↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
84/335

校長先生はとてもお茶目です(白目)

これは…技術のレベルが上がったとみていいのかな?


【その通り。ちなみに調合と薬剤はこの“薬剤調合術”となっている項目に一括りにされているが、共に一般の医者は低め。】

へー、そうなんだ、と俺が思っているとぷー太郎が震えながらステータスの紙をぐしゃりと握りつぶした

おいこらプー太郎なにしてくれとんのじゃ


「なんだこれは…!“中距離テリトリー”の技術称号は魔法と中間物理的攻撃がそれぞれそれなりに高い精度でできないと獲得できない筈の称号だぞ!?」

「知るか。ルールウド君お代わり!」

「…う、うん。はい」


ルールウド君は俺にマクスェルさんから桃みたいなメロンみたいな、甘みのある凄く汁の多い美味しいフルーツをくれた

美味しいけど汁で手がべたべただ

スプーンですくって食べていたのに、汁がついてしまう

手を奇麗に洗って、ベタベタしていた物を布巾で拭ってから口の周りも奇麗にした

美味しいけど汁が多いから凍らせてかき氷にしたい位だったな…

汚れちゃうのが難点なフルーツだった


俺がそんな事をしているとぷー太郎からステータスの紙を受け取ったシェンフ君たち生徒会メンバー数人がなんか納得したような、呆れている様な表情をしていた


「ショージ君、中位技術を三つ獲得しているんだね」

「注意技術ってなに?」

「…注意喚起の注意じゃないぞ」

「??」


聞いたことない言葉に思わず首を傾げたがコントロル君がやや大きめな溜息をついた

なんだよぉ、そんな事も知らないのかと言いたそうだな

中位技術とはなんぞや、と思う物の分ちゃんがウィンドウで教えてくれたのでいいです


【中位技術はとりあえず分かりやすくいうなら慣れてきてそこそこの物が作れるようになった状態だ。所詮手慰み状態だったのに、少しは他人にあげてもいいレベルになった位のものだ】

