前にも似たような事が、合ったような…なかったような…?
どんな人がいるのかとドキドキしているとルールウド君から先に入り、後を追いかけるように入った
従者であるマクスェルさんとキューリャさんは俺の後に入りステフィム先生は最後だった
「わざわざ悪かったね」
椅子の背もたれの部分が目に入る
机の向こうの人が、この学園の一番偉い人であろうと言う事は嫌でもわかるので何も言わないでおく
くるりと回転する、豪華な椅子に乗っている人物がそばにいる執事風でありながら金色の刺繍をされているやや豪華な服装をした人に紙を束ねたものを渡し、とうとうこちらにも姿が見えるように椅子を回転させた
・・・回転させ過ぎたのかくるっと一周して元に戻ったけど。
「うぐっ、回りすぎてしまった…」
小さくそんな慌てるような声までばっちり聞こえているけれども
椅子の位置を調節して、今度こそ姿が見えるようにした、その人はなんと…
俺達と同じくらいの背か、それよりも小さい子供だった
その小さい背の子供は先程聞こえていた成人男性のような低い声で俺にもっと近くに来なさいと言った
まぁそういわれたら行くしかないのだけれども、どう見てもこの人、子供なんだよな…
俺が近くに行くと椅子からひょいと飛び降りて子供校長が応接室にあるようなソファーに座るよう勧めた
「勿論ドラゴニア第一皇子も同席していいぞ」
「あ、はい!失礼します」
「えと、はい。」
ルールウド君がソファーに座るのを見てから俺もソファーに座った
子供校長が俺たちの向かいのソファーに座る
「私はこの学園の校長をやっている、君達ドラゴニア家と懇意を結ぶフォーゲルという者だ。そうだな、君達から見て大叔父かな。君たちの知り合いにレシェルナがいるだろう?あれは私の妹だ。」
・・・・・・
どう見てもこの人の方が若く見えるけど、はい?
そう思って首を傾げるとくくくと笑ってフォーゲルさんは紙を出し説明してくれた
「つまりはこういうことだ」
^――――――――――――――――――――――――――――^
〇―――☆
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|――――――|
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◇―フォーゲル レシェルナ――トーマス
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● エルフィール――ランドローク
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|――|――|
ル―ル ミー ショ
ウド シェ ウジ
^―――――――――――――――――――――――――――――^
サラッと家系図を書き上げてくれたこの子供にしか見えない人はつまり…
…成程、叔父さんってわけか
「ですが、あの…不躾な事をお訊ねしますが、母や祖母とは種族が違うように思える、のですが…」
ルールウド君がそういうとこくりと頷いた
「そうだね、母はれっきとしたフロストエルフ、妹もそうだ。その子供のエフィールもフロストエルフで間違いない。私もかつてはそうだった。」
「かつて…?」
「私はフロストエルフだった。所がある日突然何も知らぬまま、原因不明の高熱が出たため緊急入院し、目が覚め、検査をすると種族が変わっていた。」
んんんん、どっかで聞いたことのあるような体験談?!
思わず俺とルールウド君は顔を見合わせる
フォーゲルさんはそのまま話をつづけた
「私の次の人生、嫌エルフ生はフォレストエルフだった。いわゆる奇病の類で片づけるにはあまりにも…急激な変化だった。種族が変わっただけでなく今までいた環境が全て種族の代わってしまった私には辛く、あって当然だった魔法が全然使えなくなってしまった。やむなく私は旅に出るほかなかった。しかし存外エルフは外部の物を受け入れることがなく、また変化を著しく嫌う物が多い…どこに行っても受け入れられなかったのだ。フォレストエルフは森がなければただの人同然。魔法も使えない私がいきなり精霊術を使えたり、精霊達を感じる事も出来ず、その日その日暮らしをする他なくなってしまった。一時は盗賊になる事すら、考えた。しかし、まぁそんな意気地のない事出来るほど落ちぶれられなかったので、何とか必死に毎日同じ旅行者の荷物を持ったり運び屋や大工を手伝ったりして旅を続けていた」
