三分錬術、初級編はっじまっるよー
遊技君の方を見てから戦闘スタイルを教えてもらうとあっさり弓だと応えた
え、俺と同じなの?中距離タイプなの?
なかーま!イエーイ!
「え、弓なの」
「と言っても僕の場合クロスボウだよ」
「そんなの、もっと早く言ってくれれば俺すぐに作れたのに!」
「クロスボウって言っても、ボクの戦闘スタイルはさぁちょっと特殊なんだー」
「?」
俺が首を傾げると矢の代わりに、魔法を打ち出すのだと言った
…成程、魔法を打ち出すのか
「例えるならねー、矢を作って貰って、ボクが代わりに打ち出してあげる、みたいな感じ」
「ややこしい事してるねー。」
「あのね、魔法をポコポコ違う属性で使える昇次さんと比べたらだめだよ」
「…俺がチートか何かのように言わないでもらえないかな」
遊技君は何も言わないけれども不満です、と書かれているような表情でむすっとした
うーんそんなややこしいことしなくていいような物…
「あぁ、じゃあ遊技君には俺の作ったクロスボウと似たような物でいいかな」
「えー、それ魔導武器?」
「クロスボウ自体は魔法で作った物だけど、それを魔導武器で作り直してあげるよ」
「どういう事?」
「俺の魔法で作ったクロスボウの性能をそのまま魔導武器として新たに作るクロスボウに移してあげる。後面白い機能をつけてあげるね」
「期待半分、恐怖半分…」
何それ、と思ったら遊技君の言った言葉にその場にいた生徒会メンバーがうん、うんと頷いていた
何納得しているんでしょうかねぇ
ルネア君が恐る恐るといった表情で俺に聞いてきた
「面白い機能って何ですか?」
「クロスボウはねぇ、こういう形でしょう?」
俺がクロスボウを作り出すと、他の人には驚かれたけれども遊技君は頷いた
「これだと手がふさがるし、何より一回撃ったら次に矢を装填するに時間がかかる」
「そう…ですね」
「だから、このクロスボウを…」
俺は籠手を取り出し、クロスボウと組み合わせて見せた
籠手とクロスボウを出してから一体化させて見せると皆目を見開いて驚いた
「こうしちゃえ。」
「反動考えて!?こんな事したら腕痛めるよ!?」
「魔道具に常識なんざいらねぇ、これおやっさんの言葉ね」
「駄目だこの師弟…まぁいいや、それでどうする気なの?」
クロスボウの上の部分、矢を打ち出すところだけが籠手とくっついているように見える見た目と、トリガーの部分が完全に消え失せたように見える物だからか、遊技君はすぐに否定しだしたけども、次第に遊技君はややあきらめ気味で大きい溜息をついてから気持ちを切り替えたように聞いてきたけれどもなんだか不満そうだった
「反動無効、更に抵抗無効、重量軽減の魔術語組み合わせれば問題ないよ?」
「…さらっととんでもない事言うけど…それらを耐えきれるような金属探すの大変だからね?わかってる?しかも魔石も二個じゃ足りないよね」
「金属は俺が出したものと組み合わせればできるよ。」
俺がそういうと皆なんか呆れたような、もう何も言うまい、みたいな雰囲気をしていた
・・・? 何か問題でもあったのだろうか
まぁいいや
「まぁ手が空くのは助かるかもね。で、どんな面白いことする気なの?」
「うん、無属性の魔力を他の属性の魔力に変換して最大3つの魔法を打ち出せるように」
「あの…ボクそんなに魔力量ないからね?」
「え」
「…昇次さんみたいにバカスカ打てるような魔力量、ないからね!」
なん・・・だと・・・?
「え、遊技君はどのくらいの魔力量なの」
「…1700だけど」
「なぁんだ、だったら大丈夫だよ。だってこれ思いついたときの俺より多いじゃない。俺がクロスボウ作ったときなんて、魔力量410だったもん。使う魔力はたったの15だから問題ないよ?魔導武器に無理やりするから多少前後するだろうけど素材や魔術語で何とかしてあげるからだいじょうぶだよ」
俺が胸を張ってドン、と自分の胸を叩いて見せたら何故か遊技君の顔はより曇った
なんでそんな反応になるんだろうか、それがわからない
「色んな意味で、不安しか感じない」
「レア度は諦めてね?」
「覚悟しとくよ、うんと高くなるって。」
なぜ?俺としては遊技君の武器は俺が作った魔法の武器を参考にして作る分、レア度は低くなるかも知れない、という意味で諦めてねといったのになぁ
なぜに“高くなっても驚かない”なんだ?