成程、慣れてきたって事ねー、と納得していたらシェンフ君が丁寧に説明してくれた

シェンフ君良い人だなぁ…魔法封じは怖いけど


「中級技術の事だよ。習ったばかりの技術を繰り返しやっていくと慣れてくるでしょう?そんな感じで上達した感じかな」

「あー…」


シェンフ君に教わったらぷー太郎が鼻で笑ってきたのでまた影の手を使ってぶん投げてやろうかと思った

しかし校長先生がぷー太郎の額にデコピンをしたことで気が済んだ


「こらこら、今はショージ君を挑発して遊んでいる暇はないんだぞ」

「ぅ、すみません、校長…。」

「ショージ君にレシェルナの所に行って魔石合成を習ってきて貰わないといけないかな…。迷宮の緊急連絡魔道具の修理もして貰わないといざという時大変だから…。」


俺異世界に来たというのに過労死しそうなんですけど

俺が嫌そうな顔をしたからか、校長先生が困った表情をした

そんな顔をされても嫌な物は嫌ですよ


「ショージ、そんな顔しないの。」

「俺は一生徒なのに便利屋扱いされてない?」

「それ相応の金額を支払うよ?」

「ほら、校長先生もこういっているんだからさ。」

「だって俺できるかどうかなんてわからないし」

「出来ると思うけど不安になるのも仕方ないよね。」


何故か変なところで頷かれてしまった

まぁ不安、というのもあるけれども一番は面倒臭いと言う事なんだよな

なんか自分的に“やりたい”とか“やらなくちゃ”という気持ちにならない、というか…。

いや、帰りのゲートを直そうと思った時の様な熱がないというか…なんというか…

やる気にならないのだよ、と思っていると校長先生は条件をさらに出してきた


「報酬に精霊石を2粒つけよう」

『やるにゃ!』


俺が渋っていたらいつの間にか餌皿を空にしてミルクを飲んでいたスミレが顔をがばっと上げて即反応をした

いや、そこで何でスミレが返事するんだよ

それと、スミレは今猫の姿だからわからないと思うぞ


『ニャ…』


くるんとスミレが人間姿になって勝手に校長先生に受ける!といってしまった

嫌だからそれを決めるのは俺であってスミレじゃない


「この子はスミレちゃん、かな?」

『にゃ!そうにゃ!』

「君の契約主のショージ君の説得をお願いしていいかな。」

『任せろニャ!ショージ、頑張るにゃ!』

「…うーん…」


俺的にはどうしてもひかれるものがなぁ…


『ショージが頑張ったらミャーをもふもふなでなでさせてやるにゃ!』


スミレの中で俺はどういう風になっているんだよ…

それじゃとてもじゃないがひかれないぞ…


『だめにゃ?』

「俺魔石合成は出来ないよ。魔道具の修復とはわけが違うし、何よりあれは精密な作業がいりそうだったし…」

「かといって、今の学園周辺でその手の技術者はいないし、レシェルナはこの学園に呼ぶ事が出来ないんだ。フロストエルフは暑さに弱くてこの学園にくると火傷を負ってしまうんだ。気候が肌に合わないんだろうね。だから生徒であるショージ君が出来るならレシェルナに技術を習って貰って緊急魔道具を直して貰いたいんだよね…。プラムクァも魔石合成は専門外だというし…。困ったなぁ。」


うん、俺がわがまま言っているだけだからね、困らせているのは自覚している

でも!魔道具修復だけならいいのに魔石合成なんて高度な事したくないでござる!

いやだ いやだ、俺は便利屋じゃないんだぞ

何でもかんでも俺に頼るなと駄々をこねたくなってしまう


『ショージ、精霊の国にある本一冊上げるにゃよ』


ピクリッと反応してしまった

つい、条件反射と言っても差し支えない位に、スミレが言った言葉に反応してしまった


「…本?」

『そうにゃ。精霊達の国にも本屋はあるにゃ。全部精霊語にゃけど』

「……精霊の…どんなのがあるの」

『にゃ?…色々にゃ!りょーりの本とか、精霊のお薬の本とか~…精霊の世界にしかにゃいフルーツにゃんかも載ってるのもあるにゃ。』


…見、見たい、かもしれない

あー…でもなー…と俺が反応しているとルールウド君が追い打ちをかけてきた


「ショージ、魔石合成したら書店でご褒美として好きなのを買ってあげるよー?」

「…う~…ハァ…わかった!本10冊で手を打つ!」

『にゃ、やったにゃ!ショージ精霊語でも読めるにゃん?』

「読む。できればなんかのレシピ本希望!料理とか薬とか」

『じゃああとで上げるにゃー。』

「クッソぉ…楽しみ過ぎる…悔しい…」


俺は結局根負けして本を10冊で請け負う事になりました

無茶だ、魔石合成は流石に俺には手に余ると自己判断していたにも拘らず、受けてしまったのだ…知識欲には勝てなかったよ


「あぁ、よかった。引き受けてくれるんだね」

「精霊の本には勝てなかった…ま、いいや。それで、俺はレシェルナさんのいるエルフの里に行った方がいいんですか?」

「けど、君マジックエルフだよね。気候的に厳しいんじゃないかな?」


…校長先生は何?俺のやる気を引き出しといて(無理やり)落としだしたよ?

