なんか色々と会ってミーシェちゃんに報告すること多いなぁ
ルールウド君と部屋に帰ってきたは良いけどチームメイトって結構、ややこしいなぁ
「生徒会ってさぁ、何をしているチームなの」
「基本的には、生徒会と言っても人数が多いから、教頭先生の指示に従うまま色んな事をしているよ。そりゃあ危険な事やとんでもないことだってさせられたりするけれども、教頭先生は個人の能力を考えた上でどの指示を誰に出すか考えているみたい。かなり無茶な指示はあまりないよ?」
「…へー。」
ルールウド君は少し考える様にポーズをとってから爺を誉める訳ではないけど、なんて前置きをして爺が今までルールウド君に指示したことを教えてくれた
まぁどれも俺にとっては気に食わないことばかりであのくそ爺、ルールウド君に何させてやがるんだとか一寸思わなくもないのだけれども…。
「まぁやり方が気に食わないって、そんな顔しないで…。」
「爺が拒否権くれないから気に食わない」
「ショージ、爺なんて言ってはダメだよ。せめておじいさんとか、教頭先生とか」
「くそ爺」
「こら」
ルールウド君が俺にデコピンを喰らわせてきたのと同時にキューリャさんとマクスェルさんが料理を持ってきた
美味しそうな匂いに、ついついくぅともう一度腹の虫がなった
トレーにのせられている料理は俺の分とルールウド君の物とで大分見た目が違う
マクスェルさんの運んできたルールウド君用の食事は今回、丸々とした七面鳥の丸焼きの様な鶏肉…らしき物でその色は真っ黄色だった
そう、…黄色だ
首を落とした、手足を切った大きな鳥の、色が黄色の塊だ
茶色とかじゃないのかとか、着色料とか…使ってる?と聞きたくなったこととか、ぐっと飲みこんで大きな鶏肉を一人で食べるのかとか驚いた
一方でキューリャさんが運んできた物は魚の煮つけっぽい何かとライスの実とか、野菜のスープ、沢山のフルーツを持ってきてくれたので美味しそうに思えたしいい香りで、すぐにでも食べたくなるほどだったので、そのまま夕食にした
美味しかった
「キューリャさんって料理上手ですよね」
「そ、んなことないですよ…?」
キューリャさんは褒められて照れたのか、顔を真っ赤にして俯いてしまったあとすうっと姿を消してしまった
透明化の魔法、便利だけど何も照れたからって消えなくともいいのに・・・
「ショージ、キューリャは照れ屋さんだから面と向かって誉めたら消えちゃうよ」
「だいぶ慣れてくれたかなーって思ったまま言っただけなんだけどなぁ…」
「ふふ・・・、まぁキューリャはそれが仕事だから」
うん、仕事だけど、それを褒められて嬉しいでしょ?
こんなに恥ずかしがらなくてもいいと思うんだよね、だってもう俺の専門執事さんって仕事について5年だよ?