「そしてある日、とある小さな村の村長がこの唐突な種族の変化の原因が記されている書物があると言ってきたので見せてもらった。そこには本当に稀な、事例として数兆人に一人か二人いるか、いないかの確率で、進化する魔人種がいると…そう記されていた。藁にもすがる思いで見ると、発動する条件は個人で違うが、今までの種族と別の種族に変化することがあり、それはさらに条件を達成していくと別の種族へと変化をする事が出来る奇病があると…。そして私は生涯をかけ、自分の種族を、体を、その本の書かれている条件の種族を変える為の引き金になるであろうことを、全部試した。食事に黄色の物を必ず一品交えて砂漠にすめと書かれてあれば10年はその場にいた。海の中で生活しろと書かれれば酸素を、管を使い供給しながら決して海上に出なかった。」
「最初は何度も諦めかけては、これにしか道はないと自問自答し、60年たったある日…漸く私の種族が変わった。フォレストエルフから、今度は邪魔な羽の生えている、魔族へと進化してしまったのだ…しかもそれは消えたり引っ込めたりが出来ないようだった。種族名はデビル属。黒々とした羽が、兎に角嵩張った。今まではエルフだったから、背中にある羽が服を押し上げて間抜けなのだよ。すべて持って居た服にその場で、即興で穴を広げ、窮屈なのは何とか解消したが羽がある分今までよりも動くのも遅くなり、飛べる方法などしりもしない私には邪魔なものだった。再び村長の本を見せて貰う事が出来なくなった…種族が変わった私を、“私”と証明するものがないのだ。仕方がないので再び60年ありとあらゆるものを試し続けた、しかも独学で。」
「で、120年たち次の種族は人魚族だった。地上で息がつまり、口を開くことすらできなく、音を発することも、歩く事も出来ない。そんな私を姪に当たる子と婚姻する事になった人のお父様、君たちにとっては祖父であるルドルフ・アレキサンドリア・ドラゴディア様が拾って海まで届けてくれたのだ。」
あ、知り合いの名前が出てきた
「更にルドルフ様は私に魔法を使い、私の思考する言葉の一部、言いたい事だけを文字にできる魔法をおかけくださり、意思疎通ができるようになった。そこから私はこの特殊な体質の事を話し、様々な協力をしてもらった。そして何度目かの体質、種族変化を経て人間になったり、獣人族になったり、再び苦しんだりしながら旅を続け、ようやくエルフ族へと戻れた。…フロストエルフに、ではないがな。」
「私の今の種族はエルフ族の中でも希少種であるフロストエルフより希少な…魔法と精霊術の両方を使える、レスレクシオエルフ、という。恐らく私以外は今現在いないであろう種族だ…。こう見えても10万は超えている年齢だぞ?」
い、生きた化石並みの貴重な人物だった
しかも大叔父さんだった
「ざっくり言うと只野年寄りだ、ちょっと特殊な、ね。」
そう言ってぱちんとウィンクしてきたフォーゲルさんは茶目っ気がある人っぽい
ルールウド君が聞きたそうにうずうずしたような表情で俺の事を気にしつつ口をもごもごさせた後に意を決したように大叔父さんに聞きたそうにした
「あの!大叔父さん」
「あぁ、昇次の事だね。レシェルナの子供の、エフィールから聞いているよ、たぶん昇次も私と同じく種族が安定しないだろう。ある日突然だからね。種族不安定病は全く予測も予防できない。こればかりは私が自分のエルフ生を捨ててまで調べまくった結論だ。」
「…そう…ですよね」
ルールウド君がしょんぼりして立ち上がりかけていたソファーに再び腰を下ろした
そっかー、生き字引状態である大叔父さんがそういうならそうとしか思えないなー
それならそれで諦めて変化を楽しめばいいんじゃないかな
魔法が使えなくなるってとんでもなく大変だけど、まぁもともと人間なんで
人間って結構根性あるからね!魔法がないなら即興で適当にその場に必要な物を何とか道具造って補うからね!