どうしたいの…このエルフさん…と、俺が半目でつい校長先生をジトーッとみた

しかし校長先生はにこにこしてポンと手を叩いていい事を思いついたという表情で、なんかとんでもない事を言い出した


「そこで、ショージ君の作った例のカガミデンワとやらでこの学園にいながら魔石合成したらどうかなって思うのだけど」

「却下です。習うならその場でフォローを入れられる人物がいるか、または確実に失敗しても直ぐに対処ができる設備がある所じゃないとやれません。これは絶対です。」

「むぅ…たしかに。仕方ない、魔石合成を習いにレシェルナの所へ行くか…」


俺がそうきっぱりと断ったら今回は校長先生が折れた

未知の技術、と言っても過言ではない複雑で緻密なあの魔石合成を俺が初めてで失敗しない確率なんて、分ちゃんのフォローを入れたとしても100%ない

これは俺の気持ち的に、だから実際は分ちゃんがフォローしてくれたりしてもうちょっとマシになるだろうけれども、だからと言って一人で初めての魔石合成をやりたくない


校長先生は少し嫌そうだけれどもレシェルナさんに怒られるのが嫌だなぁ、的な感じだ

別に怒られると決まったわけではないだろうに、少しだけ眉を寄せた校長先生だった


「暫くは迷宮やダンジョンを立ち入り制限して、確実に倒せる、対処が出来る程度の迷宮、ダンジョンにしか生徒たちを行かせないようにしないといけないね。緊急連絡魔道具が故障していないか、点検もしないと…。プラムクァ君、パブリック、二人共各迷宮の緊急連絡魔道具をお願いするね。」

「私は戦力にならないので誰かいないと困るが…点検ぐらいなら、任せるのだ」

「はい」


ぷー太郎が生き生きと返事をする横で自信なさそうに理事長先生も頷いた

そういうのは校長先生の部屋でやれよ

俺の部屋でやることじゃないだろうよという言葉が喉から出かかってきたけれどもぐっとこらえた


「あぁそうそう。話しは若干変わるのだけれどもね?」

「?」

「ショージ君に二つの緊急対応して貰ったから、これをお礼として渡したくてね。」


校長先生はお礼だと言って、執事さんに俺に抱えている物を差し出すよう指示をした

執事さんが布に包んだものが入っているバスケットを差し出した

取り出していいというのでバスケットから取り出したのは小ぶりの、俺の片手に収まるような四角い小さい物だ


それと布に包まれている果物だ

美味しそう…と思っていたらスミレが俺の近くに来て背伸びをして覗こうとしている


『にゃにー?それ美味しそうにゃ匂いするにゃ!』

「…フルーツと、四角いなんかが入っているよ」

『フルーツにゃ!食べたいにゃ!』

「まてまてまて、まて!」


ルールウド君がくすりと笑ったけれどもスミレは背伸びして俺の手からバスケットを取ろうと必死なので俺も必死に阻止した

バスケットを俺の今、伸びできる精一杯の伸びて届かないようにした

しかしそのかいもなくスミレは少し下がって勢いをつけて飛びつき、俺が慌ててバランスを取っている間にシュパッと掠め取るように俺の手からバスケットを奪い取った


「いで!スミレぇ…」

『にゃっふー!フルーツにゃー!』


俺が転んでそのままお尻を打って痛いのを我慢しているとキューリャさんが起き上がらせてくれた

ググ…スミレ、後で覚えていろよ…

スミレはバスケットを俺から奪い取った後、ポイッと包みやバスケットを放り投げた

更に校長先生が俺にとくれたはずの小さい布に包まれたモノや数枚の金貨が落ちた


「スミレ、今日ご飯なし」

『ふにゃ?!』


ビクッとスミレがバスケットの中のフルーツを食べていた手を止めた

俺はそのままスミレが落としたバスケットに入っていた中身をベッドの方に移動させた

スミレはしょんぼりしながらもバスケットに入っていたフルーツ、ザクロみたいなフルーツで中身をプチプチととっては口に運んで食べている

おいスミレせめて、食べるのをやめてからしょんぼりしなさい!


俺は絶対に、今日はもうご飯なしにしようと決めた

校長先生に貰った小さい布に包まれている物を出してみるとなんだかキラキラしている、かなり小さめの青紫色をしたネクタイピンの大きさ位のブローチと、細長い何か紐の先に薄く小さい装飾の付いている物だった

・・・?


