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うーん、これ俺はもう部屋に帰っていいかな?


・・・OK、この“技能称号”は資格、普通の称号とは別、それでOKってことですか?

【そう例えた方が適切かもしれんな】

なるほどなるほど

おk、理解した


俺はさらにステータスを見ていくとその一部に違和感を感じた


種属;ハーフエルフ

職業;精霊使い 魔法レベル;Ⅰ


そうなっていたはずがすこし変わっていたのだ


種属;ハーフエルフ(マジックエルフ)←new

職業;精霊使い → 精霊の友人(new) 魔法レベル;Ⅰ


…………………………?

分ちゃん、マジックエルフって何?職業の、精霊の友人って何?と聞いたらポップアップウィンドウが2画面でてきた

それぞれ説明してくれたけれども、今一ピンとはこなかった


【種族;マジックエルフ・・・魔法を使えるエルフ族きっての変わり者。フロストエルフとはまた少し違う】


【職業;精霊の友人・・・精霊にパートナーとして認められ、他の精霊達とも友好な関係を持てる職業。精霊術を少し使う事が出来るようになる】


お、おう…??精霊術ってメニーさんに教わっている、あのちょこっとややこしい古文みたいな呪文を唱えて精霊達に力を貸して貰う奴だよね

【だいたいそれであってる】

それ、スミレがいる時点で、俺にいる?必要ないだろそれ…

【……一応、もらえるもんは貰っとけ。魔法が使えない時に精霊術は便利】

はーい、そうしとくー


『スミレー、職業の所精霊の友人っていうのになったって。』

『にゃー!ミャ―達とお友達ににゃるにゃ、色んにゃ精霊達にお願いするとにゃんでもやってくれるにゃよ!』

『そっかー』


スミレとお話ししているとそういえばと思いだした事があったので早速聞いてみることにした


『そうそう、スミレ』

『みゃ?』

『俺武器造ることになったじゃん』

『みゃー!そうにゃね』

『火の精霊さんと水の精霊さんにちょいと話を付けて紹介して欲しいんだけど』


するとスミレはたちまち嫌そうな顔をしてじとーッとしているような目で俺を見てきた

このスミレの目は、レシェルナさんの家にいた時にも授業中の精霊達の部屋にいた時にも似たような視線だ


『ミャ―…浮気にゃ?』

『じゃないです。できればレシェルナさんの家や鍛冶場に近い環境で作ろうかと思って、それならやっぱり火の精霊の力を借りたいかなって思っただけだよ。』

『みゃー…みゃーが寛大だから感謝するにゃ!』


なんか、寛大って言葉の意味は何だっけなどと言いたくなるような事をほざいていますが、それはスルー安定なのかなと思い、突っ込むのを止めた

スミレの顎の下をこしょこしょと撫でてお願いしてみるとスミレは満足そうにゴロゴロと喉を鳴らして嬉しがった


『みゃーう、みゃーんごろごろごろ…』

『明後日、お願いね』

『みゃーい。』


俺がスミレと戯れていたら校長先生がまじまじとステータスの紙と俺を見比べて満足そうに何度か頷いた後執事さんになんかを耳打ちして執事さんだけを外へと行かせてしまった

なんだろうねー、スミレのお腹モフモフで気持ちいいなぁー…


「…ショージ、少し飽きて来てない?」

「うん、スミレ可愛いよ?」

「話も聞いてないね?」

「あのね、ほらここの、職業の所。これをスミレに聞いてたらスミレが他の子と仲良くなれるって教えてくれてただけ。」


俺がそういうとやや呆れていた表情のルールウド君がまじまじと職業の所を見て納得したように頷いてくれた


「あぁ…精霊の友人ってなってるね。種族の大幅な変化がなくて安心してたからよく見てなかったけど…」

「ねー。これスミレに言ったらスミレ以外の精霊も言うこと聞くよってさ。何でもお友達になったとか何とか…」

「…うん、職業っていうか称号みたいだね」

「職業って一体…」


俺とルールウド君が会話していると廊下の方からなんか…人が大勢いる気配と、魔力、精霊達の気配がしてきた

コンコンとノックの音がして先程の執事さんの声なのだろう成人している人の声がして校長先生が許可をすると扉が開いた

…?なんだろ


なんか五人の青少年と二匹の精霊が部屋に入ってきた


「校長先生、お呼びでしょうか…」

「うん、昇次君、この子たちが私の目をかけている生徒たち、風紀委員の子達なんだ。みんな、この子は私と同じ特異体質の子でね。種族が唐突に変わってしまう可能性のある子だよ。だから風紀委員に入れたい、そう思っているんだ」