なにゆえ?
「…???」
「うーん…まぁ、昇次さんに任せるよ。魔導武器は製作者に任せるに限るよ。せめて僕に扱えるようにお願いしますよー?」
「?うん任せて!」
俺がそういうと不安そうな顔をされた
そんな顔をしなくてもいい武器を作るよ!
親方を鏡電話で呼んでいい武器を作り上げてあげるよ!!
俺が意気込んでいるとアルト君が不思議そうな顔をして質問してきた
「ショージ君糸の魔導武器ってどう作るつもりなの?」
「まずはソルシエ君の戦闘スタイルを見て、それからどういう機能がいいのかを考えるよ。」
「…手袋って言ってたよね」
「うん、手袋には変わらないよ?手袋の指の辺りに、糸が出る様に仕組みを作っていくつもり。ただソルシエ君の戦い方によっては変えるけどね。指先から糸が出た方がいいのか、指の付け根辺りから出した方がいいのか、それとも違う方がいいのか考えて、実際に作ってから試しに使って貰って完成形を突き詰めたいからいくつか試作しなきゃ。」
だからこそ色々と材料をいるんだけど、今回はソルシエ君達がとってきてくれると言ってくれたからねだりたい放題だね
試したい組み合わせとか魔石とかいくつかおじゃんにしても問題ないよね
「しょ、職人みたいだね」
「妥協したらただのごみだしね。特に魔導武器は、その人その人に合わせてその人がいかに使いこなして貰えるかだからね、おやっさんもそう言ってた!」
「オーダーメイドだね」
「うん。色んな武器を作るのも技術向上するからいいっておやっさんも言ってくれたし!」
「そうなんだね」
うん、と頷いておいてアルト君達に武器造ってあげる時もうんッとこだわるからねと言ったら一言加減して作って、と言われてしまった
加減なんかして作ったらただのごみにしかならないよ?
そもそも命を預ける武器をなあなあで適当に作った物で守ってどうするの
いざという時頼りにできないじゃない
というかそんな中途半端なのを友人に送ったりするなんて俺が許せないね!
俺の考えていることが素直に顔に出ていたのか、アルト君達に苦笑されてしまった
そしてレア度低めで扱いやすい物なら何でもいいと言われてしまった
むぅ、難しいことを言ってくれるぜ…
「レア度4まででお願いします」
「お、おう…」
俺がそういうと三人は少しほっとした表情になった
けど出来上がった物のレア度なんてわからないじゃあないか
分ちゃんに頼るか…
なーんて事を考えていたら鐘が鳴ったので爺と校長先生はそれぞれ仕事と、迷宮やダンジョンに行く手続き?をしにいった
爺が何のアピールなのか俺に魔導武器の素材を集めてくるからなと俺に言いまくってた
…あ、ハイとしか言えないし、何のアピール何ですかね?
そしてソルシエ君がめっちゃ張り切っているのか、やたらと嬉しそうにしていた
徹底的に糸とか集めてくる、とかある意味困る気がするんだが…
まぁ張り切ってるのを邪魔する気はないけどさ
「ショージ様、錬術教えてください」
「授業の代わりにお願いしまーす」
「わくわくするね!」
うん、君たちも楽しそうで何よりだね
俺なんかが教えていいのか、わからないけれども理事長先生が監督する、というのだし、初級編の教本を元に教えればいいのだからいいんだよね、きっと
ていうか俺も教わる側なのでは…?一応生徒なんですけどねぇ…
「ま、いいか。錬術の最初にすることはねー」
俺が教本を開いてから、初心者向けの調合をすることになった
教本にある最初の錬術は、ただの金塊(鉄の塊でも可)と、宝石の原石を一つの魔法鍋へといれて指輪にすることだ
「はい、じゃあ見ててね」
「「「はい」」」
じーっとみている三人にそこまでよく見なくてもいいのになんて思いつつも魔法鍋へと金属の塊、水溶液、それから原石の順番で入れていった
そしてそのまま魔力を入れてグルグルとかき混ぜる
すると・・・
数分で、鍋からポンポンと音がして、次にカラコロという固そうな音がした
「で、取り出すと…」
なんと、宝石付きの指輪のでっきあっがりー!