「なにこれ」

「……校長先生、これ…」


俺が手のひらにコロコロと転がせるくらい小さいブローチと紐を見るとぷー太郎が驚き口を大きく開けて呆けて生徒会メンバー達は驚愕し、若干引いている

…??なんぞこれ

そんなに驚くものなのか?


【紐上のものは校長先生、教頭先生、理事長先生の私的部屋へのフリーパス。扉にかざせばそれがカギの代わりで勝手に入る事ができる。さらにどの特別教室にも入る事が出来る。例;生徒会室、理事長のお気に入りの塔とかにも入る事が出来る。さらに小さいブローチみたいなものは制服の襟に着ける物で、特別待遇生徒であり学業免除…勉強しなくてもいい、むしろ教える側だという証だ。しかも昇次が貰った今回の物はその特別待遇のかなり上位の物。これを付けて職員室に入ると面白い位嫉妬と驚愕と羨望の目で見られることから嫉妬の宝寿とつけられている。】


一言いうならそんなもん、何も知らない生徒に寄越すんじゃない!


「いらないですこんな怖い物。」

「いらないと言われても困るなぁ。私は一度君にあげた物なんだから。」

「返す」

「返品不可、だよ?」


俺がバスケットの中に布に包んでそのまま校長先生に返そうとすると逃げるように俺から離れたり、執事さんの背後に回り込んだりして絶対にバスケットを受け取ろうとしない校長先生…


こ、この人…やり方がせこい上に意地でも自分の意見曲げない人(エルフ)だな!

っくそ!子供同士の追いかけっこ状態で、執事さんやほかの人の背後に回ったり人を柱の様に一周したりしてうろちょろと逃げるのをやめてくれませんかねぇ(怒)

【ただ単に昇次が遊ばれているだけだ】

ですよね!知ってた!くそったれぇ!(泣)

暫く弄ばれたあと、校長先生はにこにこしながら返されようとしないことを告げた


「それに、それはご褒美なんだから受け取って貰わないと私がレシェルナやランドローク様に怒られてしまうではないか。」

「「?」」


なんでここでルールウド君のお父さんでドラゴンパパさんの名前が出てくるんだ?と思っていたらルールウド君も俺と同じタイミングで首を傾げていた


「ルドルフ様からもくれぐれもよろしくと言われているし…。」

「えっと、なんでそこで父とおじい様や、おばあ様のお名前が?」

「ショージ君の迷宮での活躍を報告しなくちゃいけなかったから、報告したら褒美として校内で自由に勉強していい権限とか与えろといわれてね。好きなだけ錬術出来る様にしてやってとレシェルナやルドルフ様に言われたら私としては断れないし。」


俺はその場でカーペットに膝を付けて崩れ落ちた

だあああああああああああもおおおおおおお!

そういうの望んでないんですうううううう!

過剰な期待止めてえええええええ…過剰な報酬もやめてええええええ(泣き)


俺が頭を抱えるとルールウド君が大きなため息をついてから立ち上がるように言ってきた


「私としては可愛い、大甥の一人だしまぁこの二つ位だったらいいかな、と思って褒美としてあげたのだけど。本当はルドルフ様からはもっと色々つけて欲しいと言われていたしレシェルナからはショージ君に丸まる一室、研究部屋をと言われていたのだけどそれは流石に無理だと説き伏せたんだからね」


皆のご厚意という名の…愛情というか…なんと言いますか…

うん、愛が重い…です


「孫が可愛いんだろうねー。ルールウド君の時も同じように過剰なくらいに、ランドローク様やルドルフ様に色々と褒美を上げるよう言われていたのだけれども…」

「え、僕もですか?!」

「うん。ほら、君にノブレから渡して貰っているはずの、特別個人図書室。あれ、ルールウド君用にってわざわざ二日で作ったんだよ」

「…………………………」


そんなの作って貰っているほどの事をしたのでしょうか、と思わなくもないが思わず一言いうならば・・・


“職権乱用”しまくっているじゃないか、この学園ッ!!!!!