「…」


そういわれると途端に黙り込んで、俺を見て、俺の近くにいるスミレを見て、それからルールウド君、爺を見てハァ、と大きなため息をついた…

なんとなく、流れを察したんだろう…


「新しい子を教頭先生に取られたくない、そういう事でよろしいでしょうか」

「そうだよ。僕もこの子を気にいっちゃったんだ。特異体質の事もあるし。」

「さようですか。どういった子なのかを聞いていいでしょうか」

「はいこれ読んで。」


そう言って渡したのは、先程俺が出したステータスの紙3枚

校長先生と会話していた一人の手元を他の4人がのぞき込むように俺のステータスを身に集まっているけど、何も反応がなかった

ほら、こんなの普通なんだよ

そう言いたかったけれどもスミレがささみをくれとねだってきたのでその場でささみを出してみせると興味深そうに校長先生と爺が見てきたのが分かった


ナズェミテイルンディス


スミレがバクバクと噛みつき食べているのを見てほっこりしていると精霊の内の一匹がふわふわ漂いながらも近づいてきた

その子はテディベアに可愛らしいデザインの羽がついているような見た目だ

ミーシェちゃんなら遠慮せずに抱き着きそうな見た目だった


『何食べてるのぉ?ぼくにもちょぉだい?』

『にゃ、これはみゃーのにゃ!』

『いいなぁ、僕にもちょぉだい』

『め!』


子犬にねだられたときに断っていたように、スミレは意地悪にもプイッと背を向けた

しかしささみを食べるのを止めようとはしていないスミレはやはり少しばかり食い意地が張っているなと思うこの頃・・・いてっ

スミレに筒抜けだからか、手を噛まれてしまった…


『みゃう!にゃー、にゃー!!ショージも、上げちゃ駄目にゃよ!』

『…あー、はいはい。わかったってば』

『独り占めしたいのはぁ、分かるけどぉ…でもぉ、少しは仲良くしよぉよぉ』

『ショージは誰にでもお膝に乗せるにゃ!そんにゃのだめみゃ!』

『あぁ…お膝は、駄目だねぇ』


精霊にとって、特に契約している精霊にとっては膝に乗せるのは駄目だとさ

そんな事を知らないから教えて貰わないとわかんないじゃないか

スミレもなんでどうして駄目なのか、ちゃんと言ってくれないからなぁ…

なんて俺が思っているともう一匹の精霊が俺の所までちょこちょことやってきた


今度の精霊は小さいモルモットみたいなネズミの姿をしている、精霊だ

俺は思わず片手でひょいと救い上げた

ふわふわそうな毛並みに、割と今の俺の片手にはでかく、掌にピッタリか少し大きい位だ


『にゃー!ふー!!』

『あぁ~…これはぁ、駄目だねぇ…』

『きゅー、きゅー。契約している精霊以外の精霊にお膝の上とか掌に乗せちゃダメでちゅ!』


何故か、三匹に猛反対されてしまった

…膝じゃないからいいか、モルモットだしとか思っただけなのだが…


『…なんで?』

『駄目にゃ!ショージはみゃーのにゃ!っていう特別感がなくにゃるにゃ!』


精霊達と話していたら、二人青少年が困ったような顔をして俺の所へやってきた

一人は青い目をした、若干垂れ目気味のおっとりしてそうな印象を受ける、右目に泣き黒子のある黄緑色の髪の毛の青少年だ


もう一人は桃色と言っていいのか、薄いピンクの目の色をした、不思議な色素の子で、薄いセピア色の髪の毛が緩く外巻きに跳ねている青少年だった


「…あの、その子俺のだから返してくれないかな」


そういったのは黄緑色の髪の毛の青少年で、どっちの精霊だろうかと思っているとぴょん、と俺の掌からモルモットのような大きさのネズミが飛び降り、そのままスイーッと滑空してその青少年の肩に止まった