「そっかー、でもそれなら仕方ないですよね」
「…ショージ、自分の事なんだよ?」
「種族が変わるならそれを楽しもうぜ」
「「は?」」
おや大叔父さんとルールウド君驚いた顔そっくり
血筋を感じちゃうね
「いや、だから楽しめばいいっておもうんだよね。」
「生活していくの大変だよ?」
「そりゃ体がいきなり変わるけどさ、俺転生者だからもう一度それ味わってるんだよね。向こうで死んだと思ったらいきなり子供、しかもドラゴンになって、目の前に巨大なドラゴンがいるんだよ?もう驚いたのなんの。でもそれでも周りに何とかなじんだら、こんどは人間の時との違いが面白かったりしたしさぁ…勉強は厳しめだったけど。で、しばらく楽しく暮らしてたら今度は人間じゃなくてハーフエルフ。精霊たちがあちこちにいるの目に見えるし、耳はよくなるしで戸惑ったけどそれも直ぐになれたし毎日が刺激的で結構悪くないよ、こんな生活も。むしろ次は何の種族になるのか楽しみでもあるかも?」
俺がそういうとやや呆れたような目で苦笑したルールウド君と意外な答えに戸惑いを隠せず目を大きく開き驚くフォーゲルさん
にやにやしてる爺は俺の言ったことになんだか満足そうに頷きまくってた
満足そうにしてんじゃねぇよ禿とひっそりと思ったけどこの場では言わないでおこう
「…異種族に変化することを楽しむ、か。」
「だって中身は変わってないんだからさ、見た目や術は変わっても自分自身じゃん?その自分を一番理解できるの自分だし、楽しめばいいと思うんだ。出来なかった事が出来るようになるし、その土地その種族でしか味わえない体験があるじゃないか。人魚に代わるのはびっくりしちゃうかもだけど、湖の底とか、海に行ったりとか。他の人に行きたいから連れてってーって文字で書いて言ったりとか!」
俺が礼を出しつつそういうとやはりフォーゲルさんは目を丸くして、それから笑った
「…その発想はなかった」
「でしょー、褒めていいのよ」
「ショージ?」
咎めるようにルールウド君が俺の脇腹を肘でつついてきたが俺は分ちゃんがやるようにえばってみた…結果デコピン喰らった
超いてぇ…思わず額を押さえて摩った
そしたらフォーゲルさんが面白おかしそうに ふふふと笑った
「昇次君は面白い子だね。」
「そうじゃろ?」
「ふふふ。そこでなぜノブレが自慢するんだい?」
「わしのお気に入りじゃからな!」
爺は俺に向かってウィンクをしてきた
俺は無視した
爺に笑顔を向けられた
俺は無視して紅茶を出して飲んだ
「わしを無視するな」
「……」
「小僧無視すんな」
「……」
俺は紅茶を飲んでいる
しかし爺はとうとう構って欲しくなったのか、ガシッと俺の頭を掴んだ
痛てぇんだけど?手加減してくれねぇからミシッという音が聞こえそうな位にガシッと掴みやがったので俺は問答無用で影の手をだして爺を引きはがそうと思った
そしたらぺしっと羽虫を払うかのようにあっさりと黒い手を振り払われてしまった
こいつ…ともやっとしたらルールウド君に無言でデコピンという形で怒られてしまった
痛い…
その様子をふふふと笑いながらもフォーゲルさんが笑うが助けてはくれなかった
嫌助けて?ヘルプミー…
「あぁ、そうだ。昇次君を呼んだのはこんな雑談する為じゃなかったんだった。同じ様な事が起こった子がいると聞いて気を揉んでいたのだけれども、本人が思っている以上に愉快そうだった事でうっかりしてしまった。ノブレに無理やり連行されて、迷宮に行ったんだって?大丈夫だったかい」
「正直に言うなら疲れた、です」
「あぁ、初めての迷宮だったんだよね、疲れても当然だね。」
いやそれもそうだけど迷宮内では基本的に気事態休めないから…特にステルス植物軍団
目に見えて攻撃して来そうなのは追撃やら先に奇襲できるんだけどさぁ…無理
向こうが透明になっているとか、マジ無理
分ちゃんがいなかったらと思うと俺はぞっとしちゃうね
植物なのに積極的に襲い掛かって来るとか何なの
今思い出しても怒りしか湧いて来ないのですが、小一時間文句言いたい
俺が迷宮の3階層に文句を思い浮かべていると爺が嬉しそうにステフィム先生に対し俺をくれと言ってきた…ステフィム先生は無言で返した
