の言いたい事だけ、要点だけ言うと…エリクシェルの調合を見せて!お願い!
それだけだった
医学や薬剤調合の未来の為とか発展のためとか、新入学生に言う言葉じゃない気がする
知らんがな、と突っ返してやりたい位15分もの間つらつらとなんか言っているのを俺は分ちゃんやスミレとの会話(脳内限定)でやり過ごしたのだ、誰か誉めて。
【誉める要素皆無】
お黙り
【 】
俺は半分も理事長先生の話を聞かずにスミレの首下を撫でてほぼ、ボーッとしながら分ちゃん達との会話をしていたら苦笑交じりでキキョウさんに呼び止められた
何かなと思っていたらキキョウさんが理事長先生の話は長くなりそうだからと言っておいしそうなフルーツ入りジュースをくれた
わーい、美味しそうだなと思っていたらスミレがフルーツだけほしかったのか、コップに前足をかけてちょっかい出してきてこぼすかと思った
勿論フルーツを取りスミレにあげたから何も問題はなかったのだけど、スミレにフルーツ上げるのを控えようかとか思った
キキョウさんに貰ったジュースは美味しかったよ
オレンジジュースみたいな味がしたが、後味がグレープフルーツっぽかった
ジュースを飲み終わってから少しのんびりしつつも理事長先生の話を聞き流し、ルネア君たちと共に教本を読んでいた
「…っというわけで!実証するべきだとおもうのだが!」
「…あ、話し終わりました?」
「うむ!」
「グリーン茶どうぞ」
「うむ…」
理事長先生は俺がグリーン茶を上げると案だけたくさん早口で話していたので喉が渇いたのかと思ってグイッと一気に飲むかと思ったのにちびちびと飲みだした
あれそんなにのどか湧かないのか?
「…要するに、作って見せて欲しい、って事でいいんですよね」
「うむ!」
「ローレア草がないので無理です」
「ローレア草…他に足りないものはないのかね?」
「ローレア草以外は、おばあさま達が持たせてくれたので持ってるんですが、ローレア草だけはスミレに採ってきて貰った物なので、他に変えやストックがないんです。」
スミレに言えばいつでもいいよって言ってくれそうな、頼ってくれていいのよという期待していそうな顔をしてはいるんだけどね?
病気を患っている人がいる訳でもないのでスミレを頼る必要ないかなと思っているんだよね…そうなると、やっぱり作れないよね
「ローレア草ならばプラムクァ君に言えば分けて貰える気がするが」
「ぷー太郎は俺嫌いなので、頼むなら理事長先生が頼んで取ってきてください」
「…プラムクァ君は、態度は大きいが話せる人材だよ、ショージ君。何そんなに毛嫌いすることはないよう思うが…」
「初日に喧嘩売られたんで嫌いなんです。」
「……あぁ、食堂の、あの騒ぎかね?」
なんだ、理事長先生だって知っているじゃないか。ぷー太郎がつっかかってきたから、反撃として鏡電話でレシェルナさんやエルフィールさんを呼び出してうっかり泣かせたこと。
だって俺の事は悪く言ってもいいが、エルフィールさん達の事を悪く言ってきたのは向こうなんだから、仕方ないじゃないか
俺がそう思っているのがまるわかりだったのか、表情に出ていたのかはわからないものの、この場にいた人たち全員が苦笑したり呆れたりしていた
しるか、そんなの。おべっかだって使う気失せて早々に立ち去ったわ!
オコ、じゃなく激おこだわ!
ぷー太郎がいかに優秀であろうが俺は頼ることなんてしない
絶対にしない。それする位ならスミレやほかの人を頼るね!