…モモンガみたいな跳び方をしたけれども、モルモットの体には飛ぶのに必要な物は一切ついている様子もなく、なんか不思議だった


「…この子は、リッツっていうんだ。」

「リッツ君?」

「そう。君の子は?」

「スミレです。」

「スミレ、ちゃん?スミレ、君?」

「女の子です。一応…」


俺がそういうとスミレが不満そうにグルルと喉を鳴らし、俺の手をガブッと噛んできた


「って!」


俺が手を引っ込めるようにスミレから離すとスミレが一言余計だと文句言ってきた

だってお前最近太ってき…


『しゃー!!!!!』


アウチ、いてて…スミレに思い切り抗議という名の攻撃を貰ってしまった…

事実、昨日よりおm


『ふーーーーー!』


ガリ、と音を立てて爪を立てられて痛いです

おもっくそ掌引っ掻かれた…まじいてぇ


「あー…痛そう」

「いや、うん、そう、じゃなくて痛いです。」


俺がスミレを下ろしてそのままいつもの様に癖で魔法を使い治療すると何故か校長先生と執事さん、上級生たちが驚き目を見開いた

すっかりきれいさっぱり傷がなくなるとモルモットのリッツ君を肩に乗せたまま、不思議そうに俺の掌を何度も触りだした、黄緑色の髪の青少年


もう一人の、色素薄い系の髪色の青少年もいつの間にかテディベアを右腕で抱え俺の手を凝視していた


「怪我…というか傷が、跡形もない…」

「光属性の魔法…だよね?ここまで奇麗に治る物なの?」


…?何だよ、そこまで奇麗に治んないっていうのかい?と思っていたら分ちゃんが一般的に光属性での治療は違うらしいと言うのを脳内で動画で出してくれた

それ(動画)によると光魔法での治療は擦り傷、些細な切り傷をその部分だけじわじわと早送りしたようにかさぶたを造らせて、そこから自然に治るように治療していくらしい…

これも、想像力の差なのだろうか


そして光属性の魔法は俺の使う治療とはちょこっと違うと言う事が分かった

…ま、俺のはちょっと狡いかな

漫画のあの主人公の、治療方法を想像して怪我を直してるしね


なんて考えていたらくぅ、と俺のお腹がなってしまった


いやああ、恥ずかしい…これは恥ずかしい

ルールウド君が口を覆い、肩を揺らして迄笑ってるの我慢してるけど俺もいっそ笑いたくなってしまった

…なんていうタイミングなんだよ、全く!


「ふふふ、おなか、空いてたの?ごめんね。」

「ショージは迷宮から帰ってきたばかりなので、おなかが空いてしまったんだと思います」


校長先生がフフフと笑うとルールウド君がフォローしてくれた

フォロー自体は嬉しいけれども、それなら早々に帰してくれませんかねぇ…

自分のお部屋に閉じこもって丸くなって眠ってしまいたくなるのを我慢してぐっと唇をかんで文句を飲み込んだ


顔、絶対に赤くなってるよ…


とんだ失態ですよ、此畜生…

そう思っていたらスミレが哀れんだ目でニャーと鳴き、俺に一房のブドウをくれた

遠慮せずスミレの持ってきた葡萄を受け取りそしてそのまま影に入れると文句言いたそうにじろっと見てきた


『お腹空いてるからこれだけじゃ足りないんだよ、そんな目で見ないでよ』

『みゃー、ミャ―の親切心をちゃんと受け取れにゃ!』

『受け取ったってば。後でご飯の後に食べるよ』

『みゃ!にゃら、いいにゃ!』


スミレを撫でながらも俺はお腹が空いたな、と思った


「さっきの、君の精霊が持ってきたものは食べないの?」

「後で食べたいから…」

「そうなんだ。」


色素の薄い目の青年がそう聞いてきて腕の中のテディベアが可哀そうな目で俺を見てきた

なにゆえそんな顔をされなければいけないんでしょうかねぇ


『みゃー、ショージは自分で出した食べ物食べにゃいにゃ?』


あー…その考えはなかった

よしやってみよう

早速と言ってもなんだけど、パッと考えたのは“カレーパンが食べたいな…”だった

ポンと音を立ててカレーパンが紙に包まれたまま出てきた

早速食べてみるとサクサク衣の中はふわふわ、カレーもばっちり中辛だった


「小僧…わしらもおるんじゃが…」

「…」


俺は知らんな、と思いながらカレーパンをペロッと食べた

美味しかったよ!カレーパン!


