異世界だけど優しい世界だった
俺とルールウドくんは指切りした後基本魔法の話に戻り再び魔法の勉強をする事になった
水を掌にすくい取るイメージで水のアクア、風を体に纏わせるイメージでウィンド、土壁を出すイメージでサンドウォール、無数の蛍の光をイメージして白い光を生み出した、ライトアップ、部屋を暗くしたイメージでブラックアウトを難なく習得できた
光の魔法は・・・何故かさっきまでの他の属性魔法と同じく使っただけなのに、凄くルールウドくんは微笑ましそうに見て、両親にみて貰おうなんて言い出したけれど何でだろう。あまり光魔法が上手くなかったのかな・・・
一応褒めてくれたと言うのになぁ・・・あ、もしかしてホッコリするような淡い光しか出せなかった魔法だから、見せたいと思ったのかな?頑張ったのになぁ・・・
次はいよいよ無属性魔法。
「簡単で、基本の無属性魔法はね、ステータスっていって自分のことを鏡に映すイメージしてごらん」
「う、うん・・・鏡、鏡・・・」
もやもやーん、と自分の姿を鏡で見たときのイメージをする
想像したのは、この世界に来る前の、俺の姿・・・
すると頭の中に、その男の姿の時の俺に文字が被さる
それはこっちの世界の魔法を使うときの文字で数字が書かれている
「数字と文字が見えてきたら、それを意識してその文字を現実にあるこの紙に写してみて」
言われたとおりに、浮かんだイメージをそのまま目の前に出された紙にカットアンドペーストするイメージで魔法を使った
すると何も書かれてない真っ白な紙だったのにじわじわと文字が浮かんできた
それは、俺の鏡をイメージしたときに出てきた数字そのままコピーした物でその文字が見えるようになるとルールウドくんが目を見開いた
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朝間雫 昇次 種族;人間?《異世界人・霊体》
職業;ドラゴニア皇女の裏人格? 魔法レベル;Ⅰ
体力; 90
魔力; 390
筋力; 30
耐久力; 20
敏捷; 40
知識; 90
教養; 20
閃き; 70
精神力; 20
幸運 ;8
適正属性;土、光、闇、無
不属性;火、風、空
火 ;星Ⅰ
水 ;星Ⅷ
土 ;星Ⅸ
風 ;星Ⅰ
闇 ;星Ⅸ
光 ;星Ⅹ
無 ;星Ⅹ
空 ;星Ⅰ
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「・・・やっぱり。ショージは人間なのに魔法が使えるし、魔族では扱えない光魔法がのびやすい!無属性もこれを見る限りではのびるね・・・ただ火、風、空が苦手みたい」
「そんなことも分かるんだ・・・」
「うん。僕のステータスも出してあげるから、見比べてごらん」
そういってルールウドくんは紙をとりだし、スッと見せてきた
一瞬でさっきのをやってみせられてちょぴっと落ち込みかけるがすぐに魔族としてこの世界に生まれてるんだし、子供に張り合っても仕方ないし、ルールウドくんに教えて貰ってる位なんだから、仕方ないと自分に言い聞かせて気分を向上させた
ルールウド 種族;魔物
職業;ドラゴニア皇子 魔法レベル;Ⅰ
体力; 111,290
魔力; 293、990
筋力; 991、000
耐久力;8、989
敏捷; 112、000
知識; 99、999、999、999、999
教養; 99,999、999,999、800
閃き; 888,100,870
精神力; 2,324,000
幸運 ;2、048
適正属性;火、闇、無
不属性;水、光、空
火 ;星Ⅲ
水 ;星Ⅰ
土 ;星Ⅱ
風 ;星Ⅱ
闇 ;星Ⅳ
光 ;星Ⅰ
無 ;星Ⅹ
空 ;星Ⅰ
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ルールウドくんのステータスは、俺と同じレベルⅠ、それなのに体力や魔力などの数字がとても高かった
一番低い数字である、幸運は2048と言う数字で・・・うん?何それ幸運高くね?