慣れてもいいと思うんだけどなぁ・・・
「ルールウド君はマクスェルさんに美味しいって言ってる?」
「うん、たまにいうよ。」
「はい、お誉め頂いております」
「そうなんですね。キューリャさんも誉めていれば慣れてくれるかな」
「…それは、どうだろう」
おや、なぜに?なんて思っていたらスミレが自分も夕飯をくれと俺の足を引っ掻いて抗議してきたのでそっちに気を取られて、カリカリをだしてあげていたら嬉しそうにがっついたのでミルクも一応出してあげて、自分の方の食事も済ませた
スミレが出してくれていた葡萄をつまみながらもルールウド君と雑談をした
葡萄に似た果物は、プートウというらしい
このプートウというのは果肉の中に汁がたっぷり含まれていて、甘いのだそうだ
俺が食べた限りでは葡萄そっくりそのままだった
葡萄の汁にそっくりジューシーで甘くって俺の中では葡萄=プートウでいいや
プートウというのは空腹時に食べると腹持ちがいいのだそうで、少しの量で空腹をまぎれさせる事が出来るとかなんとか・・・
スミレがカリカリを頬張りながら言ったことをルールウド君にそのまま繰り返された
「スミレちゃんはいい子だねー」
「ルールウド君、それスミレの尻尾」
『ニャー…』
「あ、ご、ごめんね。ここら辺かな?」
「そこ頭。ここが背中だよ」
『みゃーん』
ルールウド君の手をスミレの背中に導いてあげるとスミレは少し安心したように鳴いた
尻尾は嫌そうだし、それは仕方がない事だろうな
その後はスミレとルールウド君と話していたらコンコンとノックをされてキューリャさんが扉を開けるとシェンフ君とキキョウさんがいたらしく、二人がルールウド君を呼びに来たと言ってきた
「あぁ、生徒会室によるように言われていたの忘れていた…」
「うっかりだねー。」
「そうだね。食事とってすっかり忘れてた。じゃあ僕はここまでにしておくよ。生徒会室に行かなくちゃいけないし、そのまま自室に帰るからね、鍵をちゃんとかけて寝るんだよ」
「うん!おやすみー」
俺がそう言って手を振るとルールウド君は苦笑をしてクシャリと俺の頭を撫でてから部屋を出て行った
「ウーム、俺はそんなに頭が撫でやすいのだろうか…」
『みゃー、お風呂入るにゃ!』
「おう!おっふろーおっふろー」
『みゃぁん、おふろ、おふろにゃー!』
スミレはお風呂が嫌いだったはずだが俺がお風呂で浮かばせる玩具のアヒルとかネズミとか、色んなものや泡ぶろやらを試してたらスミレも嬉々として風呂に入る事になった
今ではスミレの自分でハンドタオルを咥えてお風呂へと誘う位には好きそうだ
・・・
・・
・
カポーンという音がしそうな位には気持ちのいい温度の湯舟にぷかぷかと浮かぶアヒル隊長とその後ろに2個もの小型のひよこ型玩具があちこちに湯船の上を漂っている
『みゃー…ぁん』
「スミレ、寝るなよ?」
『みゃーい』
気持ちよさそうに間延びした、気の抜けているような返事をするスミレは少し眠たそうに目をシパシパさせていて、今にも寝落ちしてそのままおぼれてしまいそうで怖いなーと思っていた
しかし何とか溺れる、なんてことなくてうとうととしているスミレを抱き上げてそのままタオルでごしごしと拭いてあげるとスミレは少し嬉しそうに、何処か眠たそうに鳴いた
『みゃー…もっと…羽の下…ふにゃぁん、そこそこ…ふにゃぁーん』
「…(痒い所を掻いてもらった年寄りか?)」
かりかりと首の下あたりを書いてあげるとミャーミャー鳴いて気持ちよさそうにした
まぁ書いてあげてる俺が何を言おうと意味がないかもしれないけどさ
スミレが湯船の上に浮いているアヒル隊長をちょいちょいと湯を掻きまわして引き寄せた
『ミャー、今日は一緒に寝るにゃ!』
「アヒルも拭くの?」
『みゃう!そうにゃ!』
「はいはい」
仕方なく、アヒルのおもちゃとひよこのおもちゃを湯船から救い出しそれも拭き、水気を切ると嬉しそうにスミレがアヒル玩具用の篭を両手で抱えてテチテチと軽い音を立てつつも二本足で立ち持ってきたのでアヒルを入れてあげた
かごが玩具でいっぱいになると満足そうにその籠を頭にのせてするっと扉を開けて出て行ってしまった
やれやれ、誰に似たんだかわからないけど自分の興味があること優先なんだな…
俺はもう少しだけ、湯船に浸かっていよう
・
・・
・・・
俺がベッドに横になるとスミレが枕元にあのアヒル隊長とひよこを入れた籠事ひょいと乗ってきて、するっと俺の掛布団の中までやってきた