「手順は簡単。まず魔法鍋を起動させるために魔力を少し流そう。」
「「「はーい!」」」
何この素直な子達
幼稚園児を導いている先生か、俺は…
まぁ新入生だし、素直にしているのが一番だよね!
…俺も、新入生なんだけどなぁ…
理事長先生も一緒になって三人に教えたけれども、こんな初級の、しかも手順、手数も少ない物、間違いようがないんだけどなぁ
数分後それぞれが指輪を造れたので嬉しそうにした
その次の実習で布と糸、それと紐を魔法鍋へ入れて今度は普通の袋を作る
今度は先程より入れる物が多いから二回に分けて魔力を入れる
ただ違いといえばそれだけで、水溶液も布製品を作る時用の水溶液に変化するだけだから、簡単に、5分もすれば出来上がる物だ
「錬術は基本的にどういう物を作りたいかを考えて、それの材料を鍋へといれて魔力を籠めるだけでいいからね」
「成程。この水溶液は?」
「うん、水溶液はね布性の物ならば赤い蓋の物を入れて、金属ならさっき入れた緑の蓋の物、そんで青色の蓋の物は液体の物を作るとき入れる。でピンク色のはね皮製品を作りたい時に入れる物だよ。」
なるほどーと納得してくれたらしく次は革製品を作るよーと言ったら皆してピンクの蓋の水溶液を手に取った
うん、さっそく使うからそのままで合ってるよ
簡単な物として固い革、布、糸、金属の塊を取り出した
「次はね、革の鞄を作るよ。」
「「「はーい!」」」
魔法の鍋にまず革、ピンクの蓋の水溶液を2滴、糸、布、緑の蓋の水溶液3滴、金属の塊を入れて魔力を入れる
その後もう一度革を入れ、ピンクの水溶液を2滴入れて出来上がり
先程までよりずっと複雑な入れ方になったけれどもここまでできて初心者マークがとれるのだ
そんなに複雑じゃないからまだいいけど、初心者向けでもここまで簡単な物は他にないと思う位、他の物は熱したり冷やしたり混ぜたり爆発させたりする工程が出てくるからね
これ位あっさりと出来て覚えるくらいじゃないとね
「できた!」
「うん、簡単だね」
「初級編だから仕方ないね」
「出来たねー」
よしよし出来た物は、普通の鞄だけれども革製品の丈夫そうなものだ
手提げ鞄だが、ボストンバックタイプの鞄だ
「じゃぁ次はね、俺が課題を出すからそれを自分達だけで作ってみよう!」
「はーい!」
「ドキドキするね」
「う、うん!」
さっきまでの応用だから問題ないよ
初心者にいきなり複雑なもの作れとは言わないさ
「じゃあね、ネックレスを作ってください。」
俺がそういうと三人はうんうんと悩みながらも金属の塊と、宝石の原石を持ち出した
うん、そこまでは合ってるよ、問題はその次だよね?どうするのかな?
「えーと、指輪だったら金属の塊と、緑の蓋の水溶液を1滴、だったよね」
「うん」
俺がにこにこしていると三人してうんうん唸り、時折相談しながら水溶液を二滴いれた
うーん、おしい、そうしちゃうと出来上がるのは・・・
「あ、あれれ、なんだか…」
「あれ、ペンダントじゃない」
「ネックレスでもないよ?」
理事長先生と俺は苦笑しつつもアドバイスをしないで、見守っているだけにした
出来上がったのは、指輪でもない、かといって俺が作って、といったネックレスでもない
出来上がったのは鎖状の輪っかが目立つ、ただの金属の腕輪だ
宝石の原石は見事に溶け切り、宝石の部分だけがコロンとなべ底に落ちている
「残念でしたー」
「「…失敗だね」」
「うーん、何が悪かったんだろう」
カフィーユ君は唸りながら、もう一度金属の塊を手で転がした
はっはっは、でも考え方は間違ってはいないよ?