身内贔屓よくない!


「これ返す」

「駄目―。」


俺が校長先生の方に再びバスケットを押し付けようとしたら校長先生は再びにげた

くっそう!こんな怖い、重い愛情なんか受け取れるかってんだ!

しかし、そのまま校長先生はやはり受け取ることが無かった

くそったれ…この校長、やり方が爺以上だ


「ショージ、フルーツスミレちゃんに全部食べられちゃうよ」

「スミレ、おやつも無し!」

『にゃにゃ!?にゃん…にゃー、みゃー、ショージ、ごめんにゃさぁい、にゃぁーん』


スミレは急いで子猫の姿になった後俺にすり寄り、可愛らしく子猫のように鳴いて見せた

それで許される俺じゃないぜ、スミレ、と思って ふんっ!と腕を組んでプイッとそっぽを向いて俺怒っていますとアピールした


スミレは俺の足元に擦り寄った後すりすりと足に体を擦りつけて許して欲しそうににゃーにゃーと憐れみを引きたそうに鳴いた

そ、そんな事しても可愛いと思わないんだからな!

おやつも無しなのは変わらないんだからね!


『み~…』


だめったらだ、だm


『ふみゃーん…にゃー…』


だm


『みゃ~、ごみぇんにゃさいにゃ~』


……………


くっそう!可愛い!

あぁそうさ、負けたさ!

うちの子のあざと可愛さに負けました


俺の足に可愛らしく擦り寄り、更に困った猫を演じてズボンを軽く引っ掻き何度も鳴いてそれでも駄目だとわかったのか俺のよく出す魔法のおもちゃ、ネズミのおもちゃとリモコンを咥えてニャーと鳴いて、首を傾げてきた


それにノックアウトされました


もう!もう!!

遊んで、と言いたそうなスミレに可愛いとしか言いようがないのですよ!

もう!わかったよ!


でも量は減らすからな!


『ニャーン、ショージ、大好きにゃー!』


うぐぐ…スミレは嬉しそうに俺の手を舐めたりしてかわい子ぶっている

クッソ可愛いので許すしかない


結局俺はスミレを抱きかかえて目一杯撫でまわしておいた

可愛いんだから仕方ない

校長からもらった(押し付けられた)紐とブローチは影送りにして事なきを得た


残りの金貨はざっと数えると3ユルドと5リルドだった

両方とも、500円玉くらいの大きさの金貨と銀貨なのでぱっと見全部同じかと思ったけどよく見たら全然違ったのでひえっとなった


えーと日本円でざっと…30万と5千円…です

わーい、お金持ちだぁ…でも気分的には小金持ち。じゃらじゃらしてて煩そう

お金はすぐさま5リルドだけキューリャさんに持っててもらって、残りの3ユルドは影にしまい込んだ


まぁ、お金はいくらあっても困らない、いいね


子供に対して持たせていい金額じゃないと思うんだ、3ユルドって。

30万とか…高校生にだって持たせちゃダメな金額だと思う…

あ、バイトとかお金持ちで金銭感覚しっかりしている子はOKです、お兄さん的に考えて

少なくとも、7歳は駄目だと思うな―…(遠目)


「ショージ、5リルドだけ分けたけど、どうするの?」

「そっちだけ使うの。ちょっと多いけど個人的にお小遣いで使っていいかなって。」

「?欲しい物があるの?」

「うん。」


うん、と返事はしたものの、今は特にないのだけれどね

何かちょこっとほしい物が出てきた時用に、キューリャさんに預けておいただけだし

あー、でも俺早速薬作る為の素材とか市販の薬とかかって分ちゃんに分析して貰って作り方を教わりながら作るっていうのもありだなとか思い始めているよ


いけない

お金がいざあるとやはり欲が…我慢、我慢


『ショージ、そのピカピカのでフルーツと交換できるにゃ?』

「…あぁ、銀貨のこと?そうだよ。」

『にゃ、沢山買って欲しいにゃん!』

「だめだよ。スミレはフルーツ全部食べようとする…」

『はんぶんだけ、にゃ!にゃーん、にゃぁぁーんおにぇがいにゃー』


こ…こいつ

さっき俺が許したことを学習していやがる

あざとい!10点!