この件に関してはもう何も言える立場ではありません、とでも顔に書いてあるかのようだったのでステフィム先生は知らぬ存ぜぬを態度で表しているかのようにそっぽを向いた
俺としては爺に弄ばれるのは嫌なのでステフィム先生に何とかしてほしい所ではあるけれども今この場で一番権力も持たない先生に頼っても仕方がない気がするので何も言わないでおくことにしてあげよう
俺が今ヘタな事言って迷惑かけたら大変だしね
「なんじゃ、皆してこの幼気で非力な爺をのけ者にして、悪者にしよってからに…」
「今まで自分がしてきたことが跳ね返ってきているだけですよ」
「ふん、ここまで親切で優しい爺はわし以外居らんわい」
「ハァ、やれやれ…ノブレはやり方が荒いし、その優しさは他人には分り辛いよ。」
困ったように笑うフォーゲルさんはなんだかレシェルナさんにそっくりだった
…まぁ妹というのだから似ていて違和感はないかもしれないが
「迷宮の中でもそこそこの難易度の“バガモールの迷宮”へと言って5階層まで行ったと聞いたけれども、怪我はないのかい?」
「大丈夫でした。」
「そっか。それじゃ、一階層の様子から順番にどう行って何をして、迷宮の中で思ったのかを聞かせて貰えるかな」
フォーゲルさんがそういうので俺は一階層から順番に話していった
途中分ちゃんを呼び出して見せたり分ちゃんが映像を紙に静止画で移してみたり、魔獣の体の一部の実物をだしつつ、分ちゃんを交えて沢山あったことを教えてあげた
マースの花を摘んだりしていた一階層の話の時は魔獣も魔物も出なかったので平穏そうだったけれど、2階層の魔獣が出ても爺が手助けをしてくれず、一人で10も20も魔獣を相手した時や分ちゃんに協力してもらって退治した時の話を聞くとステフィム先生とマクスェルさんとルールウド君がいい顔をしなくなったり、3階層に行ってステルス植物の時なんかの話だと顔色が悪くなったり、4階層に行って大きな蟻に出会った時とか、ネズ公に出会ったり攻撃をされかけた時の話なんかはお気に召さなかったようで…
あのルールウド君でさえもむっとして顔をしかめて爺をジロリとねめつけるように見た
そして4階層でキューリャさんと爺が助けてくれた、あの虫の大軍の話をすると自業自得とはいえ同情された…勿論、殺虫剤の話もばっちりしているのでその件に関しては反省しています、とも伝えた
そして少ししたら階段を見つけ、そこまで行ったらステフィム先生と合流した、と全部包み隠さず公にして、更に魔石や魔獣、魔虫の落とした体の部位をみせた
「ほぉ、これはこれは…」
「ショージ、頑張ったんだね」
ルールウド君が哀れんだように呟いて俺の頭を撫でてきた
今日だけで何回撫でられているんだ、俺…
「それで、ステフィム先生と帰ってきました、終わり。」
「なるほど、大体わかりました、ご苦労様です。ノブレの言っていたのはノブレ自身の感情も入っているためひいきにしている生徒がいかに優れているのか大袈裟に言っていると思っていたのですがその調書も割とあっていたと言う事ですね。」
「そうじゃろう、そうじゃろう」
ぐりぐりと俺の頭を撫でた
だから撫でるのやめろっつってんだろこの爺…
俺がそう思っているのが不機嫌そうな顔をしている
抵抗できないからだ、くそったれ
「これこれ、ノブレ。その子の頭どころか首がもげる。」
「おっとそうだった。どうも加減が苦手でなぁ」
パッと手を放す爺に思わず蹴り飛ばしたが、爺はケロッとしているしルールウド君に咎められるしで散々だった…ちくしょう
ルールウド君にデコピンを貰い(まじいてぇ)大人しく額を押さえる
「ノブレが気に入るわけですねぇ…元気がいい。そうだ、昇次君」
「?はい?」
「ちょっと思う所があって、ですね。ほら私と君の共通点でもある体質の事で。きちんと君の種族がハーフなのか確かめておきたいのですが、この球に魔力を流して貰っていいですか」
そう言ってフォーゲルさんが取り出したのは病院でも見たことのある箱と、水晶玉と色々と道具を出してきた
病院で見たことがない物もあるのですがそれは…?