「スミレ?」
『みゃーん、ごろごろ…』
「…ここで寝るのか…?」
『にゃーん』
「…お休み」
『ぅにゃん』
スミレが眠たそうに返事をしてくれたので俺もそのまま眠りに落ちた
*****************
夢に行くとスミレが俺の夢の部屋のソファの上に暢気に寝そべりそのままアヒルのおもちゃを転がしたりして遊んでいた
『にゃ、にゃ!にゃーん』
『そんなの面白いのかスミレ』
『みゃーん!あ、ささみくれにゃ!』
『あぁ、はいはい』
俺がささみを上げるとスミレは嬉しそうにささみを食べた
暫く本を読んでいたらミーシェちゃん達がやってきて、思い思いに今日会った授業の事を話し出したのを聞いてあげていた
『ショージお兄ちゃんの方はどうだったの?』
『…え、あぁ…えーとね…ルールウド君が俺の教室に来たよ』
『えー!ルー兄さま何しにショージお兄ちゃんの所に来たの?』
『そうなんだよ。なんかね、上級生たちがぞろぞろと俺の教室にやってきたんだ』
なんかね、といいつつも原因はわかっているんだけれども、それを言うとミーシェちゃんも逆に爺に興味を沸かせてしまいそうだったからいわないでおいた
その後は“生徒会チームメイト”についての話をして、ミーシェちゃんが目を輝かせて俺の話を聞いて、途中シュリちゃんとクーナちゃんが質問してくるのを答えたりミーシェちゃんとお話ししたりして過ごした
勿論、今日俺の担任の先生に術をかけたような輩がいると言う事も話したらやはり三人とも驚いていたので注意しないといけないよと言ったら必死に頷いた
これだけ頷いているのなら大丈夫だろうけれども一応用心した方がいいから後で起きたら生徒会の人たちに近いうちにルールウド君に言って生徒会のメンバーに合わせて貰う事にするといったのでミーシェちゃんに何かあっても安心だと思った
その後は生徒会の人たちの話になったり、クーナちゃん達との雑談だったりを楽しんだ
『兄ちゃん喉渇いたー』
『ミーシェも~!』
『じゃ、じゃあ私も』
俺が飲み物を適当に想像してグリーン茶から紅茶迄ズラリと並べてあげると嬉々として思い思いに好きな飲み物を手に取り飲んだ
そんなに飲んでたら大変なことになっても知らないよと思いつつも俺はお菓子を想像して夢の中でお茶会を楽しんだ
*****************
キューリャさんに起されて、学園生活も4日目となった
今日はトラブルなく過ごしたいなとか思いつつ紅茶を貰いモーニングティーを嗜みながらも考えていたのだが、ノックの音が飛び込んできたことで考えを諦めた
上級生たちの寄越した手紙タイムだ、くそ!
スミレはぐったりしながらも背伸びをして、くあぁ、とあくびをした
キューリャさんが誰何を訪ねる
やはり知らない上級生のお付きの人が、手紙を持ってきただけだった
そして数10回以上キューリャさんが呼び出され、スミレがうんざりして耳を自分で塞ぐように耳を押さえるのを俺はぼんやり見ながら着替えた
その後料理を作ってキューリャさんと食べて(その場で赤くなってお礼言われた)スミレにカリカリとミルクを出してあげて暢気に朝を過ごした
少ししてからルールウド君とマクスェルさん、それとシェンフ君と昨日会ったばかりの生徒会長さんの気配、そして従者さんなのだろう成人の気配が二人分した
キューリャさんがノックをされたから扉の方へ行き、確認して俺に入れてあげていいかという許可を求めたから頷いて中に入れた
「おはよう、ショージ」
「おはよう、ショージ君」
「おはよう。」
三人して朝から元気いいなぁ、なんて思いながらもグリーンティーを一杯、紅茶を3杯だしてあげて、俺も飲んだ
グリーン茶をルールウド君にあげて他の人には紅茶を渡したら、シェンフ君と生徒会長が礼を口にしながらも紅茶を飲んでおいしいと言ってくれた
一応魔祖も入れてあるから大丈夫だけど、味はどうだろうか
「うん、美味しいね。」
「とても香りがいいですね。どこの産地なんだろう…」
「異世界じゃないかな」
「あぁ、そうだね。」
何とか好評で何よりです
生徒会長さんはどっちなんだろうか…俺たちのように転生者なのか、ルールウド君達のようにこの世界の魔族なのか…まぁどっちでもいいと思うけどね、それによってはやはり…
ほら、俺達の事情が色々とわかる、わからないが、あるじゃないか
ま、どっちでもいいんだけどね?