「あー…一度打ち明けると彼ほど優秀で、薬草を数多く栽培している物はいないとわかるのだが…」
「じゃあ俺はぷー太郎よりも便利になって自分の畑でも貰って温室貰って、沢山栽培すればいいんですね、分かりました校長先生に掛け合います」
「…なんで教員と張り合っているんだね、君は…」
「オーバースペックだの、チートだの言われるのは心外だけど、ぷー太郎に負けるのは嫌なんです。むかつくから」
「…ドラゴニア王子、何とかしたまえ」
「無理です。」
俺は校長先生にお願いしなくちゃぁいけないねーとバンクルにて校長先生に“内緒”というキーワードの方でこっそりと温室や畑を報酬にして欲しいとお願いしたら一つ返事で『畑?いいよー』と言ってくれたのでやったぜと思いついガッツポーズを決めたらルールウド君が俺のバンクルを覗き込んできて大きなため息をついた
「…ショージ…」
「なんだよぅ、いいでしょー?」
「ショージ、め!」
「いで!」
デコピンを喰らいました、まる
テンツァー君が何をしたのかと聞いてきて、ルールウド君が校長先生に畑をお願いしたとばらしてしまった
それ話したら内緒ワード使った意味なくなるんですけれども?!
そして理事長先生に呆れ半分、面白さ半分という目で見られたんですけども?!
というかエリクシェルは作らなくても良いのかい?
俺からあのプー太郎に頼むなんてことは絶対にありえないが、いいのか?
そう思っていたらスミレがいつの間にか俺の肩からいなくなっていたのに気付かなかった
スッと姿を現したスミレが、口にくわえているバスケット状の篭の中に沢山の青々としたローレア草を持って俺の足元へとやって来た
『ショージ、にゃーい。美味しい草、持ってきたにゃん』
おお、ナイススミレ、いい子だ。沢山撫でてやろう
『にゃぁーん、にゃ、にゃう、にゃう!ゴロゴロ…』
スミレは俺が首のあたりを撫でるとゴロゴロ言いつつもコロンと仰向けになりもっとなでろと言わんばかりに気持ちよさそうな声を出した
よーしよしよしいい子だねーとム●五郎さんになった気分で撫でまくった
でもって結局は、スミレがとってきてくれたので材料自体はそろってしまったわけだが、さてどうしようかな
調合する器具や火の精霊さんはいつでも用意できるし…まぁ何回もやっているし
「エリクシェルの作り方をみせればいいんですよね」
「うむ!教えて欲しいのだ」
子供のような、キラキラしている眼で理事長先生が言い張るのを仕方なく横眼で見ながらも調合するのに必要な大きな鍋と瓶、そして色々を用意して貰った
三分じゃ絶対にできないクッキング、はっじまっるよー(遠目)
てれてってって、てれれってって、てってッてってててててて…
…文章だけじゃ伝わらないだろうがテーマ曲は某料理番組ね。
「はーい、じゃあ材料の説明からね。用意するのは大体10瓶分の材料だから、量によって調節してください。竜胆のしずく、4つ。ドラゴンシェード、3つ。これは殻も中身も使うから丸ごとですよ。ローレア草が12枚。蜂蜜、これは400mⅬね。精霊の涙(水溶液)を600cc用意したらOKだよ。」
俺は料理教室の講師になった気分でつらつらとそう言ったら遊技君が手を挙げた
一瞬まだなんもしてない、準備の段階で何が質問したいのかわからなかったためキョトンとしてしまったけど、そのままおろす気がなさそうなので質問を受け付けてみた
「はいなんでしょーか」
「精霊の涙ってどれ?」
「この透明の水溶液の事だよ。」
俺は小さい、ペットボトルのような入れ物に入れてある精霊の涙を持ち上げてみせた
キラリと乱反射している精霊の涙はそんなに入れなくてもいいように思えるがこれが大事だったりするのだ
遊技君は不思議そうに精霊の涙を見て何が入っているのかと聞いてきた
精霊の涙の内容はスピリットと呼ばれる木の実(俺の世界のお酒やその他に多様な物とは一切関係ないぞ)とそのスピリットの葉を磨り潰して煮詰めた物をまたたき草の液で薄めて、越してゴミや余分な物を取り除いただけの物だ
材料が手に入れば簡単に作れるんだが、スピリットという木の実と葉っぱは、精霊の国にしかない物らしいので、集めるのは大変らしい
「精霊の涙は精霊の国にしかない特殊な植物を使い水溶液にするとできる薬だな」
「へー。あ、スミレちゃんって言ったっけ、契約している精霊ちゃんに頼んだの?」
「それもそうだけど、レシェルナさんが精霊と会話ができるエルフさんなんだ。だから、精霊の国にある木の実とか植物を大量に持っているんだ。レシェルナさん先生っぽいし、生徒さんと薬を作る為に確保してあるんじゃないかな?」
「へー。」
出鼻をくじかれつつも、その後は三分じゃ終わらないクッキング再開してサクサク作って見せた
据え置き、はないので鍋のすげ替え、~時間を置いたものがこちらです、とか、~分もかき混ぜつつも過熱したのがこちらです、なんていう物はなく。時間が経過しないといけない物はそのまま火の精霊達に頼んで温度を保ったままにして放置しておいてお茶にしたり休憩を取ったりした
余談かもしれないが、マジックエルフになったせいでもあるのか、加熱時にくらくらするのが早くなった気がする…うーん、これは大変かもしれない…
確かに一々加熱するたび、こうなっては種族変更を早くしたいと思えてしまうのかもしれないなぁ、なんて思いつつも氷を頭に乗せて冷やした
ま、こればかりは仕方ないから精霊さんたちに指示したり、周りのルールウド君達にお願いしてやって貰う、何てこともできるんだけどね?