『ニャー、美味しかったにゃ?ミャ―も食べたいにゃー』

『カレーパンは駄目。玉ねぎや香辛料は猫に悪いから』

『にゃー!みゃーはそんにゃ柔じゃにゃいにゃ!』

『ささみ嫌い?』

『すき!』


即答である

ささみのおやつはそこそこ気に入ってくれているようで何よりです

俺はスミレを撫でて更にささみを上げたらがっついて食べだした


『じゃ、辛いもの好き?』

『きにゃい!』

『(きにゃい?…嫌いって事かな?)カレーは辛い物だよ?食べたいの?』

『じゃいにゃにゃい!』


スミレは満足そうにささみを食べてちゃしちゃしと舌を出したまま前左足を舐め、さらにくしくしと顔全体を拭って、左前足を舐めてと繰り返した

可愛い…つい見てしまう…

スミレは一応子猫の姿だから、コロコロしているんだぜ?

もう、もう!!可愛い!


『ミャ…そんにゃにみられると恥ずかしいにゃ…』

『お、おう、ごめんね』


俺はスミレから視線を逸らし、なぜかこっちを見ている校長やら上級生たちと目が合った

なんか、驚いた表情で俺を見ている

…何だろう、なんか俺やらかした?


「な、なんですか?」

「…今食べ物をそのまま、出して食べなかった?」


あ・・・(ブワッ)(滝汗)


シェンフ君が注意してくれたと言うのに、うっかりやらかした

あぁ、やばい…

言い訳できそうにない

俺は出来るけど、他の人は食べ物を調理したものが出ない、とシェンフ君に言われたと言うのに…あれだけ、ルールウド君に聞いてからにしてと言われたのに…


ゴ、誤魔化せないだろうか…

【諦めろ】

だまらっしゃい分ちゃん!


「き、気のせい…じゃ、ないですかねぇ…」

「………気のせいというのなら、僕の魔法で一度見た物事を再生する魔法があるけど」


あああああああああああああ…・・・

逃げられない、ぬああああん!駄目だこれええええええええええ!


あぁぁ、ルールウド君が…ルールウドお兄様がこちらを見てらっしゃる…

あばばばばば・・・(がくぶる)

・・・よし影に逃げよう


俺が影にトプン、と入ると即座にズルリと引き釣り出された

あ、あうあうあう・・・(滝汗)


「ショージ」

「あぃ」

「後で、お話ししようか」

「……………ぁぃ…」


ルールウド君おっかないですぅ

ガクブル・・・


「ほら、誤魔化せないように、よく見て。さっき君の使った魔法だよ」


先程の子が、テディベアの精霊を下ろして魔法を使った

恐らく無属性の魔法で、…動画をだした

先程の、カレーパンをポン、と軽く出した俺の姿を出した


あかん(確信)


ルールウド君がものすごくいい笑顔です


「君、食べ物を調理したものの状態で出せるんだね。」

「…出せますけど俺が食べたことのある物じゃないと駄目ですよ」

「そう。飲み物は?」

「こんなの出せますよ」


俺は諦めてお酒からソフトドリンク、更にグリーン茶、紅茶コーヒー緑茶ウーロン茶やチャイなんかも出してみた

勿論お酒は真っ先に爺がぶん盗って飲みやがった


「おい爺勝手に飲むな!」


俺が爺から酒の入ったジョッキを取り上げようとしたら一気に飲みやがった!このクッソ爺!!生ビールをググっと一気に煽りやがった後ケロッとした表情でなんかほざいてます


「けちけちすんな小僧、減るもんじゃないじゃろ」

「確実に減ってるんですけど?!魔力に酒に、むしろ減るもんしかねぇよ!」

「出したんじゃ、飲んでもいいじゃろ。小僧、お変わり!」


こんのくそ爺…(怒)