でも今回はやらないと決めたので無視しよう

可愛くても駄目だ


スミレの誘惑(?)に耐えつつも3ユルドを校長先生に銀行に入れたいというとすぐに了承して、手続きをしてくれるよう言ってくれた

そういえば俺はまだ、受付に連れて行って貰っていないので、カギとなる物も預ける場所もまだ知らないのだ

まだ持っておくよう言われたので理事長からもらった(押し付けられた)あの大金と今回校長先生からもらった(押し付けられた)金額を持ったままなのだ


なんであの後すぐに口座やらを澄ませておかなかったのかちょこっとだけ後悔するも、そういえばあの時すぐに錬術を教えてあげていたので口座についてのもろもろの手続きは全て校長先生に色々と任せておいて、そのままになっていたのを思い出した


「銀行の口座は出来ているから案内できるよ。」

「あー、そういえば作るだけやって貰っておいてそのままでしたね。」

「うん。ダーディ君に合わせたり、迷宮に行って異常事態発生したりしていて忙しかったからね。今から銀行の事をやってしまうかい?」

「はい、そうします」


こういうのは忘れるとずるずると今回みたいに引きづるからね

忘れていたし…校長先生、忙しいだろうにこんなこと任せっぱなしにしてその後すっかり忘れたりなんかしてごめんなさい


俺が着替えて制服に着替えてから校長先生に連れられるままキューリャさんと共にエレベーターに乗り、3階位窓の明かりを通り過ぎる

エレベーターを降りて、左側の廊下を少し歩くと赤い扉があり入ると、外国の映画とかで見かけるパブ、飲み屋、そんな感じのカウンターがあるだけの自由席に見えるようなカウンターの向こうに人がいて、そのカウンターにいすがいくつか対面で置いてあるだけのシンプルな場所が広がっていた


カウンターの奥には本棚と、色とりどりの水晶、そして小さい小物が入りそうな小さい棚?箱?靴箱?みたいなのがある

本棚には沢山の紙の束が縛られ束ねられている

凄い数、山のように紙の束が積まれている


俺は校長先生に言われるがままカウンター席に座り、腕の腕章が赤い色に銀色の刺繍でなんか知らない花の刺繍されている男性の前に座った


「いらっしゃいませ、校長先生。この方はどなたでしょう」

「やぁ、リャウドラック。彼が例の新一年生でショージ君だよ。新たに口座を作って貰ったよね、彼に鍵を上げたいんだ」

「畏まりました。こちらがカギになります」


そう言って男性は眼鏡をかけて二枚の書類を出してきた

そしてさらに書類の他に透明に透き通っている水晶石を出した

…尖っていて石そのもの、って感じの物だ

どないせいというんだ?と思いつつ大人しくしていた


「この書類にはね、ざっくり簡単に言うと違反行為をしたり他人を害しそうなことをしたら口座を凍結させることもあるよーっていう事と、何か学園内でいい事して報酬を貰ったりしたらここに振り込まれるって事と、この、赤い腕章をしている人たちに話しかけると残高が確認できるようになっている事と、月々3リルこの口座から手数料として取られるって事かな。あ、あと鍵をなくしたら違約金として12リルド払う事になるから気を付けてね。」


利用規約みたいな物だろうか

まぁ校長先生の要約してくれたものは何一つ問題ない事なのでいいとして、パスワードとか作らなくていいのだろうか

そういうのがないと、本人確認とかしづらくはないのだろうか


【魔力波長を登録するから問題ない。他人を使って金をとってきて貰う場合大体執事や専用執事、もしくは本人の魔力をしみこませたものを持たせれば問題なくお金を引き出せる。】