基本的にはどっちでも大体の事はわかっているだろうから…
俺が紅茶を飲んでいるとスミレがひょいと俺の膝に飛び乗ってきたので首を掻いてあげるとごろごろと鳴いた
さてステフィム先生がそろそろ来てもいい頃だとは思うのだけれども…
今日は遅いな、と思っていると牧野さんの気配と従者さん、そして昨日のモルモット君の飼い主とモルモットのリッツ君が来た気配がした
「!牧野さんが来るみたい」
俺がついそういうとルールウド君はぷくっと頬を膨らませ、キューリャさんが扉の前へと立った
…いつでも扉を開けられるように、だと思う
コンコンというノックの音がしてキューリャさんが誰何を訪ね、名乗られると少しだけ扉を開けて昨日会った風紀員の人ですと言ってきた
中に入れていいよというと通してくれた
「おはよう、朝間雫くん。昨日は寝られたかい?」
「おはよう。」
『きゅー、おはよ!』
『おはようにゃん』
スミレがリッツ君に挨拶するとリッツ君もきゅー、と鳴いて嬉しそうにくしくしと二匹とも毛繕いした
な、和む…朝からあざと可愛い…
おっとスミレが少し物申したそうに俺を見たので顔を反らした
朝の毛繕いや顔を拭っているのをまじまじ見るのはご法度だとかっていってたっけ、って
俺が顔を反らし、ついっと見た先にいたのはシェンフ君だった
「ところで何で来たの?」
「…勧誘だよ。教頭先生がムキになってね。早く引き抜けと言い出したんだ。」
「…はぁ?…牧野さんは?」
「ほぼ同じかな。校長先生が生徒会にはもう人事をやる事が出来ない、風紀委員の人手不足で困っているからと言ってね。私は朝間雫君の好きにしたらいいと思うのだけど…」
「………そして、とうとう昨日、理事長も君のこと知った。塔から数人、君の教室に…」
「偉い人たちってみんな暇なの?なんなの?」
俺がそういうと皆して苦笑をした
「ねぇ、ショージ早くチームを決めてしまいなよ」
「こういうのは一人で決められるものじゃないからねぇ、焦る必要はないと思うけど…」
ルールウド君がやや疲れたように呟くと牧野さんが諫める様に苦笑しながらもルールウド君に言い聞かせてきた
うーん…
そんなことを思っていたらステフィム先生の気配がした
…どうやら、ルネア君とカフィーユ君の部屋にはいくが俺の部屋を無視して最後にしているようだった
そして二人が従者さんと廊下に出ると俺の部屋へと来てノックした音がしてから、キューリャさんと何かを話してどこかへといってしまった
あれ、俺のお迎えじゃないのか
カフィーユ君とルネア君を連れてどこかへと行ってしまった
「…キューリャさん、ステフィム先生は?」
「ステフィム先生は今日から、担任を外れたそうです。」
「………………」
あ、あ、アンの爺!(怒)
爺が無理を言ったのに違いない、きっとそうだ!