そう思うだろうが、他の数字は大体10万超え、一番高いのは知識でなんとカンスト。
99、999、999、999、999ってなに。
バグってる何かを見せられているのかも知れない
ゲームで良くある、データが壊れたときのバグを思い出した
どうなってんのこれ
俺が呆けているとクスクス笑い出したルールウドくん
この99、999、999、999、999《バグとしか思えない異常な数字》が魔族の子供では当たり前だというのだろうか・・・
ももも、もしかしてミーシェちゃんもあの幼女メイドちゃんもそれに近い数字の何かをもっているのだろうか・・・
うわぁ、怖い。魔族怖い・・・逆らわないようにしとこう・・・
「うそうそ!ステータスはね、自分が見せたい情報以外は誤魔化すように魔法が最初から掛かっているの。だから、自分が見せたくないけど、魔法属性だけ見せるときは、こういう風になるんだ。とんでもない数字だよね。でも、これは無属性を憶えたての子に仕掛ける一寸した遊びなんだ、ゴメンね?」
「あ、そうなんだ・・・驚いた。ミーシェちゃんやルールウドくん達が物凄く強いのかと・・・」
「魔族だからそこそこ人間達よりは魔力が強いけれど体力は低め、それが全体的な魔族のステータスだよ。はい、今度は本当のステータス!」
そう言って見せてくれたステータスは確かに先程言っていた魔族の特徴からか、体力は先程より減り、心臓に悪いような数字では無くなった
―――――――――――
ルールウド 種族;魔物
職業;ドラゴニア皇子 魔法レベル;Ⅰ
体力; 290
魔力; 3、990
筋力; 1、000
耐久力;8、989
敏捷; 112、000
知識; 1、190
教養; 2、800
閃き; 1,870
精神力; 4,000
幸運 ;2,048
適正属性;火、闇、無
不属性;水、光、空
火 ;星Ⅲ
水 ;星Ⅰ
土 ;星Ⅱ
風 ;星Ⅱ
闇 ;星Ⅳ
光 ;星Ⅰ
無 ;星Ⅹ
空 ;星Ⅰ
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・・・さっきよりは、マシだよね
さっきのは小学生辺りの子供が考えに考えたと自慢してくる、“俺の考えた最強の魔族”的な何かだったもんね・・・うん、本当にこっちのが本物ならば、安心だよ・・・
・・・・・・・ふぅ、何だか、ドッと疲れちゃったよ、お兄さん・・・
てか色々とやっぱり気になるんだけど、何この自分のステータスの低さ・・・
あと何で種族;人間の所に“はてな”ついてるんだよ
職業も、何裏人格て・・・なんなん、まじでなんなん?
止めてよ、お兄さんメンタル弱いんだよ。色々考えて良くないことを考えちゃうだろ・・・
「うーん・・・えっと、この“種族、人間”のところに“はてな”があるけど・・・」
「あぁ、それはね、まだミーシェの体に意識が移ったばかりで安定してないから、そうなっただけ。安定して、好きなタイミングでお互いが入れ替われるようになれば“はてな”は取れて普通の“人間”になるよ。安心して。」
色々と凄いな、異世界・・・
安定する方法を、是非共憶えないといけないだろう
俺は人間だしな・・・うん、と一人で納得しているとルールウドくんが『魔法レベル』の説明をしてくれた
「この魔法レベルというのはね、三つある中の学校で、それぞれ学習していって、試験に合格するなり、学校にいる教師に認めて貰えれば上がっていくんだよ。僕はまだ学校に入ったばかりだから低いし、ショージはまだ学校に行ってないから低いんだ。ミーシェもそうだよ。」
「そうなんだ・・・。あ、この魔法の横にある星の数字は?」
「どの程度その属性魔法が出来るかって事だよ。10段階合って、Ⅰが一番低いんだ。Ⅰの数字の魔法は使えない訳じゃ無いけれど苦手で、使うイメージが強くないと現象として出ないんだ」
「なるほど、苦手ではあるけれど、使えることは一応出来るのか」
「そうだよ。さっきも出来たでしょう?」
「うん」
確かに、苦手だと言われた火や風の魔法だって一応使えたしな
納得しているとルールウドくんがひょいと俺を抱き上げた
何かと思ったら時計をさして食事の時間だと教えてくれたので、素直に大人しくして運んで貰った・・・急に抱き上げるのはどうにかして欲しい物だがまぁ・・・いいか
もう抱きかかえられての移動は大分慣れたよ・・・恥ずかしいのは変わらないけれどさ・・・
・・・俺、22なんだけどなぁ・・・はぁ・・・これは防犯のためなんだ、仕方ない
仕方な・・・い、んだよな?さっきみたいに遊ばれてるとかじゃないよな?