あ、はい、そういえばここ異世界だもん、魔力がカギになるよね

【うむ、当然ながら、魔力は人間もエルフも流れて入るからな。微弱でもこれ―銀行口座登録―は登録できる。】


そういう事ですか、成程ね

便利ですね、異世界

【銀行のおおまかなシステムは昇次のいた世界からきた転生者が考えたものだからな】

ふんふん、その人に感謝ですな


「大体そんな所なんだけれども、それでいいかい?」

「問題ないです。というかお金多すぎて一刻も早く預けたいので」

「ははは、今後の事もあるのに今からそんな調子で大丈夫なのかい」

「?今後?」

「ふふふ」


校長先生は何も言わずに、にこにこと笑うだけだった

よくわからんが、大したことないのかな?

その後は契約書にサインし水晶石に魔力を流し込み、魔力波長を登録した後に多様な水晶石の欠片がはまっている指輪を渡された

魔力を流した水晶石と対になっているらしく、その指輪が銀行の鍵なんだそうだ


指輪を受け取ったあと、きらりと指輪のトップの水晶が若干黄色に輝いた気がした

その後はキューリャさんも俺の方の銀行に従者さんとして登録した

そのついでに、校長に言われるままとりあえずでもう一つの口座を作っておいた

これは複数人用の口座で、チーム用の銀行口座

ブローチ状態になっている口座のカギだった


「後でチームメイトの方をこちら受付へと連れて来ていただければ個人口座とのリンクさせることや人数を後から増やす登録もできます。今はただのブローチですが、チームメイトの皆様と共に居らっしゃったときに登録しなおし、口座のカギとなります。指輪同様なくさないようお気を付けください」


ホウホウ…ちょこっと特殊だけれども、そんなに複雑じゃないな

チームメイトは一度決めると早々変えることが無いから問題ないだろう

問題なく手続きを済ませてとりあえずチームメイトのリーダーとして俺が登録しておいた

後でルネア君やアルト君達を連れて来て口座を登録して貰おう

俺が書類にサインをして、契約書を男性に返すと男性の隣にいつの間にかいた、女性職員やエルフっぽい人とか腕章をつけている人たちがズラッと俺に注目をしていた


「な、なんですか?」


俺が思わず引きながらも数歩下がりたくなるのは仕方がないと思う

実際には下がらなかったけれども、俺は引いた

だって滅茶苦茶興味ありそうな目でこっちを見てくるんだもの…引くわ


「…あ、貴方は光属性に適性を持っておられる、とかお聞きしました」

「何でもバガモールの迷宮に行って5階層のエリアボスをお倒しになられたとか!」

「更に理事長先生や校長先生の猛アピールを受けているとかお聞きしました」

「サインください」

「握手して貰っていいですか、後サインもお願いします」


おい最後とその前の、言ったのはどいつだ

待て何なんだこの人たち…

何なの、この光景は…


俺がわが目を疑っているとわざとらしい咳をして俺の前にいる男性職員さんが他の人達を黙らせてくれた


「コホン!君たち、少し失礼ですよ?」

「…はい、すみませんでした主任」


あ、この男性が主任さんだったんだ

道理で校長先生がニコニコしていて、俺の事を知っているような口ぶりだと思った

男性は眼鏡をかけているし主任さんらしいので眼鏡主任さん(仮)と呼ぼう

【ネーミングセンスが壊滅的】

やかましいわ、お黙り分ちゃん


「ショージ・ドラゴニア様よろしければ当学園中銀行口座をお使いになられる時は私に一声おかけして頂けたら幸いです。」


苦笑しながらも眼鏡主任さん(仮)は俺に何かを書いて渡してきた

よく見てみるとそれは主任さんの名前だった

うわぁ諫めておきながらこの主任さんあざといぞ?

名刺を渡されたなうww

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。