金属の塊と宝石の原石、水溶液だけの組み合わせで作ること自体は間違ってない
ヒントはそのまま答えになっちゃうから、俺は教えられないけど頑張ればすぐにわかるよ
「何事も試すと良いよ。例えば、原石の方を増やす、とかね」
ちょ、理事長先生それ略答えに近い!駄目だよ教えちゃ!
まぁいいけどね
ノーヒントはとても難しいかもしれないしね
「やってみます」
「原石の方を増やすんなら水溶液の方はそのままでいいのかな」
「増やすの?うーん?」
錬術はね、トライ&エラー繰り返すものだよ
簡単だし、やってみた方が楽しいよ、なんてニヨニヨしながら見守る俺だった
数分後、ルネア君の鍋には宝石の沢山ついた指輪がコロン、と転がっていて、アルト君の鍋には金属の棒状の物が転がっていて、カフィーユ君の鍋には空き缶が転がっていた
はっはっは、見事に失敗作だね
実はカフィーユ君が惜しかったんだよね
作り方的には惜しいし、材料的にはアルト君が惜しかったんだよね
二人を足して作れば当たりだったんだ
「うー…どうすればいいんですか?」
「あはは、考え方は合ってるよ?ヒント上げるとカフィーユ君とアルト君は近かったよ?」
「「近かった…?」」
二人して顔を見合わせるとお互いにどうやって棒や空き缶を作ったのかを言い合った
うんうん、その調子 その調子!!
―5分後―
「「できた!」」
「で、できました!」
三人に鍋にはちゃんと鉄のチェーンネックレスに宝石が一つついている物が入っていた
「よくできました!正解だよ!」
俺が拍手をすると理事長先生もウサギの縫いぐるみの両手を持ち上げて叩いて拍手している仕草をした
・・・理事長先生、それはどうだろう
可愛いうさぎで誤魔化そうとしている、気でいるのかな?でもそれ逆効果じゃないかな
若干ルネア君が引いているぞ?いいのかそれで…
「まさか、金属の塊が3つで、水溶液が1滴で魔力多めにしたらできるなんて」
「うん、一寸した応用編でした!」
ルネア君とアルト君がワイワイ言っているけど出来た物はただのネックレスだぞ
まだまだ初心者の技術応用編1だからね?
油断してたら失敗するぞ?
「次の課題はねー袋の応用で、ロングコートを作ってみましょー。コートは服の中で一番楽、一番わかりやすい物だよ。袋とほぼおんなじ物で作れるし、ボタンなしでいいから今回はただの長い服を作ろうね」
「ふ、袋の応用で服…」
「さっきのと同じ感じなら勝手に完成品で物が鍋の中に出来るんじゃないかな」
「うん」
少し話し合って三人は布を1m、糸2束、水溶液(赤)、紐をもった
うん、材料自体は袋と同じだからそれでもかまわないよ
ただし、材料の量が違うんだなぁ(にっこり)
魔法鍋をグルグルかき回せる事数回、失敗作を作り出すこと3回
アルト君達が唸って品を変え、更に魔力量も変えたりして失敗すること二回
そして出来たのは魔法鍋の底にできたのは3着のロングコート!
そして鐘もなった
「出来たねー」
「うん」
「ちょこっとさっきよりのネックレスよりも難しかったね」
「そうだね、手順も材料も多くなったからちょっと難易度が上がった感じかなー」
袋の応用、服の出来上がりーってね
まぁちょいと手順が増えた、しかも魔力少々増えてってだけだから手当たり次第にやりゃ当たるでしょうねぇ
材料の量がやや多すぎただけが、ちょこっと問題かなと思ったけどそれ以外は問題ないよ
ばっちり成功だよ、やったね三人とも
服が錬成出来る様になったら次はいよいよあれかな?
教本にも載っている、初級編の次のステップに進めるって事でいいのかな
「次は何しよっかー」
「教本を見ながら薬調合なんてどうだい?」
「そうですねー、じゃあそうしましょう!」
「うむ!では場所を移動しないといけないな」
あー、そこな!本当にそれな!