お兄さん虐めても面白くないからね、少年!なんて思っていたらあっという間に食堂へ来ていた
「おお、来たかショージ!ルールウドも、席に着きなさい」
「はい、父さん」
「え、はい」
ルールウドくんが座らせてくれたけど、俺を見てメイドさんにお構いなしで俺を呼ぶのはどうかと思うのだが・・・良いのかそれで・・・
ドラゴンパパさんが一枚の紙をメイドさんに預け、それを俺の所に持って行かせた
戸惑いながら見てみるとそこには俺が新たにこの家族の子供になる、所謂養子扱いになっていると言う事が書かれている、何か仰々しくも上質で豪華な装飾をされている紙だった
「これ、なんですか?」
「この世界の、誓約書だ。これで君が私たちの家族だと証明する物である、これは魔法文字で書かれているため複製どころか偽物にすり替えることも出来ない貴族用の物だ。私の方と、君の元にあるモノとで、二枚ある。それらに何処でも良いから血を垂らしてくれ」
「(戸籍、みたいな物か・・・)えっと、はい」
血を垂らしたところで、それはミーシェちゃんの物なのではと思いつつも親指を少しだけ切り、二枚の紙にそれぞれ血を付けた
すると金色に血が垂れた部分が光り、次に青白い光りで文字が浮かび上がった
驚いている間に、一枚の紙に書かれている文字が紙から自動で離れて、俺の腕に勝手に刻まれだした
痛みなど感じないが少しだけ文字が触れるところが熱くなっていくのを感じた
腕といっても肘の関節の上から二の腕まで、びっしりと青白い文字で何重にも腕の周りを文字がまとわりついた所で、すぅっとその文字は吸い込まれるかのように消えた
「うむ、これでショージは我が一家の一員である。喧嘩などすることの無いように、仲良くするのだぞ?」
「はい、父さん」
「はい、あなた。勿論、ショージは新たな息子ですもの。ショージ、貴方も遠慮せず何でも言いなさいね。」
「・・・え、は、はぁ・・・はい?」
俺が事態を飲み込むのが遅くて恐縮ですが、誰か先程の説明はお頼みすることが出来ないのでしょうか・・・
そう思っていたらドラゴンパパさんが説明を軽くしてくれた
「先程のはショージの魂、霊体に直接刻む、この世界ならではの身元や出自保証書だ。ショージが私らの家族になるために必要な物だぞ?ミーシェやルールウドも生まれたての時に少しだけ血を垂らし、それと同じ魔法文字が体に刻まれてる。これで万が一この世界で死んでもすぐに回復させれば、生き返ることが出来るんだ。」
死者蘇生が当たり前の世界なんですか、そうですか・・・
「そして、これで虫下しなどを飲んでもこの世界に転生する可能性が大きくなる、詰まり向こうで死んでしまったショージに、この世界でちゃんと生きていけるようにしたんだな。」
成る程、これでうっかり虫下し飲んでもちゃんと生きていけるようにしてくれたんだね、流石は貴族様々だ、色んな事をお考えになる・・・
「万が一、霊体でこの世界のどこかに新たに生を受けても、この魔法文字は2回までなら私らの家族であると証明してくれる物だ。」
・・・ンと、このまま死んでも、まだこの家族の一員って事、かな?