「居酒屋に行けくそ爺」

「ただよりうまい酒はない!」

「控えめに言ってエタノールか、エチルアルコール飲んで死ね」


俺がそういうと爺は、がっはっはっは!と笑いつつ俺に酒の追加を入れろと言わんばかりに空になったジョッキを突き出してきた

俺はここにガソリンでも入れてやろうかとすら思った


が


「ショージ?」

「!な、なんでもないです、はい!ごめんなさい!」


俺は慌ててルールウド君に謝りました

もれなくデコピンの刑に処されました

痛かったです、まる

……己、爺…(怒)


俺はおでこめっちゃ抑えてます

痛かったんだもの、仕方ないじゃないか

そしてその後飲み物を消すよう言われました

消してから口の悪いことを叱られたので爺の方が悪いと言い張り、更にデコピンを貰った

痛い…己ぇ!


思わずむくれたらルールウド君が溜息をついた

あぁ、これは帰ったら怖いかなーと思わなくもないが、だが!だが!!

こいつが悪いんだい!酒を!勝手に俺から取ってったんだもの!

だから俺は悪くないもん!


…そりゃ最初に食べ物を出した俺が悪いのかもしれないけれど!

けれど!!ブーブーと心の中で文句言いつつ言葉として出ないように、口の中に文句を押し込んでチャイを飲みつつプイっと爺からそっぽを向いてみた


「ハァ…すみません教頭先生」

「いや、小僧はこっちの方がわしの好みじゃから構わんぞ?からかいがいがあるしのぉ」

「ノブレはやりすぎだから、仕方ないよ。今日もいきなり生徒会メンバーをほぼ1Aに寄越したり…そんなことしているから反発されるんだよ」


そうだそうだ!ルールウド君が俺の教室にいた時のあの衝撃は忘れないぞ!

ガチで落としにかかるとか大人げないぞ!


俺が校長先生の言葉にひっそりと心の中だけでひっそりと頷いていると俺の隣に来ている黄緑色の髪の青少年が俺の足元にいるスミレを撫でながら勧誘してきた


「風紀委員は校長先生の肝いりチームなだけあって、そこそこ実力あるよ。精霊使いは二人もいるし、皆優しい。生徒会にいる魔獣使いとは違うよ。」

「高等部っていうとかなり上のように感じるかも知れないけど、そんなでもないよ」

「転生者もいるよ。あそこで君のステータスを見ている人。青い髪に紫色の目をしている子…話してみたら、いいんじゃないかな」


そう言って薄いセピア色の髪の色の子が指で指している子は、唯一背が俺位の小さい子

指されたことが分かったのか、その青い髪の子がついっと俺達の方へと顔を上げた

俺と目が合った気がしたのでついお互いにキョトンとしてしまった


「?何の話だい?」

「転生者の話」

「あぁそう。君も、日本?」

「はい」


俺が頷くとペコッと頭を下げた

その様子を見て あ、なんだか日本人だな、と思ってしまった

なんか頭下げられるとこっちも思わず頭を軽く下げずにいられない

向こうの子供が俺の方に来て懐から名刺を取り出した


「どうも、私こういう者です」

「ご丁寧にすみません。」


俺も分ちゃんに任せ、名刺を作り、その場で交換した

その子が名刺を見て少し驚いた様に俺を見た


「あぁ、やはり。朝間雫くんじゃないですか。」

「え」


俺が急いでもらった名刺を見てみるとそこには・・・


「あぁ!牧野さん!」


俺の小さいころからの知り合いで、特に中学の時お世話になった、駄菓子屋とゲーム機を何台かおいてあった店の店長さんの名前が透かしで加工されて入っていた

勿論こっちの世界での名前も記入してあるけれども、俺にとってはその店長の名前と店舗の名前が記入されていて、住所も俺の地元の番地近くだったから間違いなく俺の知っている方だろう