授業中じゃないと良いけど…
「理事長先生、許可を取って貰ってもいいですか」
「うむ、任せた前!ただ許可が取れそうにないなら私の研究棟に行けばすぐに調合許可をとることができるぞ?」
…確かにそれはそうだけどさぁ
そしたら絶対に俺理事長先生ひいきになるじゃん!
俺はそれでいいかもしれないけどルネア君達がどう思うかわからないんだからね!?…などと思いつつも、部屋が空いてなかったらお願いしますねー、と無難に言っておいただけに留めた
ハァ…どうなることやら
・・・
・・
・
結局その日、その時間はどこの授業もやっていないと言う事で調合室が借りられまして、あっさりと理事長先生と俺により授業もどきをして、その後は読書したり、馬に乗ったりして無事に過ごした
カフィーユ君達と授業代わりに色々とやった後、夕方の鐘の音がなったので別れてまた明日ねと挨拶し合って、アルト君以外が自室に戻るのを見送った後のんびりくつろいでいた
生徒会メンバーがその後しばらくしてから、ボロボロになった姿で俺の部屋を訪ねてきた以外は何もなかったけど…己、爺…!
家のお兄様に何さらしてくれとんじゃぼけぇ…
すぐに俺が光魔法で全員治療してあげたから何ともなかったけどあの爺にはきつっく!言っておいてもらわにゃいけないと改めて思った
校長先生に直談判するしかないか…?
生徒会メンバー全員ボロボロになっていた、といったけれどもこれでも軽度の方で、ソルシエ君にあげた剣が役に立ったらしい
なんでも、治癒効果が大変役に立ったとかで凄く生徒会長さんと直感さんに感謝された
清爽君にも感謝されたので役に立って何よりだと思った
本来なら役に立たない方がいいのだろうけどね?
コントロル君が腹が減ったと言うから態々ダンジョン帰りに俺の部屋へと来たらしい
自分の部屋行けよ…もしくは食堂行けよ
俺の部屋は食堂でも飯所でもないんだけどなぁ
「和食くいてぇ!昇次~飯―!」
「俺は飯所じゃねぇ」
「まぁまぁかてぇこというなよ!ダンジョンで取れた植物やるからさぁ!」
「ん…どんなの?」
こうしてあっさり俺もつられるのだった…
植物に罪はないですし…お寿司…
コントロル君が持ってきた植物はスキューチョという植物で種を磨り潰せば筋弛緩剤となる薬効を持つ植物だった(らしい)
ただ数が少なくて、たったの3本…
「3本だけかい」
「馬鹿言うなよ、俺らが言ったのはダンジョンだぜ?ダンジョンには植物は少ないし、薬効のある物っていうのはもっと少ないっての!」
「貴重なんだな、へ~」
「人がせっかく探し回ったってのにそれだけかよ」
「それっぽっちだと薬も錬術にも使えねぇもん」
そういうとがっくりと肩を落としたコントロル君だったが俺は事実を言ったまでだ
3本なんてどないせいというんじゃ…
「ま、いいやありがとう。後で培養して使うよ。」
「おー、そうしてくれ」
ややぐったり疲れているようだったから俺は少し考える
まぁ苦労して採ってきてくれたみたいだから、なんか労ってやるか
「生姜焼き定食と焼き鮭定食、海鮮丼定食どれがいい?」
「ど…どうしたそんないきなり」
なんかすごく戸惑ってコントロル君がギョッとした表情で目を見開いたが遊技君は挙手して海鮮丼定食を選んだ
結局生徒会メンバーに沢山の定食を作ってあげた
「「『うま!』」」
「『美味しい…っ!!』」
そりゃよかったね
定食を食べ終わった生徒会メンバーに、俺はデザートで杏仁豆腐を出してあげた
というか俺が食いたくなったから出した