ステフィム先生、良い人だったのにイイイイ!
俺がそう思っているとリッツ君の飼い主の青少年が呆れたような表情でため息ついた
「それは仕方がないでしょう、だって教頭はいつもの事だけれども、校長先生や理事長先生までもが欲しがる生徒だよ。一先生が扱えるわけない。」
「俺個人的に好感の持てる先生だったのに…」
「諦める方がいいと思うけどね。それに、上級生を一年生クラスになんていつまでもいさせたら何しでかすかわからないしね。」
「…………………………ぐぅのねも出ない…ハァー…」
俺ががっくりと肩を落とすと牧野さんが魔法でポン、と俺の好きだった駄菓子の、パイプチョコをだしてくれた
パイプ型のプラスチックの小さい容器にぎっしり入っている小さい、コロコロしているチョコがこれでもかと入っている
「わぁ、懐かしい!」
「朝間雫君の好きなお菓子でも食べて、落ち着きなよ」
「ありがとう牧野さん」
俺が嬉々としてパイプチョコを受け取るとルールウド君がぷくっと頬を膨らませたので俺はキャップを外して小さい粒のチョコを掌に少しだけだしてルールウド君に分けてあげた
ムスーッとしたままチョコを数個摘まんで、口に入れて美味しかったのかもごもごさせながらも目が少しだけ機嫌を良くしたようで目が尖っていたのに緩やかになった
「…もしかして、転生者の中では食べ物を加工してある物が出せるのが基本的なのかな」
シェンフ君が頭を抱えるが、何が可笑しいのだろうか
パイプチョコ、食べたかったのかな?
俺は少しだけチョコを出して分けてあげることにした
「食べる?美味しいよ?」
「いや、朝ご飯を頂いてきたから要らないよ。」
「そっかー。美味しいのにね」
パクッと食べるとスミレが羨ましそうに見てきたけれど、チョコは猫には毒なので上げられない
ささみを出してあげて、スミレが食らいつくのを見つつも我慢してもらった
そういえば…俺は今日からどうしたらいいのだろうかねぇ
教室へと行く必要なくなったしなぁ・・・
「あ、そうだ。」
「「?」」
「俺は今日図書室に行きたい!」
俺がそういうとルールウド君が頭を抱えてため息をついた
なんで、と思う前に駄目だよときっぱり断られてしまった
「ショージはチームが決まるまで、何処にも行けないよ」
「…………………………あんのくそ爺」
俺は思わずつぶやいてミシ、と持っていたプラスチックの容器を握ってしまった
「いいじゃない。今日は一日お休みを貰ったとでも思ってさ。のんびりしたら?」
「でも部屋からは出られない、と?」
「そうだね。昨日の操られる事件なんかもあったし…」
「ムー…あ、じゃあ武器の鍛造をするために準備する位は?」
「一応許可貰っているよ。」
ルールウド君がそういうとリッツ君とリッツ君の飼い主の青少年もこくこくと頷いた
「むしろ、そのせいで理事長先生にばれた感はあるよね」
「…うん。何に使うのかと聞かれていたからね」
あぁ・・・鍛造に使いそうなものって錬術でも使うからね
仕方ないね…マッドな先生には会いたくないなぁ…
「それで、何をするのか見ていていいかな?」
シェンフ君がそういうので頷いたら分ちゃんがポップアップで誰かいると言うので陰を使って迎撃して貰った
槍のように尖った棒状の影が何もない壁に突き刺さる
すると途端に、にゅにゅにゅと壁が膨らみ小さな子供が二人と白衣を着た男性がでてきた
「なんともいきなり攻撃してくるとは不躾な子だ!マーベラス!面白いぞ!」
「先生、だからやめようと言ったのに!」
「こ、怖かった…。髪の毛数本切られた…。」
「髪の数本くらい、私の育毛剤で何とでもなるだろう!」
「先生の育毛剤…そっちの方が怖いですよ」