「いやだな、もう“さん”とよばれたりする年齢じゃないのに。懐かしい雰囲気をしている子だったから、もしかしてと思って名刺に仕掛けをしてみたら。」

「なんだ、牧野さんじゃないですかぁーお久し振りですー、てか俺の事覚えてたんすね」

「まぁね、朝間雫くんゲームや子守がうまかったから子供たちに人気だったしねぇ」

「ちょ、やめてくださいよ」


うわぁ、生前の知り合いにあったら以外にも恥ずかしい

思わず懐かしいのと恥ずかしいのとが混ざりこんだ感情をそのままにしつつも雑談をした


「牧野さんはいつからこちらに?」

「そうだねぇ、今の私は15さいだよ。種族はドワーフなんだ。」

「うわぁ!俺エルフですよ、ハーフだけど。ちなみに7歳です」

「ち…小さいねぇ、朝間雫くん」

「この世界に来てからなら5年位っすけど」

「そりゃ色々試したいよねぇ。」

「よくわからないことが多くて。まぁ楽しいのでいいですけどね。」


俺がそういうと牧野さんは何度も頷いて同意してくれた

やはり日本の時よりも牧野さんは若々しくも、表情の方も豊かになっている


牧野さんは俺の高校生(16歳の時かな?)になって途中、葬式を上げる羽目になったはずだから、亡くなってから何年もたつ

そっか、こっちにきていたんだ


「ショージ、知り合い?」

「うん。知り合い。俺の家の近くにお菓子を売るお店があって、その店主さんだったんだ。そのお店のお菓子は子供のお小遣いでも買えたから、よくお菓子を買いに行って、食べたりしてたんだ。」

「あぁ、そうなんだ。ショージはそのお店の常連さんだったんだね」

「そうだね、店主の牧野さんが亡くなってから葬式も出たし…最近は、お店閉めちゃってたから行かなくなってたけど、つか俺も向こうで亡くなったからこっち来た訳だし」


ルールウド君はなんだかつまらなそうにムウ、と頬を膨らませた

まるで他の精霊を相手しすぎて拗ねた、スミレみたいだ

なんだか友達の友達が自分を置いて仲良くなってつまらない、というような感じだ


「どうしたのそんな顔して」

「だって随分と親しそうだから。ショージは僕の弟でしょ」

「う、うんそうだよ」

「…」


文句言いたそうな顔でルールウド君がムスッとしている


「おやおや…弟を取られて嫉妬かな?ごめんね?」

「…そんなんじゃないです。」


プイッと顔を背けるルールウド君だったが俺の方をちらちらと気にしているのかまた面白いなぁ、なんて思っていた


「なんじゃ、小僧そいつと知り合いだったのか?」

「そうだけど、牧野さん巻き込んだら俺絶対に生徒会になんかはいんねぇからな。」

「いらん いらん。そっちのはシュティレに似ているから、からかいがいがないし詰まらん。なんかやたらと理屈っぽくって好かん!子供なのに可愛げがないわい」

「嫌われてしまったのは残念だけど、私は向こうでもう79だったからね、子供という歳でもないんだが…」


うん、そうだよね

牧野さんはどっちかというとおじいちゃん側だよね

俺はつい癖で魔法を使い、最中と緑茶をセットで思い浮かべ、出した


「牧野さんお茶どうぞ」

「あ、ありがとうね。」


俺も紅茶を飲んでいると牧野さんが校長先生はどういう人でどういう活動しているか聞かせてくれたので参考になった


「この学園の校長先生はねぇ、いいひとだよ」

「良い人なのはなんとなく伝わりますよ。でも風紀委員って具体的にどういう活動しているんですか」

「そうだねぇ、学園の中とかのごみを拾ったり、先生なんかの代わりにいけない悪戯を防いだり、他校の子と問題を起こす子を注意したり、ってところかな」

「なるほど、まさに風紀委員…」


俺は納得できたけれどもルールウド君は納得いかないみたいだった


「ショージは生徒会に入るんで、結構です!」


グイっと腕を引かれ、ぎゅっとくっつかれた

お、おう…(汗)

…俺は生徒会に入る事が確定しているようです

何故に…


「生徒会にはもうたくさん人いるじゃないか。こっちは人手不足なんだ」

「だからってショージは駄目です!教頭先生に、引き入れるよう言われているし!」

「僕らは校長先生に、引き入れたいと言われているんだよねぇ?」


ルールウド君が俺の腕をぎゅっと抱きしめながらなんか、コントロル君にするような態度で黄緑色の髪の青少年に食って掛かった

…そんなに喧嘩腰にならんでもいいのに…

生徒会と風紀委員はよほど仲が悪いのかな?