「おいしー、でもってデザート付きとか嬉しすぎ!」
「いや俺が食いたかったからね…」
ちなみにデザートは結構ですと清爽君とナイト君が言うので断った子には飲み物を好きなのだしてあげるよと言ったら皆して好き勝手言いだした
コーヒーや紅茶をだしてあげたよ
何故か遊技君やデザートを食べた子達も飲み物も頼んできたけどね
なんでやねん…
ルールウド君もぐったり疲れてたから否定も拒否もできなかったみたいだ
美味しい、と言ってお味噌汁飲んでたけど。
「ねーショージ、この白いの何?」
「杏仁豆腐というデザートだよ。俺たちの世界の、俺たちのいた国とは違う他国のデザートで、柔らかくて冷やして食べるんだ」
「たべてみたい…魔祖入ってる?」
「うん。たべてみる?」
ルールウド君が杏仁豆腐を初実食したら羽が嬉しそうに動いた
気に入ってくれたようで何よりです
「あ、そうそう、果物作ってあげなくちゃね」
「わーい、今回はリンゴがいいな」
「リンゴね、いいわよ」
キキョウさんにリンゴを4つも貰いました
後で拗ねちゃったスミレにも上げたいからとっとこ。
シャキシャキしてて美味しいリンゴでした
「あー…明日も潜んのかねぇ」
「多分そうだと思うよ?教頭先生が納得いってなさそうな反応だったから…。」
「うげぇ…」
コントロル君がうげ、と舌を出して嫌そうな顔をしていた
心なしかシェンフ君達も嫌そうだった
「大変だね」
「そう…だね。原因ショージだけどね」
「え、なんで?」
俺は今日大人しくしてたよ?
比較的無茶もしてないよ?変な事…ルールウド君の魔導武器を作っただけだよ?
後バンクルを教えたり、皆で作ったりしただけじゃん
「教頭先生が…ソルシエ先輩やコントロル先輩の武器に使うであろう素材を徹底的に採るぞって張り切ってるんだ…作る所を見たいから、って。」
「……………………なんかごめん」
俺が悪いみたいで、思わず謝ってしまった
そしたらソルシエ君が俺は悪くないよと言ってくれたけれども、その言葉には力が籠っていなかった
よほど疲れたんだろうな…
なんだかかわいそうになってきた
「いい素材で、いい魔導武器、作って貰う、その為なら、仕方ない」
「まぁそこなんだよなー。魔導武器って本当に手に入らねぇから材料手に入れば作るっていわれりゃ仕方ねぇ、みたいなのはあるよなー」
「ん。むしろ、昇次、破格。お勧め。」
「いやお勧めされても困るんだけど…」
いや、ほんと、俺ただでさえオーバースペックだのチートだのと言われてて悲しい
俺はそこまでじゃないと思っているし、俺よか俺に教えてくれている人たちが容赦なく色々と叩きこむ方が規格外なだけだと言い張りたいです…
まぁその教えて貰った技術を俺がホイホイポンポンと使って色々と見せるのもよくないのかもしれないけどね
微々たるものだと思うのですよ
だって何とかしてほしい物がある、困っている人を何とかできちゃう技術を持っている俺が解決してあげるとかそんな程度の事ですよ?
うーん…ま、いいや
色々と原因俺じゃねーと言っても皆して俺が原因だというのだし
色々と面倒だしごちゃごちゃ考えたって今更だしねー
「いい素材集まったら、武器、作って。期待、してる」
「そうだね、俺も作るの頑張るかな」
「頑張らなくていいから!ショージが頑張るととんでもなくレア度が高くなる!!」
「程々でいいよショージ君!」
ルールウド君とシェンフ君に否定されてしまった
それも、精いっぱい首を横に振られた
そんな力一杯に振らなくてもいいのにね?