なんか、ブックボックス?っていうんだっけ、分厚い本に見せかけて本の真ん中あたりからパカッと開けるデザインのボックスが出てきて、更にその箱から細い棒とか、紐とか…球体とかなんか、組み立てる部品が出てきて、それを本の形の箱の四隅に差し込んだりなんか紐を通したりして組み立てだした
…???なんだ、あれと思っていたらルールウド君が横でこっそりと魔法レベルやクラスを見る物だと教えてくれた
そして準備ができたらしく、一つの水晶玉に手を置くように言われた
俺はとりあえず言われるままに手を置いて魔力をそのままストレートに水晶玉に流してみた
そして吐き出される紙は全部で三枚
B5くらいの大きさの紙が2枚とA3位の物がファックスの様に機械の隙間から紙がペッと吐き出された
すぐに執事みたいな人とステフィム先生がその紙を校長先生に渡し校長先生はなぜか納得したように頷いた
「やはり…昇次君、君の魔法クラスは高いね」
「あー、なんか、高いらしいですね」
俺がそういうとフォーゲルさんが頷いて俺達の方に紙を向けた後俺達の方のソファーに移ってきた
隣に座られ、ルールウド君が緊張しているのか背筋が伸びたがフォーゲルさんは気にしていないようだった
「ほら此れよく見て欲しいんだ。」
フォーゲルさんが言ってさした紙は魔法ランクの数字とかが乗っているB5紙
そこには何の関係もなさそうな魔法ランクの数字と、魔法属性と見たことの無い文字があった
――――――――――
【魔法ランク;230】(魔法熟練度)
【闇;140】
【光;130】
【土;180】
【無;200】
――――――――――
前、というか転入初日辺りにステータスの一部として自分で出した時にはこうだったのに対し、新たに調べた物にはより詳しく出たのか、なんなのかいまいちよくわからないが次のように変化していた
―――――――――――
【魔法ランク;290/300】(魔法熟練度)
【闇;170/300】(+30)
【光;200/300】(+70)
【土;210/300】(+30)
【無;290/300】(+90)
―――――――――――
という結果が書かれている
…なんだこれ…300?と俺が思っていると校長先生がちょうど『/300』と言う所を指して何の数字かを教えてくれた
「この魔法ランクの属性別の数字は、ランク上限で、全部の魔法ランクが規定値上がれば魔法レベルが上がるよ。昇次君は無属性が規定値に近いね」
あぁ、なんだ、そうなのか、魔法レベルが上がるのか…
魔法レベルⅠからⅡに変化するって、別に困難な事でもないのかも…?
RPGのようにレベルガンガン上げられるという物じゃないはずだけどきっとこの後ろのスラッシュの部分の数字が大きくなって上げづらくなるんだろうな
「魔法レベルが高いとますます勧誘せねばな!小僧、生徒会へとっとと入らんか」
「いいえ、駄目です」
「ふぁ?!なんでじゃ!」
「生徒会にはもうすでに8割も転生者の方々が所属しているでしょう。それについこの間ドラゴニア第一皇子を生徒会へと取り入れる特例を認めたばかりですよ、ノブレ」
…なんか知らんが、爺が言い負かされているぞ?
おっとこれは俺にとっていい方向へ話が行くのでは・・・?
なんて思っていると爺が悔しそうに歯噛みしてはっきりと俺が欲しいと言い出した
俺は物じゃねぇぞこの爺…
「それに、この子はいつ種族が変わるかわからないのですよ。私直属の子たちが!面倒を見るべきです」
……………………………あれぇ?
なんだろう、このデジャビュ―…そもそも、校長直属の子たち?
「…ルールウド君」
「うん?なに?」
「校長直属の子って何?」
「あぁ、僕達は教頭先生が直々にお気に入りになった、とか保護したいっていう生徒の集まりだから、凄く…その、性格が個性的でしょう?」
「…うん」
コントロル君とか、ソルシエ君とか…個性的だよね
後ナイト君とか、清爽君とか…一見おとなしそうな、大人ぶりたそうな子、とか…
キキョウさんとか…爺とか
「教頭先生をはじめ、その…個性的な性格の人たちが魔法を使ったら学園内で問題起したら…その、大変だから…それを抑止できるグループもその…必要不可欠だし…」
言い辛そうにしているルールウド君の本当に言いたいことはなんとなく察してしまった
というかルールウド君が“個性的”と生徒会≪自分たちのチーム≫を言っていることで何が言いたいのかを予想が容易に出来てしまったので苦笑しつつもはっきり言いきってしまえばいいのにと思った
「あぁ、一つのグループだけが権力握るのって貴族たちから見れば面白くない、と?」