「(こくこく)」
………………………………
あ、この人絶対に噂のマッドな先生だ
だって目が怖いもん
実験用のネズミを見るような目だしなにより…
ニタァっと笑うのがぴったりの効果音が付きそうなくらい、怖い笑顔を向けて目を開けたまま俺を見て来てるもん
容姿を分かりやすく言うとするならね、黒々とした髪の毛をぼさぼさにして、何日も洗ってないような感じにして、肩まである髪の毛を大雑把に一纏めにひっつめて、古めかしいフレームの歪んだ丸いメガネにひびが入っているのをかけている
本来なら結構大きめの緑色の目が瞳孔開き、血走っているし頬は痩せこけていてどこぞの研究者を匂わす様な、つぎはぎだらけのボロボロ白衣に、所々薬品で焦げ付いたような、燃えてできるような穴の開いてるズボンをきている…
更に極めつけと言わんばかりに白衣には腕章の代わりなのだろう、ワッペンが縫い付けられていて、それは学園の紋章であるものと、その隣に魔法陣の絵柄が刺繍がしてある
マッドサイエンティストな感じのこの人は絶対に、理事長と言われている人だろう
理事長先生とは、一体…
世の中の他の学園、基、俺の世界の数々のまともな理事長先生
貴方たちのお仕事はどういうのでしょうか
俺は一社会人であり、サラリーマンの中の、ペーペーで、広報課だったから詳しくなんか、知らない
だが!
絶対にお前理事長の仕事できてねぇだろ!!!!
研究所に帰れ!と思わず言いたくなるような人が、俺の部屋の壁から出てきた
「どなたでしょうか」
キューリャさんが思い切り警戒しながら俺の前に立って怪しい三人を睨んだ
嫌どなたって…わかるやん
昨日までの流れを汲んだら一発でわかるやん
でもこれもきっと仕事の内なんだね、そうなんだよねキューリャさん
キューリャさんが誰何を訪ねると待ってましたと言わんばかりに目を輝かせてバッと両手を広げた
キューリャさんがそれに合わせて警戒する
が
なんか、ミュージカルでもやっているかのように理事長っぽい謎の人物は自分の胸を張り上げ、片手を胸にどんとぶつけて堂々となんか語りだした
「私は偉大なる魔法錬金術の第一人者である、パブリック・ドゥラン・D・クリストラ、その人である!わが学園において私ほど理知的な物はいないだろう!」
「すみません、先生の前口上なんです。付き合ってあげてください。」
「申し訳ない。先生、止めても効かないので、言わせてあげて下さい」
…なんだこれ
理事長先生(仮)と共に出てきた生徒たちがぺこぺこと頭を下げる
それをお構いなしにべらべらとなんか話し出した研究者もどき(理事長(仮)先生)を、ルールウド君達はスルーしてソファに座ったりくつろぎながらも適当に流している
・・・ここ、俺の部屋なんだけどなぁ・・・
数十分間、聞きもしない自慢や自信の功績がいかにこの世界の世の中に出て活躍しているか、いかにつらい挫折を乗り越え、周りの人たちに馬鹿にされて暗い憂き目にあったかをミュージカルのように歌いだし、高らかに声を張り上げ、途中で蒸せたり咳をしたりしながら(そんならやめりゃあいいのに…)途中何度かステップになっていない物をふらふらとしたりしながらも偉大なるなにかとやらは演説を終えた
「どうだね!」
「先生、流石です」
「先生は凄いです!」
パチパチパチと拍手を二人の生徒たちがすると満足そうに鼻息を漏らした
・・・もう一度、言おう
なんだこれ
????
俺は何を見せられているのだろうか?
俺が疑問に思っているとスミレが呆れたように、俺の足元で丸まって、ニャーと退屈そうに鳴いた
あのスミレでさえも、呆れているんですがそれは…