でもって俺はエリクシェルを10瓶分と少し作り終えたら理事長先生や一緒に作っていたルネア君達(なんかやりたいって言ってきたから材料を渡したら参加した)が片手鍋一杯になったエリクシェルを見てすごく嬉しそうにしていた
「ねぇ、これ本当に、効果ある?僕達が作った物でも?」
「あると思うよ。ちょっとまってて。」
俺は少し考えて分ちゃんにルネア君達が作った方のエリクシェルの鑑定を頼んだ
【エリクシェル(ルネア産 レア度7)取扱説明書;常温保存可能】
【エリクシェル 成分分析書;竜胆のしずく、ドラゴンシード、ローレア草、蜂蜜、精霊の涙】
【備考;成分分析要らなくね?】
分ちゃん、色々と面倒になったからって酷くない?あとそういうのは俺の頭の中だけにしなさい、ルネア君達が戸惑っているでしょ!
あ、ちなみに他の人たちの作ったエリクシェルのレア度は以下の通りでした。
【エリクシェル(カフィーユ産 レア度8)】
【エリクシェル(アルト産 レア度8)】
【エリクシェル(パブリック産 レア度10)】
【エリクシェル(キキョウ産 レア度9)】
リ、理事長より俺の方がレア度高い…だと、と思ったが俺作り慣れているから高いんだった…とすぐに思い出したのでいいって事にした
というか俺4年かけてレア度12なのに、理事長この場で、しかも即興で教えたのにすでにレア度が10だよ?流石錬術好きなだけあるよね。
あとなにげにキキョウさんの作ったエリクシェル、こしているわけでもないのに出来がいいんですが、日頃薬でも調合しているんだろうか…
「レア度高いね」
「ちゃんとできている証拠だよ」
「こ、これ、骨折でも治せます?」
ルネア君は心配性だなぁ…自分で調合したからかな?エリクシェルで俺が怪我を直している所見せたことないからかな?(魔法で直せるしね)
ルネア君の手元の紙に分ちゃんが新たに文字を変化させて安心させた
【問題なく、治療できる。それどころか、ある程度の病気、怪我、なんでも治せる】
「これ、兄さんに送ってもいいかな?」
「うん、いいよ。だって自分で作ったんだから、自分の好きにしていいよ?」
「!!ありがとう!」
アルト君は嬉々として小瓶が空かない様にコルク栓をしっかりしてポケットからリボンを出して結んだ
可愛らしい小瓶になったなーと思っているとそれを大事そうにアルト君がポケットにしまうのを見てそのままじゃきっと割れるな、と思ったので篭か何か入れ物がないかなと影の中を探してあげた
そしたらちょうどいい箱があったので出したらキキョウさん達が驚いた表情になった
うん?なんぞ?俺が出したのは普通の箱だぜ?何がそんなに驚く必要が、なんて思っていたら遊技君の一言でなぜ動揺したのかが分かった
「昇次さんが…普通の箱を出し、た?」
「おい」
君らは俺をなんだと思っていたんだい?
遊技君後で屋上に来ようか(怒)というかなぜ箱出しただけでここまで言われるんだ
不満に思いつつも他に誰も何も言われないと思っていたが…