「…そういう事。そこで、校長先生と理事長先生っていう方もそれぞれ力を持つグループ、というか個人的に親しくしているチームメイトを…ね?」
「……………理解は、した。」
嫌な予感がビシビシする…
これは関わりたくない案件だよ、と確実に俺の脳内が知らせている
しかしルールウド君がまだ続ける…あぁ非情なり…知りたくない、もう十分だよ
ルールウド君もう十分だってばあああああああああ><。
「…校長先生が直属のチームは風紀委員って言って、僕達より上級生の高等部が多いかな。でも勿論中等部の子もいるよ。精霊術を使う子もいるし、精霊使いもいるよ。」
「うわぁ…」
精霊使いもいるよと言う事は、その子はコントロル君と相性が悪いって事ではないですか
うわぁ、知りたくないことをうかつにも知ってしまった…
「で、理事長先生は…その、錬術狂いで有名で…。小中高と問わずに錬術に優れている調合師…を、その…スカウトして、自分のチームに入れて別棟の方に…閉じこもりたがるというか、その、えーと…け、研究熱心な人たちなんだ。問題ばかり起すけど…」
そんなの聞きたくないってば、てかマッドじゃん
その人絶対にマッドじゃん
関わっちゃいけない人だよ、ルールウド君…
「…ちなみにその理事長先生…は、そのね…?鑑定眼とか鑑定魔法も好きで…ほら、その…錬術にも応用できちゃうから…」
ひゅ、と息をのんでしまった俺は悪くないと思う
もしかしなくとももうそのマッドな人に俺の事…
「…とっくにショージのこと知っていると思っていいよ?」
「わぁお…」
「ショージはもう少し、魔法を使うの我慢した方がいいんじゃないかな」
「…便利なのになれちゃうと中々そうはいかないんだけどなぁ」
「じゃ、早くチームメイトを決め切ってしまいなよ。これから風紀員の人たちも勧誘してくるとなるとますます食堂で食事がとれなくなるよ?」
ルールウド君がさらっと絶望的な事を教えてくれた
そりゃそうですよね、と思わなくもないが…なんていいますか、その…
俺まだ学園に来て、数日なんですよ?3日ですよ?
友達6人でっきるっかなーってできるかぁ!(怒)
だからそんなに早く友達出来る訳ないだろ!
「……ハァ…俺、トラブルに巻き込まれたくないんですけど」
「中心にいるんだから無理じゃないかな?」
そんな、“何を言い出すのやら”と言うような呆れた表情で言われても…
俺は好きでトラブルの真ん中にいる訳ではないと自分では思っているからね?
…ハァ、と溜息をつき、つい視線を落としたら紙に目が行った
魔法ランクの書かれている紙に、なんか書かれているのが気になった
なんだろう、この…『称号』って…
魔法属性別の魔法ランクの下に、『称号』と『使える技能』という物がある
…技能?なんぞ?と思っていると分ちゃんがウィンドウ内で解説してくれた
【魔法ランクの方に書かれている“称号”には魔法をどういう風に使いまくっているかによって称号がつく。例えば、火属性の魔法を多く使っていれば“火炎使い”、水属性を多く使っていれば“水流使い”2属性持ちで、火、水を多く使えば“水火使い”というようになる。昇次の今の“称号候補”は“創作魔法使い”無属性の魔法中心の魔法を多く使う人につく称号です。それか“日向の木陰”光属性と土属性の魔法を多く使う人の称号です】
それは…どっちかと言ったら光属性の混ざっている称号とっちゃうと、ますます目立つ方向性なのでは?と言う事はほぼ一択じゃん
無属性の魔法でお願いします、分ちゃん!
【ならば無属性魔法を今以上に多用する事ですな】
ほほほ、誰に言っているんだい分ちゃん!
俺は言われなくたって無属性魔法をめちゃ使うぜ!
自分で今後は無属性を中心に使おう、なんて思って決めていると分ちゃんが次に別枠ウィンドウで俺の疑問に思った、『使える技能』について語ってくれた
【この使える技能というのは今昇次が覚えている技能の事です。】
ほうほう
【昇次の場合、レシェルナに教えてもらった“錬術”“薬剤調合術”“鍛造術”がある為技能称号『生み出す者』が取得できます。】
技能、称号?
【技能称号は自分で変えることのできる称号で、何をその人物が出来るかと言う事を表している。普通の“称号”とこの“技能称号”を履歴書に書けばばっちり就職できる。ちなみに技能称号はいくつもとれるし補正も馬鹿に出来ない。貴重な戦力になるぞ】
なんてこった、種族が変わるのは隔世遺伝だったのか?
(まぁ昇次と直接遺伝的にかかわっているわけじゃないけど)
ま、いいか。