「まぁまぁ、お二人とも落ち着いてください。朝間雫くんが困惑してますよ」


牧野さんが二人を諫めると二人、というかルールウド君がプイッとそっぽを向いた

これは…どうしたらいいんだろうね

てか俺お腹空いてるんだけどなぁ…カレーパン食べただけじゃ足りないのになぁ…


「ねぇルールウド君」

「なに?」

「お腹空いたんだけど、もう自室に戻っていいのかな」

「そうだね、もう戻ろう。では校長先生、失礼しますね」


俺がこっそり恥ずかしいからルールウド君に相談したらそれを好機と見たのか俺の手を引いてさっさと立ち上がり、扉の方まで急いで歩いた

俺も当然つられて歩くけど、牧野さんともう少し話していたかったなぁ

まぁ後で会ったら牧野さんと色々話す時間を取りたいなぁ


ルールウド君に手を引かれてまっすぐに校長室を出た後は(もちろん校長室を出た時軽く挨拶はしたよ?)エレベーターに乗り込んで、俺の教室までルールウド君に連れて行ってもらった

その間なんかルールウド君がむすっとしたままなので俺はちょっと気まずい…


「なんで怒ってるの?」

「怒ってないよ、面白くないだけだよ」

「…怒ってるじゃん」

「だってあんなに親しそうなんだもの!僕あんなに親しくされてないもん!」

「そりゃ生前に親しくしていた人だったから懐かしくなるじゃないか」


ルールウド君はぷくっと頬を膨らませてそのまま何も言わずに俺の部屋まで連れて行ってくれたがその間はムスッとして拗ねていた


「僕はショージが初めての弟で、だから何でも話して欲しかったし仲良くしてる方だと思ってたのに!」

「いや、仲良くしてるし、何でも話してるよ?」

「むー!そうじゃないよ!」


パタパタと羽を出してミーシェちゃんみたいにぐずった

少し嫌そうに眉を顰め、頬を膨らませている姿はミーシェちゃんが嫌がる時に見せる姿そっくりで、なんだか微笑ましい

でも困ったな、どう言ったらいいのだろう…


「牧野さんは俺が生きていたころの昔の知り合いだから、ルールウド君に対する態度と違うのは仕方ないんじゃないかな。」

「…僕とはそうでもないってこと?」


どうしてそうなる

なんか浮気を疑われている夫みたいな事を思ってしまった


「うーん、ルールウド君は俺のお友達って紹介して欲しかったの?」

「ううん…ただ僕の知らないショージがいるみたいでいやなの。」

「じゃあ牧野さんに直接俺の事聞けばいいよ。」

「…」

「俺、ルールウド君と牧野さんには仲良くなって貰いたいなぁ」

「……………」


ルールウド君は口を尖らせてはいるものの、少しだけ興味というか牧野さんと仲良くなってもいいと思ってくれたのか、チラッと気にしているように俺を見てきた

自分がのけ者にされて拗ねてる子供、みたいだ

ちょうど困惑して黙ってしまった、そのすきにくぅ、と俺の腹の虫が抗議を寄越した


「…はぁ、ごめん。意地になっちゃって。お腹空いたよね」

「うん、空いた。何か食べよう?スミレに貰った葡萄もあるし!」

「ついでに僕も食べようかな、一緒に食べていい?」

「うん、かまわないよ」


あぁよかった、なんとかルールウド君が少し考えなおしてくれるみたいだ


俺の部屋にて二人してソファーに座り、キューリャさんとマクスェルさんが料理をしてくれると言うので運ばれてくるのを待つ間にルールウド君は本を出して勉強をしだしたので一緒になって本を読んでいた

と言っても俺が勝手に横から一緒に読んで、ルールウド君に疑問に思ったら説明してもらう、それだけだけどね


むしろ邪魔している感じなのは否めない…うぐぐ…

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