「万が一冒険に出てみたいとなれば、致傷率は上がるだろう?その為の、保険である」
「私たちは貴方の好きにして良いとはいってるけど、冒険に出たら安全確認も出来ないでしょう?だから・・・」
確かに異世界に来たからには冒険とかしてみたい人は居ると思うけど、俺も例外なくファンタジー物好きだし冒険譚的な物好きだけど、言われても貴族の子女様の体を借りてる立場である以上、そんな危ない事進んではしないけどなぁ・・・
「それに、魔族の貴族って魔力を上げるために学校で良くダンジョンに行くんだ。そこで結婚相手を見つけるって事もあるから」
「ダンジョンはお見合いか何かなの?!そんな暢気な感じで良いの?!」
「気軽にいったけど、全員が全員それ目的じゃ無いよ?勿論危険だしね?唯、いざ何かあったときのために自分と相性の良い魔法の使い手とか、友達から結婚相手に、とかよくあることだよ。」
お、おう・・・恐るべし、異世界の婚活・・・
成る程、婚活って大変なんだな・・・
俺、死ぬ前も独り身だけど実家が農家ってだけで諦めてたからわかんない感覚だな・・・
結婚したら農家つげって言われてたくらいだし、相手探そうともしていなかったし
「特にショージは光魔法使えるから、人気出そうだし気を付けてね」
「?」
「・・・ダンジョンで、光魔法って割と必要なんだ。だけど、魔族は光魔法が使えない方が多いから、必然的に一緒に行こうとか友達になってとか言われやすいんだ。」
「そうなんだ・・・」
よく分からないけど光魔法が得意だと苦労が多そうだ
いっその事、ステータス見せるときに光魔法だけが誤魔化せるようにしてもらうとか?
「これが無いと学校に通学が出来ないからな」
「え、そうなんですか」
「そうなんだ・・・」
「なんだ、ルールウドも知らなかったか。教員はこれを元に生徒の事を纏める基準をもうけていたりするのだ。貴族の中には家柄同士が仲悪いと同じクラスにならないようにしたり、とかな。」
貴族は大変なんだなぁ・・・と思っていたらエルフママさんが食事にしましょうと言って話を一端中断した
するとタイミングを見ていたのだろうメイドさんが扉を開け、カートを沢山押しているメイドさん達を通した
俺の前には赤くて葡萄のような物と黄色いオレンジの輪切りが魚と共にもられている物が置かれた
何か、ソテーにされているみたいで切り身からは微かに暖かそうに湯気が出てる
「今急に手に入る人間さんの食べ物が、それしか無かったそうなの、ごめんね?」
「態々手に入れてくれただけで嬉しいです」
「ふふ、当たり前じゃ無い、家族ですからね。」
フォークで丁寧に斬り、口にする
ほくほくしてて上に乗っているフルーツ見たいのも、全然甘くなくてすっきりさっぱりして凄く美味しかった
「どう?具合悪くならないかしら・・・」
「おいしいです!具合も平気です」
「そう・・・良かったわ」
俺がつい微笑むと(この世界に来て初めて食べ物が美味しかったから)三人ともホッとした表情になった
そうだよな、ミーシェちゃんは魔族の体なんだから人間の食事は毒って言っていってたし不安になるよな・・・
「初めて笑ったね、ショージ!良かった、それは口に合ったんだね」
「今度からショージの時はミーシェの食事を人間さんの物にしましょうね。」
「そうだな。私たちは悪いがそのままだけど、構わないかな?」
「はい、気にして貰って済みません」
「「いいんだよ」」
優しい魔族の人達だなぁ・・・
下手したら、俺のいた世界のブラック会社の人達よりずっと優しいよ
俺は俺の今まで読んだ小説やラノベの中の悪役である魔族に、温情を与えられてるしなんだか・・・思ってたのと大分違うんだね。この世界は・・・
「ショージ、飲み物はみるくとやらを用意して貰ったので飲んでみて頂戴」
「あ、はい」
待って、そう言えばこの世界の衛生管理はどうなんだっけ・・・?
否、でも魚は美味しかったし、大丈夫・・・だよね?恐る恐る口にした
ミルクと言うから牛乳をイメージしたんだけど何だろう・・・
少し、甘い物が入ってる感じがした
「甘い・・・」
「どう?口に合いそう?」
「大丈夫です、美味しいです」
「よかったわ。」
エルフママさんが微笑む姿はどの異世界物の物語にでてくるエルフよりもずっと神秘的に見えるきがした
ミルクは甘めで、仄かにハーブの後味がした