「こんなにボロボロになって迄探してるんだから、俺も頑張るよ?」
「いい!いいから!!頑張らなくていい!」
「えー?」
俺とルールウド君がそんなことを言い合っているとスミレがスッと何処からかやってきて俺の所まで来たと思ったらニャーと一鳴きして抱っこをせがんできた
抱き上げてあげつつカリカリを出してあげるとお腹が空いていたとみてすぐさまカリカリを食べだした
ミルクも出してあげると時折カリカリを食べるのを止めてミルクを飲みつつ食べだすと言うがっついている食べ方をしていた
よっぽどお腹が空いたんだね、スミレ
「そこになんかいるのか?」
「ん、スミレが帰ってきてお腹を空かせていたみたいだ、がっついて食べてる」
「あー…ふーん」
俺はコントロル君にそう言ってキキョウさんに貰ったリンゴをスミレが食べても大丈夫なようにさいの目に切ってから餌皿に出してあげた
ミルクの横においてやると嬉しそうにニャーと一鳴きして顔を拭って前足を舐めているスミレだった
あー、子猫だからかめっちゃ可愛い
癒される…
『ミャー、今日のご褒美はこれにゃ?』
「うん、今日ご飯のお礼に作って貰ったのはこれだよ」
『にゃににゃ?』
「リンゴっていうんだよ」
『みゃ?りんごにゃ?』
「そうだよ、リンゴだよ。」
スミレが怪しんでリンゴの匂いを嗅いでペロッと舐めて気に入ったのかはぐはぐと美味しそうに齧りつきだした
美味しいみたいで何よりです
はぐはぐと小さい口に一杯頬張るスミレを眺めていたくて仕方がない
癒される・・・
『…にゃい。そんにゃにみるにゃら食べるにゃ?』
「いや、さっき食べたからいいよ」
『みゃーが食べてるとこみにゃいの!レディーの食事中にゃのにゃ!』
「はいはい、ごめんごめん」
スミレに注意されてしまったので俺は仕方なくスミレから目を反らした
その後は生徒会メンバー達とも別れて(というか生徒会メンバーがそれぞれ自室に帰っていっただけでここは俺の部屋なのですが)俺とキューリャさん、スミレといういつもの静かさが戻ったので気を抜いて読書をした
暫くソファーで錬術に関する本を読んでいたらキューリャさんが呼んできた
「ショージ様、もう湯浴みの時間になります」
「あ、もうそんな時間?わかりました、スミレ、お風呂行こう」
『みゃーい!おふろ、おふろにゃー!』
アヒル隊長をスミレが寝室から持ってきて、かごに入れてから引き連れてきて一緒にお風呂に入る
『みゃー、あわあわのお風呂がいいにゃ』
「だーめ。泡風呂はお前遊び回るからいつまでも出ないじゃないか」
『ニャー…わかったにゃ』
スミレを動物用のシャンプーでわしゃわしゃと洗ってからシャワーで泡を流すと気持ちよさそうににゃーん、とか なーんとか鳴いて気持ちよさそうに鳴いていた
その後アヒル隊長を浮かべて湯船に浸かるスミレを横目によく溺れないなー、なんて思いつつも俺も体を洗ってお風呂に入った
日本人なので湯船に浸かるだけでとても気持ちが落ち着く…
はふー、なんてスミレと共にお風呂に入って、出ようとしたらキューリャさんと鉢合わせしてしまったみたいで、キューリャさんの声だけが聞こえて、タオルが畳まれたものが床に落ちた
なんかタオルを用意していてくれたみたいなんだけど、慌ててすみませんって言って出て行ってしまったし、なんか、俺が視認する前に透明化されてしまったからついポカーンとして呆けてしまったけど…うん・・・なんだか俺が悪い気がする
なんだかなー…
『にゃ、早く拭くにゃ、風邪ひくにゃよ』
「あ、うん。そうだね」
体とスミレをちゃんと拭いてから寝巻を身に着け、先程の事を謝ろうとキューリャさんを探したけれどもいなかったのでキューリャさんの部屋を訪ねるとキューリャさんの方が真っ先に頭を下げて謝ってきた
「さ、先程は申し訳ありませんでした」
「いえ。俺の方こそすみませんでした。」
「今後はノックの回数を増やします」
「そこまでしなくとも…ま、まぁお互いさまと言う事で」
俺がそういうとキューリャさんは頷いてからもう一度謝ってきた
気にする人だなぁ(ドラゴンだけど)
その後紅茶を飲んでのんびりしてからスミレと共に眠った
最後まで、キューリャさんは恐縮しきっていたけれども…
そんなに気にしなくてもいいのになぁ…
だってキューリャさんは俺の部屋に一緒にいるし、俺の執事さんなんだから、度々こういうハプニングだってあるでしょ(まぁ頻繁にあったら流石に恥ずかしいしわざとかと聞きたくなるだろうけどさ)気にしなくていいのにね?




